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第5話 夏祭り

投稿から見てわかる通り、話が出来上がり次第上げるので毎回いつになるかわかりません。すみません…なるべく早く投稿するようにするので今後ともよろしくお願いします。

7月、期末テストが終了し1年2組は現在…撃沈していた。各教科ごとに返されるテスト、阿鼻叫喚が飛び交い、希望が曇り、絶望という炎が覗いている。

だが春達4人は特に何も発していない。何故なら春、楪、小晴は赤点を回避したからである。


「俺達はまあ天才だから?君達とは違うんだよねえ」


鼻を高くしている楪に和美は話した。


「赤点回避した事を誇りにするんじゃないわよ」


呆れたような声に3人はグハッと言って倒れた。

そんななんやかんやがあり、その後担任がやってきた。


「テストお疲れ様、内容を見るからにお前ら散々な結果だったな」


「プライバシーだぞぉ!」


「「「「そうだそうだ!!!!」」」」


「勉強せず遊んでたお前らが悪い。ちゃんと勉強してればそれなりに取れる奴だっていくらでもいる。ほら、楪とか」


「とかって何ですか!?とかって!」


そうテストの話題が尽きず、話していると志木先生が夏休みについての紙を配り話した。


「お前らわかってる通り、来週からは夏休みだ。羽目を外してもいいが外しすぎないようにな。それと夏休みが終わった後すぐに体育祭がある。準備を怠らないように!」


先生は紙を握りつぶしていた。彼の目は熱く燃えていた。


「何で先生はあんなに必死なの?」


和美の問いに春は答える。


「先生が担当するクラス、毎回何故か負けちゃうんだって。だから夏休み前にこうやって鼓舞するんだけど…」


クラスの生徒はそんな事よりも夏休みがすぐ来ることに頭がいっぱいいっぱいだった。


「夏休み前じゃ、そんな鼓舞も心には実らないわね」


そうして授業が全て終わり、和美が帰ろうと荷物を纏めていた。すると春が彼女に尋ねてきた。


「ちょっといいかな諸此さん」


「どうしたの?」


「実は…楪と小晴が諸此さんと一緒にさがす祭りに行かないかって聞いてくれって言われて」


「さがす祭り…確か今年は26日だったわね」


「いいかな?」


和美はスマホを取り出して日程を確認した。確認し終えると彼女が彼に聞いてきた。


「その質問なんだけどどうして武縄君が聞いてきたの?」


「えっ?」


「もしかして私と席が隣だから…なんて安直な理由じゃないわよね?」


「違うよ。俺は入学してからクラスのやつと友達になってきた。諸此さんともやっと友達になれた。それに」


「それに?」


「諸此さんや楪、小晴とはもっと仲良くなって思い出…いっぱい作れたらいいなって思うんだ」


「…」


和美は少し頬を赤くしたがすぐに咳をして誤魔化すようにした。


「冗談ですよ。試すような事をしてごめんなさい」


「え、ええ!?」


「私も最近、勉強とかやりすぎちゃって…少し羽目を外したかったんですよ」


「なら…!」


「はい、そのお誘いお受け致します」


そして祭り当日、さがす市の商店街通りの入口で待ち合わせをしていた。


「遅いな女性陣」


「確か諸此さん達から遅れる的な連絡受けたな」


春と楪はスマホを確認していると遠くからおーいと叫ぶ声が聞こえ彼らは顔を向けた。和美と小晴が歩いてくるのがわかったがその姿を見て男性陣は固まった。


「お待たせ〜ごめんね、浴衣着るのに時間掛かっちゃった」


小晴は白をベースとした雪の結晶が刻んである浴衣。

和美はピンクをベースとして桜の花びらが舞っているような浴衣を着ていた。


和美はゆっくりと春に近づいて聞いてきた。


「ど、どうかしら私の浴衣」


「綺麗だ」


2人はえへへと言うようにお互いに髪を手で掻いていた。


「新婚カップルかい」

「いやそれ私達ね」


楪がボケをするがすぐに小晴がツッコんだ。


「楪、私は?」


小晴は両手を広げてくるっと身体を回した。


「似合ってるよ、かわいい」


「ありがとね。よし、それじゃあ祭り楽しもう!」


4人は商店街へと進んでいった。すると太鼓を叩く音が聞こえてきた。


「これは…」


「お、樽流し!」


樽流し、樽を太鼓のように見立てて叩き行進するさがす市の伝統行事。この祭りの風物詩とも言われる。


「俺が小学生の時、よく参加してたなあ」


「武縄君がこれに?」


「うん、毎年必ず町内の小学生と保護者で参加してたのよ。終わった後に皆んなでアイス食うのがこれが美味くて」


「へえ、私も参加してみたかったなぁ…」


「今度参加してみます?」


「できるの?」


「一応、個人でも出れるっぽいよ」


「私、流石にそんな1人なんて勇気ないわよ」


そう話しながら、春達は屋台通りに到着した。


「うおぉ!今年はなんか多いなあ!」


「全部制覇するぞぉ!」


楪と小晴が盛り上がってる中、春と和美はスマホで確認していた。


「去年と変わらないよな」


「うん、そうね」


4人は手前から屋台を順番に回って行った。焼きそば、たこ焼き、くじ引き、有名なモノからあまり見ないモノまで多くを見た。1時間くらいだっただろうか、一旦休憩を取ろうと公民館前の駐車場で座った。

和美が座っていると、春がラムネジュースを渡してきた。


「ありがとう、あ、お金」


「いや、いいよ」


彼が笑いながら言うと2人は蓋を開けて飲み始めた。


「諸此さんって祭り知らなかったっぽいけどもしかして引っ越してきたり?」


「うん、親の転勤でね。15の時に」


「じゃあまださがす市とかそもそも県についてもわからないのか」


「そうね、わからない事だらけ。でも…」


彼女は瓶を彼の瓶にカンッと当てて音を立てて言った。


「あなた達が教えてくれた。だからもっと色んな事教えて」


「うん、もちろん」


2人は休憩を終えると楪達を呼ぼうとした。


「おーい、楪?」


「小晴ちゃーん、どこー」


するとピコンッとスマホから通知が鳴った。確認すると大量のスタンプ。お互いに楪と小晴から送られてきた。

?を浮かべながら通りを確認すると大量の人が波を打つように歩いていた。2人は勘づく。


あ、これ逸れたな。と


2人は顔を合わせて話した。


「じゃあ2人で回ろうか」


「うん、そうしましょう」


そして2人は残りの屋台を巡ろうと人の波に呑まれた。ぎゅうぎゅうの中、2人は逸れないように頑張ったが強い波が襲ってきた。離れそうになる2人、すると彼が言った。


「もろ…うわっ!和美!」


春はそう叫び手を伸ばす。


「たけな…春さん!」


それに応えるように和美も手を伸ばし、そして2人は手を繋いで離れないように近付いた。


「よし、これでOK。もう絶対に離れないな」


「はい、そうね」


2人は当たり前かのようにしているが心臓は荒波に呑まれているかのようにバクバクとなっていた。


「じゃあ、次はこれにしようか」


「そ、そうね!」


2人はぎこちない会話を繰り返しながら屋台を回って行った。そして急に和美が足を抑えるように身体を丸くした。


「どうした、諸此さん」


「イテッ…」


「あ、下駄の鼻緒が切れちゃったのか」


すると春は腰を下ろして和美に背中を見せた。


「どうしたの?」


「え、いや歩くのきついかなって」


「あ、うん、ありがと」


彼女は引き込まれるように彼の肩に手を置いて身を任せた。彼は彼女をおんぶして商店街の入り口まで運ぼうと歩き始めた。


「大丈夫、重くない?」


「重くないよ」


すると彼女は彼の肩に頭を預けて言った。


「…ほんとにありがとう」


「いいんだって…友達として当たり前のことしただけだよ」


そして商店街前の入り口に到着して近くのベンチに彼女を下ろした。春は商店街前にあるアイスクリーム屋に寄り、2人分のアイスを買った。


「はいこれ、いちご味でいい?」


「うん、ありがとう」


2人はアイスを舐めて音が鳴る方へ背中を向けていた。


「諸此さん、楽しかった?」


「うん、武縄君は?」


「俺も楽しかったよ」


2人はあまり会話をせずにアイスを食べ終えた。

そして楪達に先に帰ると連絡した後、またおんぶをして彼女の家まで送ろうと歩いて行った。


「武縄君…どうして私を誘ったの?」


「前も言ったけど友達だから」


「そんな理由で?他の人だって…」


「だから諸此さんがいいんだって」


そして近くの山からヒューと音が鳴った。音が鳴る方へ身体を向けると大きな花がひらいたかのように輝く光がさがす市を照らした。


「そういえば…花火上がるの忘れてたな」


「それ…大事なことよね」


2人は顔を合わせると笑みをこぼした。


「確か諸此さん、8月1日は予定あったんだよね?」


「そうね、その日は祖父の家に帰るのよ」


「そっか、1つ聞くけど1日は絶対なの?」


「いや、家族が忙しくない日を合わせて偶々その日になっただけ」


彼らは花火に見惚れながら、春は何事もないように言い、和美もそれに答えた。


「そしたら来年、一緒に長城花火観に行かない?」


「ええ、必ず」

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