第26話「ひよりの上司との面談」
#第26話「ひよりの上司との面談」
ひよりから連絡があり、ひよりの上司との面談がセッティングされた。
もちろん、あの裏技の件だろう。信頼できる上司にだけ相談すると言っていたがその人のことだと思われる。
指定された場所は、ハンター協会本部ビルの高層階。まさかこんな立派な場所に呼ばれるとは思っていなかった。
ひよりと共にエレベーターに乗るとお偉いさんと思われる人が多数。ちょっと怖い。この人たちは高ランクハンターなのだろうか?それともハンター協会の重鎮?
エレベーターを降りてその上司のいる部屋に向かう途中でひよりが話かけてきた。
「来てくれてありがとうね、レン、私の上司に相談したら一度会いたいから来て欲しいって」
「いや、大丈夫だよ。ひよりが信頼している人ならば信じるよ」
どうやら到着したようだ。ひよりがノックをすると「入ってくれ」という声が聞こえた。扉を開き、部屋の中に入るとひよりの上司と思しき人物がソファに座っていた。スーツ姿の落ち着いた雰囲気の男性だった。
「初めまして、私は朝倉明人と申します。協会の公務員側の調整担当をしています」
「はじめまして、結城蓮と言います。周りの人間はレンと呼んでいます」
挨拶を終えると、すぐに本題に入った。
「レン君。君が使ったという"裏技"について、ひより君から報告を受けた。大変興味深い。だが同時に非常に面倒な方法だ」
「はい。かなり大変でした。そして、まさか本当に金箱が出るとは自分でも驚きでした」
「我々も内部で検証を試みようとしたが……正直なところ、普通の人間のメンタルでは保たなくて調査が進んでいないんだ。1日数十体倒すだけでも疲弊する。1万体となるとそれを1年続ける必要があるからな。なかなか再現可能な者がいないのだよ」
やっぱり、普通はそうだよな……。
「いろいろと考えたのだけどね。レベルが高い人間を低層階に同行させてやらせようと思ったのだけど、やはり単純な作業なので同行する人間も嫌がる。1万体となると……本当に嫌な顔をして完全に拒絶するのだよ」
「ということで、レン君。君にはお願いがある。同じレベルかそれ以上相手で1万体となると、今の君はレベル2ということで次は2階でのチャレンジだよな。今後、もしこの"裏技"を2階層以降でも試すつもりがあるなら、必ず事前に報告して欲しい」
「分かりました。もう少ししたら、やるつもりなので報告します。おそらく3か月ぐらい先から始めてそこから半年ぐらいで検証可能と思います」
「ありがとう。順調にいけば1年以内だな。思ったよりも早くて助かる。私たちの方でもなんとか進めようと思うが秘密裏に……更にはメンタルが強い人間となるとかなり難しく今後できるかどうか分からない。正直、協会としても君のような存在は非常に貴重だ。今後ともよろしく頼む」
「あと、これはひより君も聞いて欲しい話だがハンター協会も一枚岩ではない。私達の公務員側と財閥企業側で分かれていて、手柄や情報の取り合いをしている状況だ。だからこの情報も2人共、誰にも漏らさないで欲しい。受付などの人間も含めてだ」
「「分かりました」」
「そうだな。あともうすぐ1万体到達しそうになったら連絡をして欲しい。その時にはひより君にも同行して確認してもらおうと思う。本当に金箱が出てきたら君に300万円のボーナスを出そう」
「本当ですか!」
「良かったわね、レン、金欠でしょ?」
「ああ、正直なところダンジョンでは完全に赤字だったから助かるよ」
ひよりも微笑んでうなずいた。
(もし300万円もらうことができたら……バイトを減らしてもっとダンジョンに集中することもできるよな。弟と妹にも良い生活をさせることができる。焦りは禁物だがやってやる!)
こうして、俺はハンター協会とある種の“秘密の約束”を交わすことになった。
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