タイドグラフ
満ち足りたもの。
引き去ったもの。
もしかして、取り残された?
そんな不安が鎌首をもたげ。
そんなことないよ。
また来るよ。
すくい取った手の平から、話しかけてくる。
誰が?
そんな不思議な事。
どうして?
気にしたこともない。
毎日、毎日。
少しずつ、ズレていく。
毎日、毎日。
大きくなったり、小さくなったり。
見つめている鏡の上に、君の顔が不意に映って。
きっと、明日も。
目に見えないスピードで遠ざかっていく影響力と。
出会った頃は大きかった、君の面影を絵に描いて。
揺れる波間に身を委ねて。
幸せそうに、今日も、沈んでいくんだ。
いつ来るかわからない波。
腕に通した時計の、予報だけを信じて。
どちらかというと、引いていく方が好き。
でも、上ってくるときの方が、止まって見える。
僕だけ、下っている気分になる。