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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

エンバーミングデー

作者: 蛇いちご

私の名前は早乙女紫18歳。花の女子高生だがそんな私の足下には死体が転がっている。そう私は人を殺した。

今から2年前高校の入学式で私は恋というのをした。名前は安曇はるか。美しく成績も運動神経も良くて私とは正反対だった。

私はあの人に近づきたかったけど美しい花には蝶が集まる様に素敵なあの人にはいつも周りに人が居た。そして美しい花であるあの人にお似合いの蝶々達で私の様な毛虫は場違いに思えた。はるかさんはバスケ部に入っていたから私もマネージャーとして入った。でも同じ事を考えている人は一杯いた様で矢張り部活中でもあの人の元には美しい蝶がいてとてもじゃ無いけど近づけて無かった。

私も美しい蝶になろうと努力したが元の顔の造りが地味な私には到底無理だった。私は諦めただ見てるだけだった。

2年生になった。別々のクラスになり会えるのは部活中だけだった。でも元々あの人に近づかない私には関係無かった。ただ見てるだけでもそれで十分だった。3年生になった。また同じクラスになった。でもあの人はますます美しくなって取り巻きもますます美しくなっていった。そして私は益々近づきづらくなった。

当然進路は違った。頭の良いあの人と悪い私なんだから違うのはある意味当然だ、でももう後一年間しか一緒に居られない。その事実は私の闇深い感情を増幅させた。

ある日エンバーミングというのを知った。遺体を綺麗に保存する事を言う。私はあの人を殺してエンバーミングしたいという気持ちに駆られた。その日からあの人を殺したいという欲に駆られた。本当はそんな事は駄目だと理性が止めていたが、段々と止まらなくなっていた。そしてあの人が恋人が出来たと聞いた時反射的に殺してしまった。殺し方は簡単人目の付かない所に呼び出して胸を包丁で刺すだけだ。

そして私はエンバーミングを開始した。まず全身の消毒及び洗浄を行なった。次に防腐剤を注入し、静脈より血液を排出。腹部に1cmの穴を開け、そこからトローカーで金属製の管を刺し残った体液や腐敗を起こしやすい消化器内の残存物を吸入し除去した。同時に防腐剤を入れる。最後に切開を施してドレスを着せて完成だ。バイトでお小遣いを貯めたお陰で器具や防腐剤が買えた。もしかしたら無意識下で最初からこの事を計画していたのかも知れない。ともあれ私は美しく着飾った彼女を見ながら彼女の生前は出来なかった素敵な素敵なキスをした。


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