頂点へ
頂点へ立つ。それが俺の目標だ。
それだけが俺の目標だ。
「うおおおおおおおおおお」
俺は剣を持ってリウドに向かう。
リウドはこちらを様子見している。
ふざけるなよ。お前に俺は勝つ!
俺は思いっきり近づいて、切り裂こうとする。
だがリウドは簡単によける。
そして俺は蹴り飛ばされる。
「ぐあ」
剣ですらないのに、重い一撃に吐きそうになり、体が吹き飛んだ。
「まだまだぁ!!!」
叫んで起き上がる。
だがそこで容赦のない声が聞こえてきた。
「場外! 勝者、リウド!」
歓声、あいつの不敵な笑み。俺は呆然として、立っていた。
俺は負けたのだ。
頂点に立ちたいのに、ここで負けたのだ。
***
「くそぉおおお!!!」
「うるさいなあ!!!」
叫んでいると、俺以上にうるさい声が聞こえてきた。
隣に腐れ縁のネスティがいる。
「あんた、うるさい! 少しは落ち着きなよ!」
「黙ってられるか! 俺は負けたんだ! うおおおおおおお! くそおおおお!」
「うるさいって、このデカぶつが!」
ネスティにぶん殴られるが気にしない。
こんなの蚊に刺されたのと一緒だ。
リウドの一撃はそんなものじゃなかった。
「ああ、リウドめ! あいつに勝つ! とにかく特訓だ!」
俺は特訓場に向かう。そんな俺をネスティは呆れた顔で見ていた。
***
「おらあ!!」
剣を振るう。これではリウドに届かない。
リウドの剣はこっちがどれだけ攻めても、水のように吸収し、その後爆発的な濁流が襲ってくる。
「……このままで俺は勝てるのか?」
俺は自分に疑問を持ってしまった。
何か別の方法を試すべきなんじゃないのか?
リウドを倒すのに、力だけでいいのか?
いや、違う。
「俺は馬鹿か! あいつ相手に小手先の一撃は通用しない! 今の俺の一撃を更に強くするんだ!」
自分に言い聞かせる。
だからこそ、俺は力を鍛えないといけない。
あいつの剣が耐えられないほどの力で俺は立ち向かう。
そのために俺は努力した。
***
そして再び試合が始まる。
周囲には観客たち、ネスティが退屈そうにしているのが見える。
リウドがこちらを見る。余裕のある顔でリウドは剣を構えていた。
「前の俺とは違う! 侮るんじゃねえぞ!!」
俺は向かった。特訓の成果を出すために。
思いっきり剣に力を籠め、解き放つ。
リウドはその一撃に目を見開き、剣を動かし受け止める。
そしてリウドの身体が吹き飛んだ。
彼の身体はボールのようにはね、試合会場の端でどうにか受け身を取っていた。
観客やネスティは驚いて黙り込んでいた。
誰もがリウドが簡単に勝つと思っていたからだ。
肝心のリウドも真剣なまなざしで聞いてくる。
「……その力は何だ?」
俺は答える。
「特訓の成果だ」
俺は再び体に力を籠める。リウドを倒し、頂点に立つために。
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