第二十話
その夜、自分の部屋で私の心は酷く落ち込んでいた。
幸い、身体は大丈夫だったけど、“嫌な記憶”が脳裏に焼き付いている。
そして、まだ腕を握られている感覚が残っている。のし掛かられて、顔が近づくシーンが頭の中でフラッシュバックする。
怖い……。
恐怖の記憶が再び出てきて背筋がゾワゾワする。動悸が止まらない。
ベッドに横になって動悸が治まるのを待った。
後で聞いたけど、ユメさんはトイレを先に出た私が部屋に戻っていないのをおかしいと思って、各部屋を覗いてくれた。そして、男の人に襲われている私を見つけて、男の人を一本背負いで持ち上げて床に叩きつけた。
暫くしてガイコツ男は警察に連れて行かれた。泣いてばかりいた私に代わって、ユメさんは警察に状況を説明してくれたみたい。
ユメさんに何度もお礼を言った。感謝してもしきれない。
男の人が怖い……。男の人が嫌い……。あんな男ばかりではないと思うけど、何だか男の人に対する気持ちが何も無くなった。
頭の中が恐怖のイメージで一杯になって眠れない。目をつぶったら、あのガイコツ男が頭の中で出てくる。
もうイヤ……。寝れない……。




