第205話「ルフ、外の世界へ」
#第205話「ルフ、外の世界へ」
ロアの次はひよりがレベル5に到達した。
ひよりは俺のかわいい彼女だがハンター実力者でもある。最初は公務員として活動し、レベル2だった彼女が、今では俺と並んでレベル5だ。
上位ハンターと言って差し支えない位置に来てしまった。凄いことである。かわいいし強いしやさしいし俺の自慢の彼女だ。
おまけにひよりは、時には公務員の仕事をしながら、そして更にはうちの食事まで作ってくれている。そのうえでのレベルアップなんだ。
本当にすごい、とんでもないことだ。
いろんな意味で俺はもっと感謝しないといけないと思う。
とまあ俺の彼女自慢はこの辺りにしておこう。
続いてレベルアップが近いのはルフだ。もう数日でレベルアップするという段階に来ている。
例によって朝倉さんに連絡すると透子さんがいくとのことでお願いしたいとの返事だった。ただまあ、それは言われなくても分かっている。
透子さんはほぼ使役モンスターたちと一緒に住んでいるような状況だ。彼女のほうが俺よりレベルアップのタイミングを把握している。
そして朝倉さんからは「ルフがレベルアップしたら報告に来てほしい」とも言われた。
どうやら陣馬高原ダンジョンの件も含めて話をしたいらしい。そのため、少し緊張はしたが快諾した。ルフのレベルアップの日に朝倉さんのオフィスに行くことに決まった。
すでにエリナさんからも朝倉さんには陣馬高原ダンジョンの氾濫はラムとリンが討伐したのが現実だと伝えている。そしてエリナさんからは特段の問題はないと聞いている。だから今回もおそらくは悪い話ではない……はずだ。
そして、ルフのレベルアップ当日がやってきた。
ここ最近は効率を考えて2組もしくは3組に分かれていたが今日はレベルアップする当日ということで全員で討伐することに。
俺たち全員8人(3人+5体)、それに透子さんを加えた9人で行動している。もうすぐレベルアップということでいつも落ち着いているルフも今日ばかりはどこかそわそわしているように見える。
そしてルフが数体のモンスターを討伐したあとだった。
ルフがふっと目を閉じ、そのまま静かに立ち尽くした。
「ルフ、レベルアップしたのか?」
問いかけると、ルフは小さく頷き、まっすぐ俺のほうへ駆け寄ってきて、ぎゅっと抱きついた。
「レンさん……ありがとうございます。FSも遷移して、わたくしも外に出られますわ」
「よく頑張ったな、ルフ」
それが精いっぱいだった。正直、いきなり綺麗な女性に抱きつかれると困る。いや本当になんだ。
女性の髪を触らない方がいいというのはSNSなどで学習した。ロアは何となく幼いから背中ポンポンとしたがルフの場合はどうしたものか?
そう思っているうちにみんなが抱き着いてきた。
ラムもリンもロアもクーも、そしてひよりやルナまで抱きついてきてわちゃくちゃに、俺の葛藤の時間が早期に終了して安心した。
「おめでとう、ルフ!」
みんなが口々に祝福し、ルフは幸せそうに笑っていた。誰かが成長したら全員が自分のことのように本気で喜ぶ。
本当にいい仲間だ。そんな仲間に恵まれていることが何より嬉しい。
いつもならばここから通常の討伐に戻るところだが、今日はこのまま朝倉さんのオフィスへ向かう予定になっている。
ゆえに討伐はここでそのまま終了することに。最後にレベルアップを残しているクーには申し訳ないが許して欲しい。
さて行くかと思っていたらいつものように感動している透子さんがハンドグリップを取り出してルフに渡している。おお、用意がいいな。ラム、リン、ロアがその使い方を説明。ゆっくりと持って力の調整をしている。
何度か持ってだいたいの感覚がつかめたようだ。最初は引きつっていた笑顔がだんだんとやわらくなっていった。確かにこの力加減を覚えるのはダンジョンの中でもいいかもしれないな。誰かに見られたとしてもハンドグリップを持つぐらいならば別に不自然でもない。
そしてルフはダンジョンの外に、ゆっくりと最初の一歩を踏み出した。大丈夫とは思っていてもやはり心配だったのかもしれない。
問題なく外に出られたようで満面の笑みを浮かべている。
これで外に出られるようになった使役モンスターは4体目。
残るはクーだけだ。最後になってしまって申し訳ないが全力で手伝うので許して欲しい。
そうして、俺たちはそのまま朝倉さんのオフィスへ向うことに。今回のメンバーは俺、ひより、ルナ、そして使役モンスターのラム、リン、ロア、ルフの7人、そして透子さんを加えての8人になる。
そう考えると移動も人が増えてきたな。近いうちに免許でも取って車移動も考えるといいかもしれない。
「ひよりは運転免許持っているのか?」
「うん、持っているよ。ほとんど運転はしないけどね」
「ルナは?」
「私も持っているよ。遠出する時には車で行くときもあったな。でも最近は恩方ダンジョンにかかりきりでほとんど運転していないがな」
「なんと俺だけ免許なしか! いつかクラン専用の車を持つといいかなと思ってさ」
「それはいいわね」とひよりが賛同、ルナも頷いている。
将来的にはどこかのダンジョンに遠出するかもしれない。そうなれば車移動がいいだろう。今の陣馬高原から恩方ダンジョンもタクシー移動が多いし、そういった意味でも車があると便利だろう。
クランだけで8人。人数も多いからワゴン系がいいかな?いや移動時は俺のスロットに入ってもらうのもありか?いろいろと思いつく。
ともかく俺だけ運転できないのは申し訳ないので、どこかのタイミングで取れたらいいのだが。
そんなことを考えているうちにハンター協会ビルに到着した。今から朝倉さんに報告するわけだ。陣馬高原ダンジョンの氾濫、そして討伐の件は必ず出てくるだろう。
どんな展開になるのか、ちょっと心配だがしっかりと話をしようと思う。
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