第21話「初めてのレベルアップと金箱の中身」
#第21話「初めてのレベルアップと金箱の中身」
ハンターとして活動を始めてから、ついに四か月が経過し五か月目に入った。
長かった――いや、正確にはまだ序章にすぎないのかもしれないけど、それでもようやく、ようやく、累計討伐数が1万体に届こうとしていた。今日で達成できるのはほぼ間違いないだろう
ステータスを見ると9987となっている。あとわずかだ。
<名前>
結城蓮
<Lv1>
スピード:10
体力:10
技術:10
経験値:9987
「くっ、わくわくが止まらねぇ……!」
ずっとこの瞬間を夢見て頑張ってきたのだ。体力的にも精神的にもきつかったが、少しずつ慣れ、効率も上がった。最初は1年かかるかと思ったがおよそ1/3の期間で到達する。ようやく目標が目の前に――。
レベルアップは体感で分かるらしい。力が湧くとか、体が軽くなるとか、聞いたことはあるが、実際はどうなのだろう。初めてだから楽しみすぎる。
それに、もう一つの期待がある。
裏技。
例の「1年以内に自分と同レベル以上のモンスターを1万体連続で討伐すると金箱が出現する」というゲームでの設定。ゲーム設定に近いと言われている現代ダンジョンでも同じことが起きるのか?ついにその検証ができる。
金箱が出るのかどうか。
中身は武具か? それとも……使役モンスターか!? 財宝が出たらどうするか?売るのか?どっちにせよ金箱さえ出ればハズレはない。
そして――その瞬間が来た。
「……きた!」
1万体目のストロングスライムを討伐した、その直後だった。目の前に、唐突に“それ”は現れた。
「マジで金箱きたぁぁぁっ!!」
思わず叫びそうになるのをぐっとこらえ心の中でがっり叫びながら、俺はその箱を見つめた。全体が鈍い金色に輝いている。ゲームでいうレアドロップ演出みたいだ。
そして――自分の体に異変が起きていた。
「おおっ、体が軽い……!」
力が湧く感覚、確かにある。これが、レベルアップ……!レベル2になったようだ。
でも、それより気になるのは――そう、箱の中身!
そっと金箱を開く。そこから、ひょこりと出てきたのは――
「……スライム?」
出てきたのは、まさかのスライムだった。金色でも銀色でもない、普通の見た目のスライム。動き回ったり、こちらをじっと見上げたりとまるで小さな子供のようだ。
「お前……敵じゃないのか?」
試しに声をかけると、スライムはコクリと頷いた。
「えっ、分かるの? 俺の言葉」
再び、コクン。
言葉は発さないが、どうやら意思疎通はできるようだ。試しに手を伸ばしてみると、スライムはびくっと震えた。触れると、ひんやりとした感触。ゼリーみたいで少し気持ちいい。
「……かわいいな、お前」
このまま“スライム”と呼ぶのも味気ないし、とりあえず「ラム」と名付けることにした。名前はスライムから取った。安直だが、今はこれでいいよな。気に入らなければ後で変えればいいしな。
「ラム、お前の名前だ、分かるか」
ラムは少し考えているようだったが理解したようだ。コクリと頷いた。
「ラム、あのスライムを倒せるか? 同族っぽいけど……」
俺がそう尋ねると、ラムはコクリと頷いた。
さっそく近くにいたストロングスライムに向かっていく。やや時間はかかったが、俺が援護しながら無事に討伐成功。
「おお、やるじゃないか!」
褒めるとラムが嬉しそうにしているような気がする。ちょっとくねくねしている。
そしてふと気になった。ラムにも経験値って入ってるのか?
そう思った瞬間、自然とラムのステータス画面が目の前に浮かび上がった。
「……見えるのか、これ。しかも経験値も入ってる!」
<名前>
ラム(スライム種)
<Lv1>
スピード:10
体力:20
技術:10
経験値:1
<主人>
結城蓮
<FS2>
これはすごい。つまり、ラムも鍛えれば強くなるってことだ。俺はソロだけどラムと一緒ならば心強い。ってかレベル1なのに体力20?これは使役モンスター特有なのか?まあとりあえずはいいか。それよりも大事なことがある。
「よし、決めたぞラム。次は――お前がストロングスライムを1万体倒す番だ!レベルアップ目指すぞ!」
ラムはちょっと首をかしげていたが……しばらくして、またこくんと頷いた。どううやら理解してくれたようだ。
まさかの相棒ができたダンジョン生活。
この先、どこまでいけるのか――。
俺とラムの、新たな戦いが始まった。
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