第一回、雪合戦争!
それは、年明けの出来事。
大地と空が住んでいる地域は珍しく大雪が降り、見事に真っ白な世界が出来あがった。
子供なら喜んで外に飛び出し遊ぶだろう。
中高生でも、それなりに楽しんだりする。
しかし、大地は違った。 まさか今日の出来事で雪が二度と降り積もらないで欲しいと願ってしまうことになるとは思いもしなかった。
銀世界に変わり果てた町を、大地は一陣の風の様に駆けていく。
いや、『逃げ回る』と言った方が正しいか。 大地は息を切らしながら五人の刺客から必死に逃げていた。
公園にある木陰に隠れ、息を潜める。
気温は一桁だと言うのに、やけに身体が熱く感じるのは気のせいではない。
今のところ、あの五人の気配は感じない。 このまま体力の回復を図ろうとしたその時、顔の横を冷たい何かが通り抜け、背中を預けている木に直撃した。
その正体は白い雪玉であった。
大地はすぐさま飛んできた方向へと視線を向ける。
前方から遠く離れた所には数個の雪玉を片手でジャグリングしている我らが生徒会長、神藤進の姿があった。
彼はジャグリングしている雪玉の一つを素早く掴みそれを大地に向けて投げつける。
その雪玉は目にも留まらぬ速さで大地の右腕を当った。
まともに喰らった右腕は悲鳴を上げる。 もはや雪玉を当てられた痛さではない
化物め……。
大地は痛む右腕を抑えながらその場から離脱する。
どこへ……、どこへ逃げれば良いんだ?
土地を熟知した町を彷徨うように走り回っていると、左足に衝撃が走り、その反動で前から突っ込む様に倒れる。
すぐに顔を上げると自分の周りには五人の敵が雪玉を持って大地を見下ろしている。
これから何が起こるかを察した大地はフッ! と鼻で笑い、何故、自分は一人でこの鬼畜共を相手しているのだろう? と感じながら五人の猛攻を受ける。
本当、もう二度と雪は積もって欲しくないものだ、と大地は切に願うのだった。




