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93 盗賊団の討伐3

「お前たちの頭は倒した!まだ抵抗するか!」


 親玉が倒されたことと、その時に炸裂したエリィの魔法を見て残りの盗賊たちの戦意はなくなっていた。

 生き残っていたものも武器を捨てて投降している。


「よくやってくれた!洞窟が崩れないかとひやひやしたが大丈夫みたいだしな。凄い魔法だった。」

「パーティーでの勝利ですよ。これで大体片付いたみたいですね。」

「そうだな。残った盗賊も捕縛できたし言うことなしだ。後は奥で囚われている人がいないかを確認して、いるようだったら保護しないとな。」

「そうですね。」


 奥からは囚われていた男女五人が見つかった。

 衰弱しているようだが、命に別状はなさそうだとのこと。

 その間に死体をまとめて焼いて処分する。

 次は溜め込んだお宝を回収させてもらおう。


「何かあるかな?」

「どうだろうな、これだけの人数を食わせてたんだからあまり残ってなくてもおかしくはないが。」

「お金にある程度執着のありそうな人だったから多少はあるんじゃないかしら。」

「あれだけの実力があれば普通にハンターをやってればお金に困ることはなさそうだったのにね。」

「きっとそれ以外が欲しかったのよ。結局は身を滅ぼすことになったけどね。」


 一つ一つ確認していくと武器の置かれた場所と金目のものが置かれた場所が発見された。

 リーダーのパーティーが魔法のバッグを持ってるらしいのでまとめて持って行ってもらう。

 後で山分けだ。


「王都周辺で活動してたからか、思ったよりも溜め込んでたな。」

「リスクが多い分、得るものも多かったみたいね。」


 後片付けを大体終えて集合する。


「みんなよくやってくれた!残りの盗賊もいないしこうして捕らえることも出来た。この上ない戦果だ!ここでやることはもうない。後は戻って依頼を完了するだけだ!さぁ戻るぞ!」

「「「「「おう!!!!」」」」」


 行きに比べて囚われてた人もいるし、捕らえた盗賊もいる。

 移動する速度はゆっくりになったが、早めに出たからなんとか日が暮れる前に王都に到着することができた。

 盗賊の身柄を衛兵さんに渡してお金を受け取る。

 山分けするお金が増えて嬉しい限りだ。

 囚われていた人の面倒も見てくれるらしいのでよろしくお願いしてからギルドに向かう。

 戦利品はまとめて売り払われてそこからパーティーごとに山分けとなった。

 俺たちは人数が少ないので多少少なくても問題ないと思ってたが、親玉を倒したこともあってか特に不満も出ないでもらうことができた。

 リーダーは親玉が知ってるハンターだったみたいだからまだ話しているが、これで今回の盗賊討伐は終了だ。


「無事に終わってよかったな。」

「これであっちの街道も安全になると思うよ。」

「そうだな。当分盗賊は出ないだろうし。にしてもハンター崩れの盗賊ってのも厄介だったな。」

「最低限戦う術は知ってる人が多いからね。今回はEランクのハンターだったし、特に厄介だったと思うよ。」

「Eランクのパーティーが丸ごと盗賊になってなくて良かったわね。パーティー単位で盗賊になってたらまた面倒なことになってたと思うわよ。」

「俺じゃ一対一で勝てそうになかったからな。確かにあいつが一人だけだったことは運がよかった。」


 恵まれた体格で振り回すバトルアックスは強烈だった。

 盾もこの盾じゃなかったらまとめて真っ二つにされそうな勢いがあったからな。

 でも打ち合えないことは無かった。

 少しの時間で二対一だったけど、相手の攻撃をいなすことはできたからそこは収穫だったな。


「まともなパーティーだったらついていかないからね。Eランクまで来れれば十分暮らしていけるから。」

「確かに暮らしていくには十分な金が手に入ってるよな。」


 手元にある金額を思い出す。

 正直しばらく稼ぐ必要はないほど貯まってる。

 EランクでこれならCランクになったらどうなるんだろうか。


「私たちはちょっと特殊な例ね。運がよかったのもあってランクに見合ってないくらい手に入ったわ。その分厳しい時もあったけど。」

「ワイバーンとかいい稼ぎになったけど死ぬかと思ったからな。」

「良くも悪くも戦いに特化してるんだよね。だからワイバーンの時も新しいダンジョンの時もなんとかなったんだよ。」


 それは俺も感じてる。

 俺はそこまで力があるわけではないが、キリとエリィは完全に戦いに特化されている。

 だから助かってる場面も多いし、俺はそれでもいいと思っているけど。


「普通ならワイバーンには呼ばれないわ。状況が状況だったっていうのもあるけどね。」

「逆に今回のように夜襲を仕掛けるってなった場合に、できることがほとんどなくなるのが欠点だよね。結果としては十分な戦力になれたと思うけど。」

「そこはもう仕方ないって思ってる。なるべく俺が盗賊の代わりをできるようにするさ。」


 ないものねだりをしても仕方ない。

 だから俺はマスターのところで罠の見つけ方とかを教えてもらってるんだからな。

 それにしても俺たちは特殊な例になるのか。

 確かにこの間のピピンさんの依頼の遺跡調査なんて美味しかったからな。

 運がいいのも頷ける。

 でも単純に運がよかったのってそれくらいじゃないか?

 ワイバーンはランクに合わないのを受けさせられて運が悪かったって思ってるし、結果は良かったけど。

 新しいダンジョンだって一歩間違えたら危なかったもんな。

 他は地道に稼いだものばっかりだと思う。

 結果何とかなってるんだからいいんだけどさ。


「後は依頼を受けるペースが早いっていうのもあるかもしれないわね。」

「ん?早いのか?」

「大分早いね。大抵一つの依頼が終わったらしばらく休みにするところが多いよ。でも私たちは長期の依頼でもない限り長めの休みは取らないし、取っても短いほうだと思う。」

「確かに、言われてみるとそうかもしれないな。」


 休んでもすることがあんまりないんだよな。

 せいぜいコーヒーを飲みに行ってマスターに教えを乞うくらいか。


「これは珍しいのよ。」

「そうなのか。特にやることもないから依頼でもするかって感じになってるんだよな。もう少し休みを多くした方がいいか?」

「慣れたわ。休みが欲しかったら言うから大丈夫よ。」

「私も大丈夫。時々美味しいお肉が食べられるのも嬉しいし。」


 うーん。気を使わせてるんだったら申し訳ないな。

 もう少しこっちでもできる趣味でも探してみるか?

 いや、趣味を探すくらいなら実戦で役に立つことを学びたいな。

 でもそうすると休みじゃない気もするし。

 休むってことも大事なんだよな、もう少しその辺をしっかり考えてみる必要があるかもしれない。

 悩ましいもんだ。


「気にしなくて大丈夫だよ?」

「うーん・・・。無理しても仕方ないから休みたいときはちゃんと言ってくれ。そうすれば休みは取るよ。」

「それでいいと思うよ。それにこのペースならランクを上げるのも早そうだしね。」

「まだDランクは怖いなぁ。」

「まだしばらくはならないと思うから大丈夫よ。その間に力もつけないとね。」

「そうだよね。戦って強くならないとこの先厳しいもんね。」

「ガルタイガーもDランクよ。あれを倒せるくらいにはなっておきたいわね。」

「そう考えるとやっぱりまだ早いな。しっかり力をつけないと。」


 ランクだけ先走っても死ぬだけだ。

 実力を伴わせないとな。

 もう少しEランクの中でも強敵と戦っていく方がいいかもしれない。

 戦闘の経験にもなるだろうし、強くなれるだろう。

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