第69話「ルナからの提案」
#第69話「ルナからの提案」
ルナは、俺がハンターをやっていることを知ると真剣な顔つきになり提案してきた。
「レン、もしよければ……私と一緒にクランを作らないか?もちろんリーダーは君だ。戦術面では頼もしいからな。そして私は再び君と一緒に戦いたい。あの頃の楽しさをもう一度取り戻したい」
突拍子もない提案に、俺もひよりも思わず固まってしまった。
「えっ……あのルナさんからクランに誘われるなんて……!しかもそのリーダーにレンになるの?」
「あの有名人のルナと一緒のクランだよ!すごいことだよ、レン、凄いチャンスだよ!」
ひよりの反応からするとかなり凄い話なのかもしれない。だが、俺はすぐに首を横に振った。
「ルナの気持ちは本当にありがたい。でも……俺には秘密にしていることがあるんだ。それを明かせない以上、クランで活動するのは難しい。特に配信とかするのは絶対に無理だ」
「あっ、確かにそうね。レンには秘密があるからクランは難しいか。でもルナさんからのせっかくの誘いなのにもったいないな。何かいい方法はないかな?」
ルナも怪訝そうな表情になっているが、俺は続けた。
「ただ、もし秘密を明かせる時期が来たら……その時は是非、一緒にやりたい。ルナと一緒に戦いたい。その気持ちは間違いないよ。でも今は待って欲しい」
少しの沈黙の後、ルナはふっと笑った。
「なるほど、何らかの事情があるのだな。ならば深くは聞かない。レンと一緒にダンジョンで戦うのは将来の楽しみにとっておこう。ただし別の提案をしてもいいかな?もう1つの考えがある」
「別の提案?それはなんだ?」
「レン、うちの道場に通わないか?」
意外な誘いに俺は目を瞬いた。
「道場に……通う? それはどういうことだ?」
そこで口を開いたのはひよりだった。
「そうか、そういうことね。今の高レベルの実力者ハンターって、格闘技や武術を極めている人が多いのよ。普通ならレベルに見合った階層、あるいは少し下でしか戦えないけど……武術をやっている人は適正階層以上でも戦えることがあるの」
「例えばルナさんはレベル4なのにソロで4階層に挑んでいるでしょ? それって異例なの。本来ならレベル4だと5人以上のクランで挑むのが推奨されている階層だからね。ルナさんは他のレベル4の人よりも明らかに強いんだよ」
ひよりの説明に俺も納得した。
「なるほどな。つまり、俺がルナに武術を学べばハンターとして成功できる確率も上がるってことか」
「そういうことね。私はおすすめするよ」とひよりはルナの意見に賛同した。
俺はルナに向き直り、力強く言った。
「ぜひ、道場で武術を教えてほしい」
「受けてくれて良かったよ。ならば鍛錬の時間を決めよう。レンはいつが都合がいい?」
そこで俺は悩んだ。
「それが少し難しいんだ。俺はいま都心に住んでいて通いで八王子に来ている。そして弟や妹がいるから、夕食時には必ず家に帰りたいんだ。週に1~2回ぐらいなら遅くなってもいいけど」
「ならば午前中に鍛錬をすればいい。毎日2~3時間だけでも続ければ十分成果は出るはずだ」
「午前中か……それならダンジョンに潜る時間は減るけど、強くなれるならそれに越したことはないな」
ひよりも頷いた。
「そうだね。そのスケジュールで無理だと思ったらその時に調整すればいいし。午前中だけでもいいなら、それが一番無理がないと思うよ」
「よし、とりあえずはそうするか。ルナ、宜しく頼む!」と俺は頭を下げた。
「ああ、任せとけ。レンには将来一緒に戦うためにも強くなってもらわないといけないからな。今から将来が楽しみだ」
こうして俺は八王子にあるルナの道場に通い、武術を学びながらダンジョンにも挑むことになった。武術を学んで本当にハンターとして強くなれるのかは分からない。しかしながらやれることは何でもやっておきたい。
新しい一歩が始まるかもしれない。――そんな予感に胸が高鳴っていた。
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