春休みの計画
「今日、皆に集まって貰ったのは他でもない」
空はそう言って目前にいる六人の仲間に視線を送る。
もう、自分の部屋で集まって計画立てるのは確実なんだな、と大地はどこか諦めた感じで心の中でそう思った。
最近、自分の下臣になった自称侍、宮本一騎が仲間に加わっている事はあえて気にしない形で大地は空の話の続きを聞いた。
「ツッコめよ! このクズが!」
そんな大地の態度が気に食わなかったのか、空は彼に罵声を浴びせた。
彼の理不尽な発言に「何で俺罵声浴びせられているの!?」と大地は驚きを隠せないでいた。
「だいたい、以前からこの手の休暇に入る前にいつも俺の家でこんな計画立てているだろうが! そして何か一人ずつ増えているし! もう疲れるんだよ! よく見ろ! この愉快な面子を!」と大地は空に自分の部屋に集まっている仲間に視線を送らせる。
常日頃に痛いオーラを発している菅原葵。 最弱の正義の味方、ジャスティス・正義。 掴み所の無い一つ上の先輩、九十九悟。 親友と同類と言っても過言では無い私立橘高等学校が生徒会長、神藤進。 そして先程述べた大地の下臣兼自称侍、宮本一騎。
「この面子から察するに俺の春休みは苦い思い出に変わるのは必至なんだよ!」
「何だと!? 大地! 俺たちと一緒にいるとどんなに楽しい事があっても苦い思い出に変わると言うのか!?」と空はムッとした感じで言うもののその瞳は別の方向を見ていた。
こっちを見ろ、こっちを……。
大地は肩を落として深く溜息を吐いた。
対して空は一つ咳払いをして「兎に角」と春休みの計画を語り始めた。
「この春休み。 特に変わった事はしない。 一年の終わりだし、ここはのんびりいこうじゃないか」
「空にしては珍しく普通な案だな」と口を開いたのは九十九だった。
「何か春って出来る事が限られてくるんですよね。 まだ三月で桜も余り咲いていないですし」と理由を述べる空に「確かにな」と進が相槌を打つ。
「じゃあ、いったい何を?」
菅原の問いに空はフフンと腕を組み鼻で笑いながら春休みに行う計画を口にする。
「この春休み。 大地の家でお泊り会をする!」
「ちょっと待て!」と大地は止めに入る。
その様子に「何だ、大地?」と空はどこか不満げな表情を浮かべながら彼に目を向ける。
何故、そんな空気を読めない人間を見るような目で見られているのか理解出来ない、と大地は思いながらも自分の意見を口にした。
「何だ、大地? じゃねぇよ! 何で俺の家なんだよ!? 例え俺の家に泊まる事になったとしても母さんが許す訳ないだろ!」
「あ、大地の母さんからは既に了承を得ているから問題ない」と空が余裕と言った感じで答えると「何でだよ! 何故なんだ母さん!」と大地は跪いて嘆いた。
「決まりだな」と菅原は立ち上がる。
「決まりだね」とジャスティスも立ち上がる。
「大地、諦めろ」と九十九は大地に諭すように言って立ち上がった。
「それがお前の運命だ」と進は重たい腰を上げた。
「大地殿の家に寝泊り出来るとは光栄で候」と一騎は目を爛々とさせて立ち上がった。
「じゃあ、皆、空いている日が決まったら連絡してくれ」
解散! と言って皆、大地の部屋から立ち去っていく。
その時、ふざけるんじゃねぇ! と言う大地の悲痛の声が街中に響き渡ったとか。




