第32話「契約の提案」
#第32話「契約の提案」
夕食を終え、まったりとくつろいでいると、ひよりが少し真面目な顔をしてこちらを見てきた。
「ねぇ、レン。実は……朝倉さんから契約の提案が来てるの」
「契約? なんの?」
「正式に守秘義務契約とかを結びたいらしいの。あの“裏技”の件、やっぱり他に漏れるのはマズいって」
裏技と言えば、金箱確定の裏技の件だよな。確か朝倉さんは真似できずに苦労していると言っていたはずだが?それなら問題ないと思うんだけどな。
「体力的にもメンタル的に厳しいから真似できる人がなかなかいないって言ってなかったっけ? それなら別に漏れても……」
「そう思うでしょ? でもね、簡単には真似できないからこそ逆に危ないんだって。無理してやろうとして事故が起きたらって懸念されてるみたい」
「あー……確かに。俺は昔からバイトやってたから体力あるし、無課金ゲーマーだったからメンタル激強で同じことやり続けても大丈夫だけど……そのどっちもない人が金目当てとかでソロで無理したらかなりやばいな。気絶してそのまま……とか、ありえる。他にもやばいクランとか強制労働とかさせるかもしれない」
「でしょ? だからハンター協会から情報出さないことにしたんだって。だからレンからも情報出さないようにして欲しいから契約したいんだって。あと、前に言ってたじゃない? “300万円払うかも”って話。あれについても正式に支払いたいって」
あれ?300万円くれるって金箱確定の検証後だったはずだよな?
「マジか!? たしか、使役モンスターでも金箱が出るかどうかの検証後って話だったよな?」
「うん。でもこの前、エリナさんと一緒に使役モンスターについていろいろ確認したでしょ? あれで“ほぼ確定”って判断されたらしくて前倒しで支払うって話になったの。一応はその再確認はあるとは思うけどもう支払いするって」
「本当か! 300万円あれば、もうバイト減らせる、生活も楽になる……!」
ありがたい。300万円あれば……弟と妹に好きなことをやらせることができるな。多分、弟は部活も我慢していると思うがそれも可能だ。妹も仮に私立に行きたいなら行かせることができるかもしれない。
「それだけじゃないよ。月10万円で“とりあえずの契約”も提案されてる」
「“とりあえずの契約”って、どういう契約?」
「まず最初に言っていた守秘義務が含まれているわね。金箱確定の裏技について他の人に漏らさないこと」
「ああ、それは約束するよ。その裏技で死人でも出たら目覚め悪いしな。他人には絶対に言わない」
「あと使役モンスターに新しい変化があったら、協会に報告して欲しいって。レベルアップしたとか、後は使役モンスターに何らかの変化が出たとか」
「なるほど……むしろ、使役モンスターについては俺から相談したいぐらいだし、ちょうどいいな」
「あとはね、他のクランには入らないでほしいって」
「それも全く問題ないな。当面は1人でやっていくつもりだったし」
「すなわちレンは秘密さえ守れれば基本的にOKね。あとは今のまま活動を続けて、気づいたことがあれば報告してくれればいい。それで月10万円になる。とりあえず1年契約で後は双方から特に申請がなければ自動継続。もちろんこの契約自体も秘密だから他の人に漏らしたら駄目だけどね」
「……うーん、おいしすぎる。何か裏がないか逆に疑うレベルだな」
「大丈夫みたいよ。使役モンスターをレンみたいに操れる人がいないから貴重な情報になるんだって。あとは秘密が漏れたらまずいから、できるだけハンター協会に紐付けしておきたいという意味合いもあると思う」
「そう言えば、エリナさんが、俺のモンスターは“異常に落ち着いてる”って言ってたな。俺はそれが普通だと思ってたんだけど」
「私もびっくりしたよ。ラムもリンも息ぴったりで……あれは本当にすごいと思う」
となるとラムとリンのおかげで300万円+月10万円のありがたい契約に結び付いたのか!ラムとリンには感謝しても仕切れないな。
「それだけラムとリンが珍しいってことか……なるほど。なら、何か変化があったらきちんと伝えるよ」
「うん。そうしてくれると助かるって」
「その契約、俺にとってはかなり好都合だな。秘密さえ守ればお金ももらえるし、相談もできるし、1人での活動も制限されない。ひよりはどう思う?」
「私はいいと思うよ。契約書もざっと見たけど変な条項はなかったし。でもレンもちゃんと読んでおいてね?」
「OK。契約する方向で考えてみるよ」
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