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第4話 気付き

朝、ゆっくりと彼女は目を覚ます。小晴が布団から身体を起こすと何か違和感を感じる。


「アレ?これ確かゆずり…は…の」


昨晩の記憶が蘇り、顔が真っ赤になり熱を冷まそうと窓を開けようともう片方の手を伸ばそうとしたが動かなかった。動かない手を見ると楪が彼女の手を握っていた。彼は絶対に離さないようにその手を握ってるのがわかる。彼女は嬉しそうに彼の頭を撫でた。流石に起きないといけないと思い、ゆっくりと手を離してドアの方へ顔を向けると知ってる顔がじっと見ていた。


「あ、お、お母さん」


「いいのよ小晴ちゃん、まだゆっくりしてても」


楪母は小声でそう話すとドアを閉めてリビングに戻って行った。リビングには小晴母が椅子に座っており楪母達は話し始めた。


「どうでした?」


「うちの子流石に手は出してないっぽいわ」


「それは良かった。付き合った瞬間、一発始まるもんだったら楪君でもぶっ飛ばしてたわ。もちろん小晴もね」


コーヒーを飲み、楪母は頭を下げた。


「どうか、楪をお願いします」


「それはこちらもです。小晴をお願いします」


お互いに頭を下げた。そんな中、小晴は今見られた事についてどうしようか再びベットで横になり二度寝した。


週明け、春は重たい足をどうにか動かしながら高校へ向かっていた。背後から聞こえる音に無関心でいると


「おはよう」


と隣の席の子の声が聞こえた。

当然彼もおはようと返し、一緒に登校し始めた。


「珍しいな、こんな時間に登校だなんて」


「それはこっちのセリフよ。私は色々勉強したいから早めに登校してるの」


「そうなんだ。俺は〜まあ早く起きすぎてな。家居ても暇だから早く出たのよ」


「そう、まああなたが隣にいたら勉強の邪魔にならなきゃいいけど」


「なんだとお!」


「嘘よ」


「マジなのか嘘なのかわからねえよ…」


そして高校に着き、春が教室のドアを開けようとしたが教室内を見て固まった。後ろから和美がどうしたのと言いながら彼がドアを開けようとしなかったので彼女がそのドアを開けようとした。すると春は彼女の口を抑えながら教室近くから一旦離れた。


「な、なに!?」


「しっ!ちょっと言いづらいんだけど…楪と小晴がイチャついてる」


「イチャ?」


「そう、イチャ」


春は和美を見るとイチャという言葉に処理が追いついていないのか重くなったパソコンのようにカタカタと身体をロボットのように動かしていた。


「サ、サー、ソンナノワタシハキニシナイワヨ」


「おい、言葉がカタコトだぞ」


すると和美は両手をわちゃわちゃと振りながら話した。


「だってそういうの見るの初めてだし…どう対応すればいいかわからないわ」


困った顔をしている和美に春はため息を吐き、話した。


「…わかった。どうにかして入れるようにするわ」


「入れるようにってどうやっ…」

「おはざーす」


春は何も考えずに教室のドアを開いた。

そして楪達は何事もなかったかのように会話を続けた。


「今日早いじゃんお前ら」


「偶々な、家居てもやることなかったし」


「私は朝練前」


「奇遇だな俺も暇できた」


和美は何事もなかったかのように会話を続ける3人に戸惑いながらも深く深呼吸し、何食わぬ顔で教室に入ってきた。


「おはようございます、3人とも」


「おはよ」


「和美ちゃん、早いねえ!お疲れ様!」


「まだ朝だぞ、お疲れ様っていうのも変じゃねえか?」


「変じゃないでしょ?だって和美ちゃん朝から勉強しまくってるし大変じゃん」


「ただの予習と復習ですしそこまで大変じゃないわよ。あとそんな身体いっぱいで抱き付かないで」


「じゃあやめる」


パッと小晴は離れて時間を確認した。朝練の時間になり3人に別れを告げて教室を後にした。再び静寂が訪れる、すると楪が恐る恐る聞いてきた。


「あの〜…一体どこから」


「「最初から」」


「ですよねぇ…他言無用でお願いできますか?」


冷や汗をかきながら話した楪に春達は顔を合わせるとグッジョブを出して彼を落ち着かせた。


昼休み、1年1組では教室の端っこで是巳時雨が1人、弁当を食べていた。黙々と食べている中、風が彼女を見たのか近寄ってきた。


「是巳、俺も混ざってもいい?」


「え、うん…」


「わりぃ、俺是巳と昼食べるわ!」


風の友人にそう伝えると友人はわかったと返事し教室を後にした。後で聞いたら学級委員の話だと思っていたらしい(クラス全員)


「いいの…?」


「いいって?」


「だって町月君、皆んなと食べてるのに…」


「いいんだよ、あいつらとはいつでも食べれるからな。その弁当美味そうだね、是巳のお母さんが作ってるの?」


「いや…基本的に私が家族の分作ってる」


「凄いな!」


「ママもパパも会社忙しいから…弟の分とかも作らないと大変…」


「俺なんて親に頼りっぱなしだよ。立派だな是巳は」


「そんなこと…ない……よ」


2人は弁当を食べながら色々と話した。すると風が時雨に聞いた。


「前から思ってたけど是巳ってあんまり学級委員やるって感じじゃなかったよね?」


「えっ…」


「ごめんごめん、悪気はないんだ。ただいつも色んな人の補助?サポートをしてるから皆んな助かってるっていうイメージだったから、自分から立候補したのも珍しいなって」


「それを言ったら…いや何でもない」


「言ってみて」


「町月君もあんまり…委員会とかそういうのやる人じゃないよね…」


時雨はどんな返事がくるかわからないままゆっくりと彼を見た。すると彼は笑い出して返答した。


「確かに俺こういうの初めてだよ。ただ1回でもいいからこういう役目担った方が後に役に立つとか思ってね。そういうの思ったことない?」


「あ…ある!」


「でしょ?だからやろうかなって思ったのよ」


2人は他愛のない話を続け、昼休みの終了のチャイムが鳴り響いた。


「あちゃ、もう時間か。そうだ是巳これ」


すると風はスマホを取り出してllneのQRコードを見せてきた。


「これって?」


「見たらわかるでしょllne。連絡先交換しよう、友達なんだし学級委員も忙しくなるだろうし」


「う、うん!」


そして2人は連絡を交換した。風が席に戻り、またぽつんと1人になったが彼の連絡先プロフィールを開き誰にも見せないような笑顔でllneを見ていた。


「や、やった」


放課後、図書室に本を借りに行った後廊下を歩いていた。外を見るとグラウンドでサッカー部が練習をしていた。じーっと見ると風が先輩方と練習試合をしていた。その姿に見惚れていたのか口から言葉が溢れる。


「かっこいいな…」


その言葉に自分自身が驚いて口を塞ぐ。顔が赤くなって教室に走って戻る。彼女は手鏡を開いて自分の頬に触れると熱いのが伝わってくる。そしてすぐに気付いてしまう。中学で初めて会った時は何も思わなかった、ただのクラスメイト。


でも色んなことを話していくうちに思ってしまった。


心に嘘はつけなかった。


ああ、これが恋なんだと。

朝チュンはしてないです

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