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今日もダンジョンでレベルアップ!貧乏無課金でも金持ちを蹴散らし、ざまぁ復讐そしてハーレムを作る!?  作者: まめたろう
8章「道場での稽古と戦いの変化」

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第80話「不器用の伸びしろ」

#第80話「不器用の伸びしろ」


 俺は――どうやら不器用らしかった。


「なあ、ルナ。早ければ四日目くらいから体捌きを混ぜるって言ってなかったっけ?」

「ああ、言った。でも今はまだ時期じゃない。まだ型ができていない」


「でも、もう二週間は経ってるんだけど……まだ基礎の素振りだけだぞ?」


 ルナは頷き、木刀を軽く持ち替えた。

「素振りはかなり良くなった。疲れても型が崩れにくい。凄い成長速度だ。――ただ、的に当てる瞬間だけ型がおかしくなる」


ひよりがうなずく。

「うん、分かる」

「レンは的に向かって剣を振ると凄く力む。体が付いて行かず腕だけで振ってる感じ」


「そうだな。素振りは悪くない。良くなっている。レンのことだ。家に帰ってからも振ってるだろ?」


「……よく分かったな」


「見れば分かる。成長速度は立派だ。ただ――ものすごく不器用だ。成長が早いのに不器用って珍しくて新鮮だよ。普通は成長が早い人間はたいてい器用だからな」


「それ、褒めてるのか貶してるのか、どっちだよ!」


「褒めてる、褒めてる」ルナは笑ってから、真顔に戻る。


「レンは凄い。でも1つのことができると、もう1つのことができなくなるような印象だ。その成長速度と器用さのアンバランスさがかなり顕著なんだよな」


「でも実戦ではかなり早く倒せるようになったぞ。訓練の成果が出て威力が出ていると思うのだが」


「ああ、それは分かっている。当然だ。型が崩れて腕だけになっても体が動けば多少は力が乗るからな。でも本来ならばもっと威力が出るし威力にばらつきも少ない。今の状況はまだまだだよ。凄くもったいない」


「そうか。かなり良くなっていると思ったのだけど、現実にはまだ全然なんだな。確かにばらつきは感じる。ダメージが入っている時と入っていない時が間違いなくあるよ……」


「そう落ち込むことはない。少なくとも良くはなっている。そしてまだ伸びしろがあると思ったらいい」


 そう言ってルナは目を瞑って考え始めた。何かを思い出しているかのようだった。そして目を開いて語り始めた。


「さて、どこを直すかな?私も不思議に思ってレンの討伐を先日こそっとのぞかせてもらった」


「ざっと見た感じとしてはレンは実戦での勘が付いてる。危機管理が上手い。敵が動けば即、手が出る――それ自体は良いんだ。でもそれが当てに行く力みを生んでいるのかもしれない。実戦では外したら危険だから無意識に手に力が入るのだろう。そして当てることに集中するから力が剣に乗らない。また攻撃を受けないように体にはブレーキが掛かって“腕”で当てに行く癖にもなっている。当て勘はばっちりで外さないんだがそこに体の力が入っていない。打撃が軽くなっている」


「……つまり“実戦の当てるだけの型”が身につきすぎて、"剣術の力の入る振りの型"が入らない?」


「まあ、そんな感じだな。攻撃を受けるリスクは減ってそこは良いのだが逆に自らの攻撃が軽くなっている。おそらく今のままだと伸び悩むだろうな。軽い攻撃だけでは倒れない耐久系のモンスターも出てくるだろうし」


 ひよりが苦笑する。

「そう言えば部活でもいたよ、練習は完璧なのに本番で固まる子」


「うっ。ひより、刺さる表現はもうちょい柔らかく頼む。すでに削られた俺のライフががりがり削られていくんだ」


「練習は良くて実戦がダメ、ってほど単純じゃないんだけどな」ルナが木刀で畳をとんと叩く。


「視覚が入ると、脳が“当てに行け”って命令する。一方で危機を感じて体は止まるのかもな。だから――視覚を切るとするか」


「……どういうことだ」


「目を瞑って、振る。押す→回す→流すだけを感じて当てる気を捨てる」


「当てる気を捨てる?それまた極端だな。でも分かった。やってみる」


 俺は静かに意識した。

 正眼。息を吐く。床を押す。骨盤が回る。肩は落とす。

 目を瞑って、運ぶだけ――


 ドン。

 的が腹の底で鳴った。手のひらに重さが残る。


「おお、だいぶいいぞ」


「では目を開けてで同じことをやってみてくれ」


 目を開け、同じ手順……のつもりが――


 カン。

 音が軽い。再び肩から腕に力が入っていたのだろう。


「ふふ、ほんとに不器用だな。見えるとすぐ悪くなる。でも、さっきよりはまだ良い」ルナが口角を上げる。


「次は目を瞑って10本→開眼1本。それで一巡ごとにチェックしようか」


 汗が落ちる。

 目を瞑って十本。ドン、ドン、ドン――手が痺れるな。

 そして開眼で一本――


 ドン。

 低い音。軌道がぶれない。


「……今の、当てに行ってないでうまくいった?」


「うん、前よりいい感じで運べてる」ひよりがぱっと顔を明るくする。


 さらに数巡。肩の力が、少しずつ落ちていくのが分かる。

 ルナが短くまとめた。


「レンはしばらく、閉眼打ち→開眼一本の繰り返しをしようか。視覚を後乗せする訓練だ。見えるから当てるじゃなくて、できる限り運べてるから当たるに脳を組み替える。まだまだ良い時と悪い時の差が激しい」


「了解。……これも地味だけど、効くな。かなりしんどい」


 二週間で、素振りの形は作れた。だが的を前にするとまだ崩れる。

 ――だから、もうしばらくは最初の基本を続ける。


 不器用でも、積めば変わるはず。

 しんどいが今はそれを信じてやるしかない。

いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日7時ごろ、20時頃の2話投稿を限界まで続けていく予定です。


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べ、べつに何も無くても頑張るけどね、、、 (^O^)/

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