第四十三話
今日のバイトはいつも以上にくたびれた。
バイトで怒られて、私の心はとても傷ついた。思い出すと嫌な気持ちになった。少しずつ付いてきた自信が全部無くなった。
何で私はあんな失敗をしてしまったんだろう。人に見られていると緊張して、何かと失敗してしまう。人の考えていることが気になって頭の中で色々と考えすぎて平常心が乱れてしまう。
人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。私は人間が嫌い。
人を傷つける人間が嫌いだ。人を傷つける人間とは干渉したくない。
この世の中ではもう生きてはいけない、とさえ思ってしまう。
一人になりたい……。
心の安定を求めて、私はゲームの世界へ逃げ込んだ。
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中世の城下町の部屋に私のキャラクターが現れた。髪型はツーサイドアップだ。
まるで私がこのゲームの世界にいるような感じでプレイをする。一人で街中を自由気ままに歩き回って、風景や雰囲気を味わった。見て周ったあとは城の門をくぐって外へと進んだ。
目の前に広がる草原の壮大な風景は何度見ても美しい。風が吹き抜ける音が聴こえる。
作られた空間だけど、リアリティがあって圧倒される。
大きな道を進んでいるとゴブリンが数匹ウロウロとしている。この辺りの敵はもう一人でも倒せる。メイスで攻撃して数匹倒すと、一匹が逃げていった。その一匹を倒そうと追いかけていると小さな洞穴に入っていった。
ゴブリンの巣穴……?
気になって中に入ろうとしたが、たぶんゴブリンの親玉がいるのかも、その周りにゴブリンの子分が沢山いるのかも、と頭の中に浮かんだ。
念のため、防御力を上げる魔法を自分のキャラにかけてから、恐る恐る洞穴へと入った。
薄暗い洞窟の奥からゴブリンの声が響いている。複数の足音が聴こえる。
何匹ぐらいいるのか、ちょっと覗いたら見つかってしまった。
次から次へと襲い掛かってくるゴブリンをメイスで倒していく。ナイフみたいなので攻撃されても受けるダメージは少ない。最後に親玉が現れたが、簡単にやっつけてしまった。
ゴブリン隊を殲滅。
私は弱くない、私は強い。私はダメじゃない。




