表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪された社畜令嬢、追放先でスローライフしていたら才能が覚醒しました  作者: 渚月(なづき)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/10

第1話 不要なわたし

帳簿は嘘をつかない。人は嘘をつく。

二十四年生きて、わたしが確信しているのはそれだけだ。


「リーネ・アシュベル。本日をもって、貴女の商会勤めは不要となりました」


上司の声は事務的だった。

机の上に退職の書類が滑るように置かれる。


わたしの手は震えなかった。

予想していたからだ。


三年間、朝は誰より早く、夜は誰より遅くまで帳簿と向き合った。

休日もなく、数字を追いかけ続けた。


それでも、没落した子爵家の娘に居場所はなかったらしい。


「……承知しました」


ペンだこの残る指で書類に署名する。

わたしの三年間が、インクの一筆で終わった。


荷物はカバンひとつ。

商会の扉を出ると、春なのに風が冷たい。


さて、どこへ行こう。


ポケットの中で、一枚の求人票がかさりと音を立てた。

辺境の街ヴェルデン。聞いたこともない場所の、小さな商会。


足が動いた。迷うほどの選択肢は、もうない。


――知らなかった。あの辺境が、わたしの人生をまるごと変えてしまうなんて。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ