夏休みの計画・パート3
「今日、皆に集まって貰ったのは他でもない」
空はそう言って一二人の仲間に視線を送る。
「ちょっと待て」
司会の進行を止める大地に対して「何だ?」と空が問いかける。
「この広さでこの人数は流石に窮屈だろ!」
彼の最もな意見に「何だ? 私たちが邪魔だと言うのか?」と月華が少し意地悪な表情を浮かべながら言った。
「いや、邪魔だとかそんなんじゃなくてだな……」
戸惑う大地に「この人でなし!」と空が理不尽な罵倒を浴びせる。
「話をややこしくするんじゃない!」と大地は拳を強く握りしめながら言った。
「休みの計画を立てるのは構わないが場所を考えろ! 場所を!」
それに対して空は「あー、解った解った」と言って両手を合掌し、そしてその片手を床に付けた。
すると大地の部屋は皆が腰を下ろすには充分なスペースに拡張した。
余りの芸当に驚きを隠せない大地は「何だ!? 何をした!?」と声を荒げると空は得意気に腕を組み「なに、錬せ……、手品で部屋を一時的に拡張したまでだ」と答えた。
今、錬成って言おうとしたよな? と大地は思いながらも「空くん、凄い!」と傍らで腰を下ろしている陽子が関心の声を上げた。
「茶番劇は良いからさっさと司会を進行せよ」とリアが踏ん反り返って言うと空は若干眉間に皺を寄せて「はいはい、解りましたよっと」と司会を進行した。
「まあ、ゲームセンターや海、夏祭りは絶対に欠かせないな。 俺は毎日、大地と遊ぶつもりだが誰か都合が悪い奴はいるか?」
空の言葉に菅原、雪姫、ジャック、ガルム、ジェシカの五人が手を上げた。
「俺は少し外せない用事が何件かあってな……。 出来れば空いている日に参加すると言う形になる」と言う菅原の発言に続く様に他四人も「葵に同じく」と口にした。
「僕はいつでもオッケィッ! だよ」とジャスティスは親指をビッ! と上げた。
「拙者も毎日空いているで候」と一騎は侍の様に渋い顔をしながら言った。
「妾もいつでも相手おるぞ」とリアはどうだと言わんばかりに胸を張った。
「ミーもいつでも構わないわ」とレベッカはオーケーサインを出した。
「俺も大丈夫です」と海斗は簡潔に言った。
「私もいつでも構わない」と月華はいつもの調子で淡々と言った。
「私も構わないよ!」と陽子はどこかワクワクしながらいつでも予定が空いている事を告げた。
「オーケー。 じゃ、菅原、金子、ジャック、ガルム、ジェシカの五人は空いている日があったら連絡してくれ」と言う空の言葉にその五人は承諾してその日は解散となった。




