第27話「使役モンスターの成長と、新たな仲間」
#第27話「使役モンスターの成長と、新たな仲間」
俺はラムと一緒に新宿ダンジョンの討伐を進めていた。今では完全に二人三脚……いや、一人と一体での戦いだ。
それを馬鹿にする人間もいるがそれは無視でいいだろう。
1人で戦っていた時と比べて、討伐の効率は圧倒的に良くなっている。俺がうまくスライムを引きつけて弱らせラムがトドメを刺すという連携が板についてきた。
1日200体は倒せるようになった。魔石だけで2000円分。時給換算すれば300円ぐらいとまだ低いが、最初の頃の時給100円以下生活と比べれば雲泥の差だ。
そして、ハンターになって七か月目。ついにラムが1万体討伐を達成する。
<名前>
ラム(スライム種)
<Lv1>
スピード:10
体力:20
技術:10
経験値:9976
<主人>
結城蓮
<FS2>
今日でラムもレベルアップするのかと思うと嬉しい。自分のレベルアップとは違う嬉しさを感じるな。
そうして、しばらく討伐を進め……1万体目の討伐を行った。
「……よし!」
ラムがキョロキョロしている。どうやら体の変化を感じたのかな?レベルアップしたようだ!
<名前>
ラム(スライム種)
<Lv2>
スピード:20
体力:30
技術:20
経験値:0
<主人>
結城蓮
<FS3>
これでラムもレベル2だ。一緒に2階層に行って次のレベルのモンスターを討伐しよう。
だが、それだけでは終わらなかった。
「……ん? うそだろ……」
目の前に、金色に輝く宝箱が出現した。どう見ても金箱である。まさか……使役モンスターによる1万体討伐でも、金箱が確定で出るのか?
「ってことは……俺がレベルアップしても金箱、ラムがレベルアップしても金箱……?」
つまり、連携して戦えば、1レベルにつき2個の金箱が手に入るってことか?
「やべぇ……ワクワクが止まらねぇ……!」
その時だった。
<<良かったですね、ご主人様>>
「え?誰だ?」
頭の中に直接響くような声。周囲を見渡しても、誰もいない。
「今の……誰だったんだ?」
<<私ですよ。ラムですよ>>
「ラム……!?」
ラムの方を見ると、小さく頷いている。
「お、お前……喋れるようになったのか?」
<<正確には、テレパシーによる意思疎通のようですね>>
「……マジか。今日は情報量が多すぎる」
俺は頭を抱えつつも、目の前の金箱を見下ろした。
「とりあえず開けてみるか」
そう言って金箱を開けると、中から現れたのは――
「……ゴブリン?」
緑色の肌に短剣のようなものを握った小柄なモンスターが立っていた。だが、明らかに敵意はなく、俺の周りで動き回っている。
「……お前、俺の仲間ってことでいいんだよな?」
<名前>
ゴブリン種
<Lv1>
スピード:10
体力:20
技術:10
経験値:0
<主人>
結城蓮
<FS1>
主人のところに俺の名前がある。そして頭をなででやると嬉しそうにしている。どう考えても間違いなく俺の使役モンスターだ。
さて名前はどうしよう……ゴブリン。ゴブか?何か違うよな……そうだなリンにしよう。
「……なら、名前は……リン、でいいか。お前の名前はリンだ」
リンはコクリと頷いた。ちょっとうれしそうだ。頭を撫でてやると更に嬉しそうだ。でもラムのように念話で話することはない。何が違うだろう?もしかしたらラムのようにレベルアップすると念話ができるようになるのかもしれないな。
「……なんか、すごいことになってきたな。とにかく今日は情報量が多すぎる。頭を整理しよう」
・使役モンスターも人間と同じ条件でレベルアップする
・使役モンスターが自分と同じか自分以上のレベルのモンスターを連続で1万体倒しても金箱が確定で出る
・使役モンスターは何らかの条件で念話・テレパシーでしゃべれるようになる
俺はその場に座り込みながら、再び呟いた。
「やばい。これは俺が考えても無理な案件だ。……また、ひよりに相談しよう」
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