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一度殺された義妹令嬢ですが、処刑された闇魔法使いの姉と私の未来を全力で変えたいと思います  作者: 東明時裕夜
第二章 魔獣事件再び、変えられない運命

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第八話 アミアの計画

修正予定


 部屋に戻った私は――まず、机に向かった。


 椅子に座り、引き出しを開ける。中には、白い紙とペンが入っていた。


「……忘れないように……」


 私は、小さく呟いた。一周目の記憶。全てを覚えている。


 でも――人間の記憶は、曖昧になる。時間が経てば、忘れてしまうかもしれない。


 だから――書き留めておかなければ。


 私は、ペンを手に取った。そして――紙に書き始めた。


 ## 1. 魔獣事件


【今後の計画】


 まず、一番上に書いた。


 **1. 魔獣事件**


 明日のピクニック。私が迷子にならなければ、大丈夫なはず。


 お姉様の側を離れない。森の奥に行かない。


 そうすれば――魔獣に襲われることはない。お姉様が闇魔法を使うこともない。


「……これは……大丈夫……」


 私は、小さく呟いた。一周目では、私が迷子になったから魔獣に襲われた。


 でも――今回は違う。お姉様の側を離れなければ、問題ない。


 でも――次の問題が、難しい。


 ## 2. シャリアの催眠薬事件


 私は、ペンを止めた。


 **2. シャリアの催眠薬事件**


(……シャリアによる、ネフェリアお姉様への命令……)


(……催眠薬を私に飲ませた事件……)


 一周目では――13歳の時、お姉様が庭で闇魔法を使っているところを、シャリアに目撃された。


 その日は、レオニス様との婚約の密談があった日だった。


 そして3日後――お姉様は私に催眠薬入りの紅茶を飲ませた。


 シャリアが暗示をかけて、記憶を改竄した。


(……あんな物……どうやって作った……?)


 催眠薬。普通の人間には、作れない。


 魔法薬が作れる家系とは聞いている。リィエル公爵家は、代々魔法薬の技術を持っている。


 でも――催眠薬なんて――


(……まさか……何か犯罪を犯してる……?)


 私は、息を呑んだ。


 もし、シャリアが違法な魔法薬を作っているとしたら――もし、それを販売しているとしたら――


「……大変……」


 それは、重罪だ。公爵家でも、許されない。


(……後……どうして持っていたのか……)


 普通、催眠薬なんて持ち歩かない。つまり――あらかじめ、用意していた?


 それとも――常に作っている?


(……確か……シャリアは、屋敷の地下が怪しかったな……)


 一周目の記憶を辿る。シャリアは、よく地下へ行っていた。


「仕事場だから」と言われていた。だから、あまり気にしていなかった。


 でも――


(……もしかして……あそこで……違法な魔法薬を……)


 私は、ペンを握りしめた。


(……調べる必要がある……)


 でも――シャリアがいる時には、無理だ。


(……シャリアがいない日を狙って……)


 私は、紙に書き留めた。


 **「屋敷の地下を調査。シャリアがいない日に。」**


 ## 3. レオニス王子との婚約


 次の問題――これが、一番厄介だった。


 私は、深く息を吸った。


 **3. レオニスとの婚約問題**


(……レオニス王子とネフェリアお姉様との婚約……)


 一周目では――アミア13歳・ネフェリア16歳の時に、密談で婚約が決まった。


 そして――アミア14歳・ネフェリア17歳の時に、公に発表された。


 でも――政略結婚。レオニス様は、お姉様のことを愛していない。


 冷たく、事務的に接していた。お姉様は――孤独に耐えていた。


(……どうすれば……)


 婚約を止めることはできるのか?


 でも――相手は王族。私には、どうすることもできない。


(……でも……一度目、親友になったアメリアさんなら……)


 私は、アメリアさんの顔を思い浮かべた。


 金髪、綺麗な水色の瞳。真面目で優しい、大臣の娘。


 そして――


 ***


 地下牢。


「……あなたと……出会えて……」


 アメリアさんは、か細い声で言った。


「……よかった……」


「……親友に……なれて……」


「……嬉しかった……」


 そして――アメリアさんは、私を庇って死んだ。


 氷の刃に貫かれて。私を守るために。


 ***


 フラッシュバックが、終わる。


 私は、涙を拭った。


(……アメリアさん……)


(……今度こそ……守る……)


 アメリアさんは、大臣の娘。政治的な影響力がある。


 もし、アメリアさんが協力してくれれば――何か、手立てがあるかもしれない。


 私は、紙に書き加えた。


 **「レオニス婚約問題。アメリアさんなら協力可能?」**


 ## 4. 治癒魔法の危険性


 そして――もう一つの問題。


 **4. 治癒魔法**


(……もし私が……幻級の治癒魔法を使えるようになったら……)


 シャドウが言っていた。


「レイフェルズ王国の王族は治癒魔法を強く欲している」


「もし君の素質が知られたら、王族に保護されて手が出せなくなる」


(……王族が……来てしまう……)


 もし、私が治癒魔法を習得したら――王族が私を保護しようとする。


 いや――「保護」という名の「監禁」。


(……その場合……私は……政治や国益や戦争に利用される……)


 治癒魔法。傷を癒し、病を治す。極めれば、死者蘇生すらできる。


 そんな力を持った人間を――王族が放っておくはずがない。


 利用する。戦争の道具にする。


「……それだけは……絶対に阻止しないと……」


 私は、強く呟いた。


 でも――相手は王族。どうすればいい? どうやって隠す? どうやって逃げる?


「……どうしよう……」


 頭を抱える。答えが、出ない。


 私は、深く息を吸った。


(……とりあえず……)


(……この件は……シャリアの催眠薬事件を片付けてから考えよう……)


 一つずつ。焦らず、確実に。


 私は、紙に書き留めた。


 **「幻級習得したら王族が来る。政治・国益・戦争に利用される。絶対阻止。でも相手は王族、どうしよう。とりあえずシャリア事件後に考える。」**


 ## 5. マリオネットシャドウ


 最後の問題――そして、最も許せない敵。


 私は、ペンを強く握りしめた。


 **5. シャドウ**


(……アセレリア帝国のシャドウ……)


 緑色の髪。道化師のような笑み。


 影魔法、氷魔法、洗脳魔法。魔眼を持つ、帝国の刺客。


「……あいつだけは……許さない……」


 私は、怒りを込めて呟いた。


「……ネフェリアお姉様と私の……初めての親友アメリアさんを……苦しめた償いはさせる……」


「……必ず……地下牢に入れる……」


 私は、紙に強く書き込んだ。


 **「あいつだけ許さない。ネフェリアお姉様と私の、初めての親友アメリアを苦しめた償いはさせる。必ず地下牢に入れる。」**


 ## 6. 自分の力


 私は、ペンを置いた。そして――立ち上がった。


 **6. 自分の力**


(……私も……もっと強くならないと……)


 一周目では――私は、何もできなかった。


 お姉様を救えなかった。アメリアさんを守れなかった。シャドウに殺された。


 でも――二度目は、違う。


(……一度目の死を生かして……)


(……もしかしたら……今の私にも……)


 私は、手のひらを前に出した。そして――集中する。


(……光魔法……)


 魔力を練る。手のひらに、力を込める。


 でも――何も起きない。


「……っ」


(……やっぱり……出ない……)


 11歳の私は、まだ魔法試験を受けていない。


 魔法が使えるかどうか、分からない状態。


 一周目では――15歳で魔法試験を受けて、光と火の魔法が判明した。


 でも――今は11歳。まだ、魔法は使えない……はず。


(……机の前じゃ……ダメかな……)


 私は、窓へ向かった。窓を開ける。


 冷たい風が、部屋に入ってくる。外の景色――庭、木々、青い空。


 私は、再び手のひらを前に出した。そして――集中する。


(……光よ……)


 心の中で、呟く。


(……私に……力を……)


 魔力を練る。手のひらに、力を込める。


 そして――


「……っ!」


 わずかに――ほんのわずかに――手のひらが、光った。


 淡い、淡い光。すぐに消えてしまったけど。


「……出た……」


 私は、息を呑んだ。


(……魔法が……使えた……)


 11歳でも――魔法は使える。ただ――まだ弱い。訓練が必要。


「……よし……」


 私は、決意した。毎日、訓練しよう。光魔法を鍛えよう。


 そして――治癒魔法を習得しよう。


 私は、窓を閉めて、再び机に戻った。椅子に座り、紙に書き加える。


 **「毎日魔法訓練。」**


 ## 7. 調べるべきこと


 私は、もう一つ書き加えた。


 **7. 調べる事**


 **「治癒魔法・影魔法・闇魔法について図書館で調べる。」**


 シャドウの能力。影魔法――影の中を移動できる。闇魔法――攻撃魔法。


 洗脳魔法、催眠魔法。そして――魔眼。


 これらについて、もっと知る必要がある。弱点はあるのか。対抗手段はあるのか。


 そして――治癒魔法についても。どうやって習得するのか。どれくらいの時間がかかるのか。


「……何処かで……調べよう……」


 私は、小さく呟いた。リィエル公爵家には、大きな図書室がある。


 そこに、何か情報があるかもしれない。


 ## 計画の完成


 私は、紙を見つめた。そこには――私の計画が、書かれていた。


 -----


 **【今後の計画】**


 1. 魔獣事件を回避(明日)- 迷子にならない

 1. シャリアの地下を調査(いない日に)

 1. レオニス婚約問題(アメリアさん協力?)

 1. 治癒魔法習得(王族対策は後で)

 1. シャドウを捕まえる(地下牢に入れる)

 1. 毎日魔法訓練

 1. 治癒魔法・影魔法・闇魔法について調べる(図書館)


 -----


「……よし……」


 私は、紙を折りたたんだ。そして――引き出しにしまった。


 長い戦いになる。でも――絶対に諦めない。


 全員を守る。未来を変える。


 ## お姉様との時間


 その時――


 コンコン。


 扉をノックする音が聞こえた。


「アミア? いる?」


 お姉様の声。


 私は、慌てて立ち上がった。


「はい! います!」


 扉を開けると――お姉様が、笑顔で立っていた。


「明日のピクニック、楽しみね」


 お姉様の赤い瞳が、嬉しそうに輝いている。


「……はい」


 私は、微笑んだ。


「私も……楽しみです」


「ふふ、そう言ってくれると嬉しいわ」


 お姉様が、私の頭を優しく撫でてくれる。その手の温もりが――優しかった。


「明日は、一緒にたくさん遊びましょうね」


「……はい」


 私は、強く頷いた。


(……お姉様……)


(……絶対に……守る……)


 そして――私とお姉様は、しばらく部屋で楽しく話した。


 明日のピクニックのこと。どんな場所に行くのか。何を持っていくのか。


 お姉様は、本当に楽しそうだった。14歳のお姉様。


 まだ、洗脳されていない。まだ、孤独に苦しんでいない。


 この笑顔を――絶対に守る。


 私は、心の中で強く誓った。


 そして――夜が来た。


 明日は――魔獣事件の日。


 私の最初の戦いが――始まる。

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