第五十四話
「剣が効かない」
アカリが剣で斬りかかるが、岩でできたゴーレムが硬すぎて攻撃が弾かれて、ダメージが少ししか入らない。
「矢もいまいちだね。弾かれる。ちょっとユメ、攻撃してみて」
ヒカリも同じ様子だった。
「おっ、攻撃が効いている」
ユメがゴーレムの足に盾でタックルをするとダメージを与えることができた。
「はっはーん! 打撃系が弱点だね。アカリは剣で斬る系、私は弓で突く系、ユメは盾で叩く系。カスミはえーっと、モーニングスターは叩く系ね」
ヒカリは武器の属性について説明をした。
「そんなのあるんだ。それじゃ私よりユメとカスミで攻撃した方が良いね。私はガードしておくから」
アカリは飲み込みが早くて、すぐに状況を把握した。
私がゴーレムの足を攻撃すると、ガツンという音と共に大きなダメージを与えることができた。
これならいけそう。
ユメがゴーレムを引きつけているので、その隙に武器で攻撃をする。時々、仲間の体力を回復するため、魔法の詠唱も行う。
何度も攻撃しているうちにゴーレムが転倒した。その瞬間、ゴーレムの頭部に赤い石のようなものが浮き上がった。
「チ、チャーーーーンス! みんな、攻撃して!」
ヒカリはこの状況を好機と判断して言った。
倒れたゴーレムの弱点が浮き上がっている間、みんなで集中して攻撃をした。弱点なら剣も矢もダメージが入るみたいだった。
「ゴゴォーーーーーーー」
低い奇声のような音が響いて、ゴーレムは砂となって崩れた。
「やったーーーー!」
各々が歓喜の声を出した。
「一回でクリアじゃん。カスミがいなかったら倒せなかったかもね」
ヒカリは一息ついてそう言った。
いつも足を引っ張っていた私が役に立ててとても嬉しかった。
湖の近くからどこからともなく行方不明の村人が現れて、イベントクリアとなった。




