第49話「活動拠点変更の相談」
#第49話「活動拠点変更の相談」
「それと……君は救護活動も積極的に行ってくれているんだってな」
「積極的ってほどじゃないですよ。助けを求められた時や、明らかに危険だと判断した時だけです。2階層では危なっかしい人が多くどうしてもそういった場面に遭遇することが増えましたね」
「それで十分だ。本来は協会が救護活動を積極的にやるべきなんだが、どうにも人手が足りなくてな……感謝している」
そうだよな。救護活動はハンター協会がもっと積極的に行うべきだ。でもそれをしようとすると各階層にそれなりの実力の人員を配置する必要が出てくる。さすがにそれは無理だろう。実力者は基本的にハンター活動して稼いでいる。
「本来は協会から特別報酬を出したいところなんだが君だけ特別扱いするわけにもいかない。申し訳ない」
「それは別にいいですよ。俺も人が危険な状況になっているのがほっておけないだけなので。あと自分の経験値にもなりますしね。ただ情報は受付に上げているのでトラブルになった時にはきちんと対応して欲しいとは思います」
「ああ、分かっている。助けてもらったのに文句を言うやつもいたな。そういう奴は厳しく指導しているので任せて欲しい。必要ならば君に謝罪もさせる」
「いや、それはいいです。相手も俺も気まずいですし」
「ああ、分かった。救護活動についても何か問題や相談事があったら気軽に連絡して欲しい。もちろん受付やひより君を通じて連絡してもらっても構わない」
「分かりました」
まあ救護活動については別に積極的にやっているつもりもないし、ずっとやるわけでもない。だからそれほど気にはしていない。問題はそれよりも今後の活動だ。
「ただ、最近俺自身がちょっと目立ってきた気がするので……できれば3階層の攻略に移る時に、少し過疎気味の人が少ないダンジョンを紹介していただけると助かります。先ほどもお伝えしたように最近やたらとクラン勧誘が増えています。またこっそりのぞいている人間も多いです。使役モンスターはできるだけ隠していますが、すでにある程度はバレていると思います」
話は過疎ダンジョンの件に移った。今のままでは使役モンスターについて、いろいろとバレるだろう。俺も問い合わせ対応するのは面倒だし朝倉さんとしても使役モンスター関連で研究しているとのことだったから他に情報が漏れるのは嬉しくないはずだ。
「ああ、その件も聞いている。過疎ダンジョンの候補だが、八王子の陣馬高原ダンジョン(じんばこうげんダンジョン)と恩方ダンジョン(おんがたダンジョン)はどうだろうか?前者は技術系、後者はスピード系だ。どちらも新宿の体力系と違ってごり押し討伐が効かず不人気だし、立地的にもそちらに向かう人は少ないのでハンター協会としても難儀している」
「時間はどれぐらいかかりますかね?あまり時間がかかるようだと効率の問題も出てきそうですが」
「片道1時間半から2時間ほどかな。高尾駅まで電車、そこからタクシーか職員送迎だ。もちろん全ての交通費は協会持ちとする。やや恩方ダンジョンの方が近いだろう」
「では恩方ダンジョンでお願いします」
「わかった。そこの3階は特別報酬を外す。君が討伐するならばダンジョン濃度が上がることもないだろう。そうすれば好き好んで恩方ダンジョンの3階層で討伐をする人間はほとんどいなくなる。自然と人と会う機会は減るだろう」
「分かりました。それでお願いします。」
こうして次の目的地は決まった。
レベルアップした次はスピード系ダンジョン──恩方ダンジョンになるだろう。
新宿ダンジョン以外への進出に今から少しワクワクしている。
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