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HSP少女とHSPカレシ  作者: なみだいぬ
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第二十三話

 ある日の放課後、私は自分の勉強のために大学付属図書館へ向かった。


 入口の透明なガラス扉に反射して、今日から髪型を少し変えた自分の姿がうっすらと映った。

 昨日の最悪の出来事を少しでも払拭したいと思った結果、髪型をツーサイドアップにした。もちろんそれ以前に“苦肉の策”を使わなければ精神的に病んで立ち直れずに寝込んでいただろうけど。


 今朝、ツーサイドアップにした私を見たヒカリさんは「超カワイイ!」って、テンションが高くなって黄色い声を出していた。この髪型は子供っぽく見えるかもしれない。

 この髪型にしたことは無かったけど、ヒカリさん以外は変に思っているのかもしれない。


 図書館の中で、心理学の本棚でHSPの本を探していた。以前、来た時はゆっくりと見れなかったから、今日はじっくりと探そう。


 本の表紙を一つ一つ確認していく。二十分ぐらい掛かって一列の本棚を見ていったが一冊も見つからなかった。

 HSPってあまりメジャーではないからかな。東河さんは日本には文献が無かったから海外の医学書を読んでいたって言っていたし。

 この図書館も新しい本の寄贈は少ないのかもしれない。今度、書店に探しに行こうかな。


 あれっ?

 今、通路を歩いていた人と目が合った。その人はあの“ぶつかった人”だった。未だに名前が分からないから、そんなあだ名を付けている。

 棚の端から通路をこっそりと覗いた。ぶつかった人が図書館に来ているとは思ってもみなかった。偶然たまたまなのかな。今日も一人で行動している。


 ぶつかった人がHSPかどうかも気になっている。ちょっと距離をおいて様子を見てみる。またぶつからないように気を付けないと。

 ついさっき目が合ったけど、ぶつかった私の事を覚えているだろうか。単にぶつかっただけだから、記憶にも残っていないと思う。


 一つ向こうの本棚に“ぶつかった人”はいると思う。どんな本を探しているんだろう。何だか気になってくる。後で見てみよう。

 あまりウロウロしていると、周りの人に変な人だと思われそう。

 “ぶつかった人”は本を持って四人掛けの大きなデスクの方に歩いて行った。


 早速、私は一列隣の棚へ回り込んで、どんな本が並んでいるのかを確認した。


 宇宙・太陽系……。

 宇宙に興味があるのかなぁ。宇宙の事ってあまり知らないけど、東河さんに教えてもらったような気がするけど覚えてないなぁ。

 棚の端から通路を覗いて、デスクで本を読んでいる“ぶつかった人”を眺めていた。

 

さて、私は私の勉強の本を探そうっと。

挿絵(By みてみん)

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