第十三話
天井からの光が眩しくて何だか疲れた。あと、人混みで疲れた。
アカリさんと椅子に座って、クレープを食べて休みながら喋っていた。
「ね? 気に入る服があったでしょ。あのフレンチガーリーのは可愛かったね。私なんて着たい服が一杯あるけど、チビだから合わないのよ。サイズ無かったりするし、もっと身長が欲しいよう。頑張ればまだ身長伸びるかな。カスミは背が高くて良いよね。胸もあるし。何センチ?」
「えっ?」
私がもじもじしていると、アカリさんは慌ててこう言った。
「アハハっ。胸じゃないよ、身長の方だよ」
「アハハっ。身長は百六十センチ」
「良いなぁ、私は百五十センチだから分けてほしいぐらい」
アカリさんは確かに身長は低いけど、胸は大きく見えた。
受け身だった私からアカリさんへ話し掛けた。
「欲しい服あったけど、やっぱり高いね」
「ブランド物は高いよね。バイトしてお金貯めて……かな。私はバイトしてて今月末にお金が入るから買う予定。カスミはバイトしているんだっけ?」
「何もしていない。どんなバイトしてるの?」
「七町珈琲でカフェバイト。私、高校生の時から憧れだったの、カフェでバイトするの。制服を着て、コーヒー持ってって、カッコいいじゃん」
「うん、良いね」
「一緒にバイトする? オーダー聞いて、料理を持って行って、お会計して、慣れたら簡単だから」
私はお客さん相手で緊張して上手く喋れない自分が簡単に想像できた。
「ん~、接客はちょっと苦手かも」
「接客とキッチンに分かれてて、私は接客がしたかったから、すぐに採用になったけど。キッチンって難しいのかな。分からないけど」
「超初心者でもキッチンってできるかな?」
「教えてもらえると思うよ。良かったら店長に話をしとくし、私の友達だったら即採用になるかも。時給は千百円で交通費も出るし、ケーキは美味しいし。時間が二十二時までだから帰りが遅くなるのが難点だけど。最寄り駅はどの辺だっけ?」
「広尾山方面で衣ヶ原駅」
「えーー、遠いじゃん! 毎日通学してるんだよね? マジで!」
「うん」




