○○ってんな!
新学期が始まり、教室に辿り着いた朝。 大地はいつもの席に座っていると不意に珍しく後からやってきた空に声を掛けられた。
「よう、大地。 今日も相変わらず大地ってるな!」
はぁ……?
彼の突然の馬鹿な発言に大地は片眉を上げ、口を開きながら呆然とする。
「何だ? 『今日も相変わらずだな』とでも言いたいのか?」
その言葉に空は「流石親友! 解ってるぅ!」と親指をビッ! と上げて口元を横に広げ白い歯を見せた。
「いや、意味解らねぇよ」と大地は冷静に返した。
「おはよう、二人とも」
いつものやり取りをしている二人に、月華が声を掛けてきた。
対して二人は「おはよう」といつもの様に返した。
すると月華は「今日も相変わらず二人ってるな」と口にしてきた。
「『今日も相変わらずだな』とでも言いたいのか!? ってか何だ!? 『二人ってるな』って? 流行りなの? 流行なのか!?」
声を上げる大地を他所に、空は「ありがとう月華。 月華も相変わらず月華ってるな!」と親指をビッ! っと上げる。
「意味解らねぇよ!」と叫ぶ大地。
「ありがとう、空」と親指を上げて微笑む月華に「通じんのかよ!?」と大地は困惑した。
「おはよう、皆!」
意味不明な会話が飛び交う中、陽子がいつもの調子でやってきた。
「おはよう、陽子。 今日も相変わらず陽子ってるな!」と挨拶を返す空。
「おはよう、陽子。 今日も相変わらず陽子ってるな!」と挨拶を返す月華。
対して陽子は「へ? どうしたの二人とも?」と少し困った表情を浮かべた。
良かった。 陽子はまだまともだった、と大地は安堵の息を漏らす。
「ケッ! イイコちゃんめ!」と空は某ホビーアニメの世界編に出て来るイタリア代表のリーダーの様な表情を浮かべながら毒づいた。
「ケッ! イイコちゃんめ!」と月華は某ホビーアニメの世界編に出て来るイタリア代表のリーダーの様な表情を浮かべながら毒づいた。
二人の理不尽な発言に「へっ!? どうして私ディスられているの!?」と驚愕の表情を浮かべる。
「もうお前ら二人ともつまらなさすぎ! つまらない繋がりでいっそ結婚しろよ」と言う空の理解不能な発言に大地は「何でだよ!?」と少し頬を朱に染めどこかまんざらでもなさそうに声を荒げ、それを聞いた月華が「大地に陽子は任せられないな。 陽子が欲しくば私とも結婚しろ!」と口にすると「全くもって意味が解らないよ!? 月華ちゃん!」と陽子がツッコミを入れた。
すると、チャイムが鳴り担任の義孝が入って来て生徒たちに席に座るように促した。
「よう、お前ら。 あけおめ。 冬休み冬休みってきたか?」
「先生もかよ! もう何だよ!? その『~ってる』って!? 流行なの!? 流行なのか!?」
「よう、西野。 相変わらず西野ってるな」
「もう、そのネタは良いよ!」
今日から再び面白い学校生活が始まろうとしていたのであった。




