冬休みの計画・パート3
「今日、皆に集まって貰ったのは他でもない」
空はそう言って目前にいる一二人の仲間に視線を送る。
そのいつもの仲間はどこか寂しそうな表情を浮かべていた。
そんな彼、彼女らの心情を察した空は一つ咳払いをすると、「本題に入る前に……」と話を始めた。
「皆、受験合格おめでとう」
そう、今この場にいる空を含めた三年生たちは皆、無事に進路が上手く通ったのである。
寧ろそのお蔭で三年生たちは自分たちの学校生活が終わりに近づいていることに実感が湧いてきてしまったのだ。
それ故に切なく、儚い。 皆、そう思えてしまったのだ。
空は彼、彼女らの気持ちを組んで、口を開く。
「皆、まだ俺たちの学校生活は終わっちゃいないぜ?」
彼の言葉に、皆は視線を空に向けた。
「確かに、後数ヶ月したら俺たちはそれぞれ自分が決めた進路によって離れ離れになる。 でも、これが今生の別れになるとは限らない」
だからこそ、と空は拳を強く握りしめ、微笑みながら言葉を続ける。
「この学校生活最期の冬休みを堪能しようぜ! この学校に通えて良かった。 最高の友達に巡り合えて良かったって思える様な思い出を自分の脳に嫌と言う程刻みこもうぜ!」
すると、皆の顔には自然と笑みが浮かび上がる様になった。
「それじゃ、本題に入りますか」という空の言葉に「今回はどうするんだい?」とジャスティスが問いかける。
対して空は「今回は普通に遊ぼう。 後、それと一二月二四日はクリスマスパーティーをするから空けておいて欲しい」と答えた。
皆はそれに賛同する。
「よし。 それじゃ皆、この冬休み堪能しようぜ!」
空の言葉に、皆は「応!」と応え、明日からの休みに向けてその日は解散となった。
その時、大地はどこか何とも言えない不安を抱えていた。
これが最期の休み。 この冬休みが終え、卒業を迎える時、俺は笑顔で巣立つ事は出来るのだろうか……?
そんな悩みを抱きながら明日、冬休みが始まる。




