一冊目<人骨肥料>
今回より本編に入ります!
史乃がどのようにして伝承者として活躍していくのか、これからお付き合いいただけると嬉しいです。
また、同日投稿の「伝承者の策略」もあわせて読んでいただけるとより楽しめるかと思いますので、よろしくお願い致します。
僕は花が好きだ。小さな時から一緒だったからだろうか。
「僕ね、大きくなったら、パパみたいなお花屋さんになるんだ!」
「おお、そうか!なら、お前が大きくなるまで、しっかりこの店を守らなとな!」
そう言って父は僕の頭を乱暴に撫でた。しかしこれが、僕は大好きだった。
なのに……。
「ううっ……」
僕、華宮守は酷い頭痛で目を覚ました。
「痛い……。」
夢の中の自分はずいぶん幼かった。5歳くらいだったか……。だが今の僕は25歳。もう立派な大人だ。そして、僕の頭を乱暴に撫でてくれた人はもういない。
―コンコン。
誰かが扉をノックした。
「守?大丈夫?」
「ああ……。」
妻の華宮香だった。彼女とは高校生からの付き合いだ。最近、眠れなかったり、こうやって酷い頭痛に悩まされていることを知っているので、毎朝必ず僕の健康状態を確認しに来てくれる優しい妻である。
「入るわよ?」
―ガチャ。
扉がゆっくり開いて香が姿を現す。真っ暗な部屋に射し込む光を背景に立っている彼女は、僕にとっては女神そのものに見えた。
「具合はどう?」
「あまり……。いつも悪いな……。」
「いいけど、今日、お店はどうするの?代わりに開けておこうか?」
「いや、今日は休みにするよ……。本当に体調がすぐれなくて……。」
「そう。なら、後で軽い食事とお薬を持ってくるわね。」
「ああ。ありがとう。」
そう言って香は部屋を後にした。
僕がこんなにも弱ってしまったのは5年前のこと。僕は高校を卒業すると同時に、父の店を継ぐため、店で働くようなった。父から花について多くのことを学ぶ時間はとても充実していて楽しかった。しかし、楽しい時間が壊れるのは一瞬だった。
―バタン!
大きな物音がして、僕は慌てて音のした方に急いだ。そして、倒れている父を発見したのだった。
「父さん!」
呼びかけても返事はなく、冷や汗と涙が流れる。
「きゅ、救急車!」
慌てて救急車を呼んだ。救急車が到着するまでにはそんなにかからなかったが、随分長い間待たされたような気がしてしまった。
僕は父が無事に帰ってくることを病院で祈っていた。まだたくさんのことを学びたいということもあったが、僕の家は離婚しており、母はいなかった。そのため、父がいなくなってしまったら、僕は一人ぼっちになってしまうのだ。色々なことが怖くて両手を胸の前で握りしめていた。
しばらくして、僕の元にやってきたのは父ではなく、病院の先生だった。
「残念ながら、お父さんは……。」
ああ。神様。父さんは、僕は、あなたに恨まれることをしたのでしょうか。現実は無慈悲で残酷だ。僕はこの時の先生の言葉は覚えていない。だが、その場で枯れるほど泣き喚いたのだけは覚えている。
父さんの葬式から、僕は現実と向き合うのが嫌になっていた。頑張っても、真摯に向き合っても、神様はそれを評価してくれない。ならなぜ頑張るのか。もう分からなくなってしまった。そんな時、香が僕の元を訪ねてきた。
「こんな暗い部屋でなにしてんのよ。」
香は女の子らしい可愛い外見とは裏腹に竹を割ったような性格だった。そんなところに僕は惹かれたのだが。
「別に……。」
「辛いだろうけど、この店。このままじゃ潰れちゃうわよ?お父さんの大事なお店でしょ?」
「知ってる。でももういいんだ。頑張っても意味ない。父さんは一生懸命花を育てて、売って、喜ばれていた。この世に居なくてはならない人だった。僕にとっても、お客さんにとっても。だけど、居なくなってしまった。僕はもう、どうしていいのか分からない……。」
傍から見れば僕はかなり鬱陶しい状態だっただろう。しかし香は僕を突き放すことはしなかった。
「どうしていいのか分からないなら、店やれば?私も手伝うし。お父さんと同じ景色でも見れば、何か分かるんじゃない?」
「香……。でも、進学するんじゃ……」
「やめる。てか、卒業したら結婚申し込むつもりだったから進学は元々してないの。」
「ええ!?」
「驚いた?ふふ。お父さんには一度ご挨拶に来ているのよ?でもお父さんは、一人前に育つまで待ってくれって言っていたの。だから、進学って嘘吐いたんだけど……。あはは。一人前になる前に居なくなるなんて想像もしてなかったなあ……」
「香……」
「一緒にお店やろうよ。お父さんみたいに上手くできなくても、少しずつさ。近づいて行けばいいじゃん。だから頑張ろうよ。」
「ありがとう……。僕、頑張ってみるよ……。」
僕は、香に背中を押され、見よう見まねで父の店を継ぎ、オープンさせた。
父の店の常連客は多く、再び店のシャッターが開いたときは大勢の人が喜び、足を運んでくれた。しかし、オープンして半年くらい経った頃だった。
「花自体は悪くないけど……。お父さんに比べると……ねえ?」
「そんなこと言ったら悪いよ……」
そんな声を耳にするようになった。初めから父のように上手くいくなどと思ってはいなかったが、実際に言われるとかなり傷ついた。
「いえ。もっと努力します。ありがとうございます。」
その言葉通り、僕は毎日、肥料の改良や少しだが、学んだことを復習したりと父の育てていた花に近づけるため研究を重ねた。努力をした分だけきっと報われると信じていた。ちょうどその頃だった。
「忙しいのにごめんね。ちょっといい?」
研究している最中は滅多に部屋に入ってこない香が、珍しく僕の部屋に訪れた。
「どうしたの?何かあった?」
「うん。あのね、私妊娠したみたいなの。」
「ええ!?」
突然知らされた嬉しい出来事。僕は父親になったのだ。
「よかったな!あ、なら尚更無理させられないな。辛い日は店に出なくてもいい。何なら家事も……」
「何言ってるのよ。お父さんみたいな花屋にするんでしょ?本当にヤバい時は頼るけど、今まで通り研究に没頭してくれればいいから。この子のためにもね。」
「香……」
「じゃあ、頑張ってね。」
僕は香に救われてばかりだ。
「よし、やるぞ!」
香のため、生まれてくる我が子のため、僕はより一層やる気に満ちあふれていた。
父が亡くなり、店を再オープンさせてから早くも一年が経った。香は無事、元気な女の子を出産した。その子は咲楽と名付けた。しばらく香は店にでることはおろか、家事もすることはできない。全て僕がやらなくてはならないが、負担だとは思わなかった。たくさんの愛情があれば、大変なことでも苦痛にはならないのかもしれない。香が復帰するまで、僕は家事と研究、そして仕事をすべてこなした。
出産してから3か月後。
「ごめんね。色々やってもらって。」
安静にしていたはずの香は、店に出る格好をして部屋から出てきた。
「え!まだ安静にしていないと!」
僕は慌てた。そんなに早く復帰して何かあったらきっと僕はもう立ち直れない。不安になり、店に出ることを猛反対した。
「香は出産っていう大変なことをやってのけたんだ。店に出るのはまだ先でいい。それに、ネットで見たけど、回復するのには1年くらいかかる人もいるんだって。だから……」
「はいはい。心配してくれるのは嬉しいけど、寝てばかりでは嫌なの。それに回復には個人差があるでしょ?私はもういいの。」
「でも……」
「私も咲楽のことお風呂に入れたいし、店の花も恋しいの。大丈夫。無理はしない。」
「わかった……」
不安は残るが香を信じることにした。
「ありがとうございます。」
店先で香が接客する。少し前まで見ていた光景なのに懐かしく思えた。
「あら奥さん!もう大丈夫なの?」
「はい。お陰様で。」
「よかったわ。でも大変ね。ここの店。以前よりお客さん減ってるみたいじゃない?私の近所の人も最近は違う花屋さんに行ってるって話よ?」
「そう……ですか。」
「頑張ってね。私は変わらずここに通うわ。だって近いもの。」
「あ、ありがとうございます。またお待ちしています……」
常連客と話し終わると、暗い顔をして戻ってきた。
「ねえ。お店、大丈夫なの?」
「どういうこと?」
「さっきのお客さん、この店の評判が良くないって言ってたわ。」
「あ……」
僕は一つ、香に黙っていたことがあった。それは、この店の経営状態がよくないこと。どんなに頑張って花を育てて売っても、父の花に及ばないと何人もの常連客がこの店から去っていった。徐々に客足も遠のいて行き、花もほとんど売れなくなってしまっていたのだ。香に心配をかけまいとしてきたが、それが裏面にでてしまったようだ。
「ごめん!でも、もっと頑張るから。だから、その……」
「いいよ。心配かけたくなかったんでしょ?でも、これからは相談してよね。後、これからは研究にまた専念して。咲楽の面倒も、家事も私がやるから。」
「ごめん……」
「謝らないでよ。私だって、さっきの客に色々言われて嫌だったの。悔しかったの。守はこんなにも頑張ってるのに、誰も認めてはくれない。結果がすべてなんて理不尽だわ。」
「でも、父さんの花がすごかったのは確かなんだ。仕方ないさ……」
早く何とかしなければと思った。早く父のような花を……。
香が復帰したことで、研究に没頭する時間も増えた。しかし、より良い解決策は見つからず客は遠のいていく一方だった。
「なんで……!」
苦しくて悔しかった。
「何が、何が足りないっていうんだ……!」
僕は何も見えない暗闇の中に居る気分だった。
「どうして……あれ?」
僕の目の前は本当に真っ暗になった。
気が付くとベッドの上に居た。研究の最中、倒れてしまったらしい。頭もひどく痛い。
「気が付いてよかった……!調子はどう?」
「う……あまり……。ごめん。心配かけて……」
「いいよ。少し休んだ方がいいわ。」
「ごめん……」
この日以来、僕は謎の頭痛に襲われ、起きあがることも困難になってしまった。医者に診てもらったが、疲労によるものだとしか言われなかった。僕は、店も満足に継げないどころか、香のお荷物になってしまったのだ。
「はあ……」
大きなため息をつく。こんな体になってしまってからというもの、研究も、何もかもできていない。このままでは、店は潰れ、家族を養うことは叶わなくなってしまう。心が慌てる。それなのに体は動かない。
「くそ……」
無理してでも起きあがろうとすると、
「あれ?」
視界が歪みだし、ベッドに倒れ込んだ。再び僕は眠りについてしまった。
「あれ……?」
気が付くと、倒れ込んだはずのベッドの上ではなく、見たこともない洋館の中に倒れていた。
「おや?ようやくお目覚めのようだね。」
声のする方を見ると、カウンター越しに黒いフリルの衣装を身に纏った少女が優雅に座っていた。
「えっと?」
「そんな地面に座っていないで、こちらの椅子にかけたまえ。」
少女が指さしたのは、カウンターを挟んで少女の正面になる位置に置かれた椅子だった。
「では、失礼します。」
言われた通りに座ると、
「ようこそ。伝承者の館へ。私は伝承者、葉月史乃。君が選ばれし者、華宮守だね?」
「どうして僕の名前を?」
「それは私が伝承者だからだよ。」
葉月史乃と名乗る少女は、不敵な笑みを浮かべながら頬杖をついた。どうやらこれ以上疑問に答えてはくれないのだろうと直感的に思った。
「あの、僕帰らないと……」
「まあ待ちたまえ。初めにも言ったが、君は選ばれし者。伝承を伝える力を持っているのだ。つまり、伝える義務がある。」
「だけど、僕は何も知らないです。伝える力っていうのも、この場所のことも何も……」
「なら、君のためにお茶と菓子を用意したのだ。これらがなくなるまでの間私の話を聞いていきたまえ。」
「は、はあ。」
目の前には紅茶とフィナンシュが二つ可愛い皿に乗っていた。
「いただきます。」
フィナンシュを頬張る。その時ふと思った。あんなに酷かった頭痛は今は嘘のようになかった。
「君は花屋を経営しているみたいだけれど、あまり経営が芳しくないようだね?」
「……っ!げほっ!」
一番言われたくない事を言われついむせてしまった。
「おや?大丈夫かい?」
「え、ええ……。でもどうして……?」
「伝承者である私が、選ばれし者のことを知っているのは当然のこと。それでなんだが、君の店を劇的に繁栄させる方法があると言ったらどうする?」
ニヤリと葉月史乃は笑った。悪だくみをしていそうな顔だった。
「そ、そんな方法、あるわけではない!あるならとっくに……!」
「決めつけるのは早いだろう。まあこれを見たまえ。」
葉月史乃は机の上に白くて丸い粒が入った袋を出してきた。
「これは……?」
「君の父親が使っていた花の肥料だ。」
「な……!」
なぜここにあるのか、これが果たして本物なのか。事実は不確かだが、今の僕には喉から手が出るほど欲しいものだった。
「あ、あの……」
「譲ってほしいのだろう?別に構わないが、これは人骨でできた人骨肥料だぞ?」
「え……」
人骨……。父がそんなものを使って肥料を?そんな……。
「君の家は、代々花屋を営んでいるね。そしてどの代もとてもいい花を育てていた。しかしそれは、先代が作ったこの人骨肥料によるものだったんだよ。」
「そ、そんな……」
「人骨肥料は君の先祖が生み出した肥料でね。いい花を育てるためにどうしたらいいか悩んだ君の先祖は骨壺に入りきらない人骨に目をつけた。何故かは知らない。しかしこれが上手くいき、花はどの花屋よりも美しく可憐に咲き誇った。自身の花屋を途絶えさせないように、君の先祖は人骨肥料のレシピを残した。これにより、君の花屋は現在まで人気の花屋でいられたのだよ。」
「で、でも!父はそんなこと教えてくれなかった!早く亡くなったとはいえ、レシピくらいは僕に教えられたはずだ!なのに……」
悔しかった。そんな秘伝の物があるのなら早く教えてほしかった。確かに人骨を使うなど恐ろしいことだが、それで店を守ってきたのなら自分も迷うことなくそうするだろう。それなのに……。
「人骨肥料のレシピはここにある。君の父親に託されたからね。」
「どうして僕じゃなくて……」
「君の父親は、人骨肥料を君に使ってほしくなかったんだよ。」
「それじゃあ!店を潰せってこと?!」
「いいや。人骨肥料を使わなくてもいい方法を彼は探していた。そしてそれを教えようと必死だった。だが、彼が完成させた代物は完成と同時に彼自身の命を奪ってしまった。」
「それって……」
「君の父親は、君が人骨肥料を使用せずに花屋を経営できるよう努力し、その結果亡くなってしまったのだ。」
「……っ!」
思わず言葉を失った。父は僕のために死んだも同然だ。命を奪ったのは神じゃなかった。
「華宮守。」
混乱している最中、突然名前を呼ばれ、ビクッと体を振るわせる。
「君は選ばなければならない。この人骨肥料のレシピを継承し店を続けるか、使わない方法を探すのか。君はどちらを選ぶのかね?」
「僕は……」
今までの苦労を考えると、このレシピをもらうのが最善だ。だが、父の想いを無駄にはしたくない。父が生涯をかけてレシピを使わない方法を探したというのなら僕もそうしたいと思った。
「僕は、レシピを使いません。それは破棄してください。」
「いいのかい?これがあれば、今の状況から打破できるというのに?」
「はい。父がそれを僕に託さなかったのなら、それを使うことは正解ではないのでしょう。それに、命をかけてまでこのレシピを継がせなかったんだから、僕もその想いに答えたい。だから、破棄してください。」
僕に迷いはなかった。恐らく、ここから戻ったらまた研究の日々が始まる。出口の見えない地獄の日々が。だが、それでもいいと思った。
「君の決意、しっかり受け取ったよ。では、これは破棄する。だが代わりにこれを。」
葉月史乃は人骨肥料とレシピを下げると、代わりに小さな箱を出してきた。蓋を開けると、そこにはピンク色の液体で満たされたアンプルが入っていた。
「これは……?」
「君の父親が残した、最期の肥料だ。」
「それってまさか、父さんが命と引き換えに作ったって言ったのは……」
「そう。それがこの最期の肥料だ。これは、人骨を使わずに作られた究極の肥料だ。これを使った土は永久に良好な状態を保ち、最高の花を咲かせると言われている。だが、このレシピは存在しない。君の父親がどうやって作ったのかも原材料も不明だ。」
「父さん……」
「君の父親は君のことが本当に大切だったようだね。そして君も、父親のことが大切だったんだね。」
「うう……」
アンプルを抱きしめ、思わず泣いてしまった。
「華宮守よ。これが君の父親が伝えたかった伝承だ。多くの者に伝える伝承がほとんどだが、今回は君の父親が息子のためだけに残した伝承のようだ。さて、君の役目も終わったし、そろそろ帰らなければ君の大切な人達が心配するだろう。」
「ありがとう……ございました。」
「礼には及ばない。ではな。」
僕はその瞬間意識を失った。
―コンコン。
「う……。あれ……?」
ノックの音で目が覚めると、自分の部屋にいた。さっきまで不思議な所にいたような……?
「入るわよ?あれ?起きて大丈夫なの?」
「え?ああ……」
いつもは頭痛で起きあがることもできないが、なぜか体が軽かった。
「あ、そうだわ。ねえ、お父さんのお仏壇に、こんなのが置いてあったんだけど……?」
香はピンク色の液体で満たされたアンプルを見せてそう言った。
「それは……」
さっきまでそれについて誰かと話していたような……?
「守?」
「あ、ああ。ええと……」
分からない。だけど、それが何なのかは分かる。
「それ、父さんの遺品なんだ。土の肥料でさ。研究に行き詰まったら仏壇に行けって言われてたのすっかり忘れてたよ。」
「でも、前まではなかった気がするけど……?」
「きっと父さんが届けてくれたんだよ。たぶんね……」
「守……」
「僕、今から仕事するよ。」
「ええ?!ちょ、大丈夫なの?!」
「うん。ああ、それ貸して。」
「はい……」
体が軽い。今までのが嘘のようだ。もう僕は暗闇の中にはいない。だって、そこにはもう光が差しているのだから。
父の残した肥料を使って育てた花たちは、今までとは比べものにならないくらい綺麗に育った。店の客足も増えつつあった。もう誰も、父の花と比べる人はいなかった。
「パパー。」
咲楽も今年で3歳になった。僕は今、幸せいっぱいだ。
「パパ。咲楽、大きくなったらパパのお花屋やりたい!」
「そうか!なら、咲楽が大きくなるまでお父さんも頑張らないとな!手伝ってくれるか?」
「うん!」
そう言って僕は咲楽の頭を撫でた。