第二十一話
高校二年の時に寝れないことがあった。
リオが投稿した動画に対して、中傷コメントを書かれたことで誰が犯人か、クラスメイトが犯人か想像が止まらなくなり、疑心暗鬼な状態が続いて“嫌な想像”が頭の中を何度もループして、頭はずっとフル回転して苦しんだ。
結局、中傷コメントを書いた犯人は同じクラスの三嶋さんだったという事が後になって分かった。帰宅中の信号待ちの時に西井君と私が話しているのに嫉妬したみたいな事だった。
あの時も寝れなかったなぁ。ガイコツ男の顔が出てこないように他の事を考えよう。頭の中をキレイにしよう。
フレンチガーリーの可愛い服をディスプレー越しに眺めている自分がいる。早く着て歩きたいなぁ。気分も良くなるだろうなぁ。大学のキャンパスを歩く自分を想像した。
楽しい気持ち……、このまま寝よう。
駄目だ。目を瞑るとやっぱりガイコツ男の顔が出てくる……。このまま寝れないような気がしてならない。もう一度良い事を想像してみる。
フレンチガーリーの可愛い服をディスプレー越しに眺めている自分がいる。ディスプレーにガイコツ男の顔が映って、こちらを見ている。
イヤ……、もう本当に嫌!
ますます眠れなくなっていく。どうすればいいんだろう……。
襲われた事によるトラウマ(心の傷)が治らないのではないかと不安になってくる。眠れない日がずっと続いたらどうしよう……。
高校二年の頃、“嫌な想像”で眠れない時はどうやって解決したのか思い出してみた。
私はその苦肉の策を試すことにした……。




