第217話「五階層攻略のための訓練」
#第217話「五階層攻略のための訓練」
俺たちは五階層の映像を何度もチェックしていた。とくにオーク、あの階層のボス格とも言うべき存在の動き、癖、弱点などをがっつり確認。
まずはルナがソロで五階層を攻略している映像を何度も確認した。余裕はそこまで無いが、それでもうまく倒している。
普通のハンターならまず無理な芸当だが、さすがルナと言えるだろう。ルナがどれだけすごいのか、改めて思い知らされる。
まずは雑魚を一掃し、その後は一体ずつオークを倒す。とにかく距離感がうまい。自分と相手の距離、そしてスピード、技の違いをほぼ完全に把握しているのだろう。相手から届かないところから急に踏み込んでの攻撃、そして戻る。ボクシングで言うところのヒットアンドウェイというのだろうか。それを上手に繰り返す。
相手のオークは大変そうだな。急に近づいてきて攻撃を受け反撃をしようと思ったらすでにそこにはルナはいない。反撃しようにもその隙もないのだ。混乱しているように見える。
また膝など関節への攻撃が的確だ。オークは明らかにルナからの弱点への攻撃を嫌がっているように見える。そこを守ろうとすると隙ができるのでルナは他の部位や他の弱点を攻撃する。この辺りはさすがで芸術的だと言える。
それでもオーク攻略にはかなりの時間をかけており、この状況での攻略を続けていたらレベル6へのレベルアップは大変だろう。
でも大丈夫だ。俺たちは全員レベル5になった。これからは8人(3人+5体)での攻略が可能。ルナのレベルアップもはかどるはずだ。
攻略のポイントはやはり"数”になる。
俺たちは8人(3人+5体)いる。
それに対して敵は最大で20体、そのうちオークは最大でも4体となる。すなわち、雑魚をすぐに一掃できれば常にオークに対して常に2対1の態勢を取ることができる。
ルナがその辺りの解説を続けた。映像は他のクランがオークを攻略しているものだ。
「オーク1に対して2人が対峙する場合は片方がヘイトを取って、もう片方が雑魚を一気に片付ける。そして雑魚が消えたらオークを2方向から攻撃、ここは弱点狙いが有効だ。オーク1に対して3人の場合は3方向からの弱点狙いだな」
「ヘイトをもらう人間は直接的な攻撃を受けないことを最重要に考えること。そして他の攻撃を担当する人間も自分にいつヘイトが向くかは分からないから決して油断をしないことが大切だ」
ルナが映像を流し、時には止めながら説明する。
すぐに見える弱点は膝、肘あたりか。オークは上背があるから俺たちが狙いやすいのは膝だが当然のことながらそこばかり狙うと攻撃を読まれる。うまく攻撃をちらす必要がある。当然のことながら真正面からの殴り合いは駄目だろう。
あと問題があるとしたら“ヘイトの偏り”かな。
ひよりが言う。
「ヘイトが全部向くと、どうしても逃げ中心になるよね」
その通りでここがやっかい。オークの攻撃は重い。受け流しが難しい。そうなると躱す、逃げるが中心になる。だから一人が完全にヘイトを抱えた時は危険になる。
できるだけ距離を取って避けるコツを覚える必要があるだろう。時には躱し、時には逃げる。1対1の時は下手に攻撃をせずにまともに相手をしないことが大事だ。そして味方が複数になるまで待つ。
ひたすら躱すのはかなり大変でリスクも高い。時には逃げることも必要だろう。攻撃を受けないことだけ考える。下手に攻撃を受けたらすぐに死が近づく。
これまで以上に“正確な判断”が求められる。
正確さで考えたら攻撃の正確性も必要だ。弱点狙いがズレたら、ダメージが半減どころか反撃される危険さえある。
それらを映像でチェックした後は訓練に入った。新しい訓練……それは動く標的に弱点を正確に当てる訓練だ。
ターゲットが不規則に動く的を使って、全員でひたすら弱点への命中率を上げていった。
動く的に当てる訓練、これはなかなかに楽しい。やっぱり、こういった訓練はいいな。そうして俺は動く的に的確に攻撃を当てたつもりだったが……
「レン、駄目だ、攻撃に全く力が入っていない! そんな攻撃を何度してもオークには通じない!」
「分かった!」
ルナは厳しい。俺は短い訓練の中で何度も駄目出しを受けた。当てることに集中しすぎるとどうしても攻撃が軽くなってしまう。それではいくらオークに当たっても何の意味もない。
分かってはいるが、威力を保ちながら的確に弱点に当てるのはなかなかに難しい。俺の不器用さがまた出てきた感じだ。これもひたすら繰り返しで克服するしかないな。
さらに道場では、オーク対策の“受け流し+躱し”の練習も追加した。
オークの攻撃は威力がある。普通の受け流しでは体ごと、もしくは武器ごともっていかれる可能性がある。
だからこそ――
完全な受け流しは厳しい、そこで少しだけ相手の攻撃の角度を変えながら同時に体を逃がす“半受け流し”のような形が必要になる。こちらの練習も開始。
一定の余裕を持たせた位置取りや角度の調整を何度も反復して掴んでいった。
とは言え、こちらは練習だけではどうにもならないな。実戦で試しながらどの程度までなら回避できるか確認していく必要があるだろう。オークのパワーを知らないとどうしても中途半端になりそうだ。
そうして何度かミーティングと訓練を繰り返し、とうとう俺たちは実戦に入った。
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