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66 出来立てのダンジョン探索7

「「ジュン!!」」


 毒が回る前に解毒薬を飲もうとするが、うまく体が動かせない。

 近くに来たエリィに飲ませてもらう。

 キリには回復魔法をかけてもらってる。

 こういう時には心強い。


「ジュン。無茶したわね。」

「防御を間違えたからな。とっさの判断だった。」

「そのおかげで倒せたけど、一つ間違えたらジュンも危なかったんだからね。」

「わかってる。俺だって好きでこんなことをしたわけじゃないさ。」


 あんなでかい蛇に好き好んで噛まれたいと思うものは少数だろう。

 俺はそんな趣味は無い。

 回復魔法で傷口は治ったが、毒の影響かまだ少しふらふらする。


「ジュン、毒が抜けきるまで少し休もう。」

「そうね。スークィールは一匹だけだったみたいだし、慌てることは無いわ。」

「少しふらふらするから言うとおりにさせてもらうよ。」


 その言葉に甘えて少し横になる。

 解毒薬を買ってきて良かったな、なかったらシャレにならないことになっていた。

 噛まれてすぐに動けなくなるってわけじゃなかったけど、それでもある程度は強力な毒だったんだろうな。

 解体は二人に任せて体を休める。

 どうやら素材は牙と皮、後は肉が食べられるらしい。

 肉は見た感じオークとは違った感じだから食べてみるのが楽しみだ。


「終わったわ。体はどうかしら?」

「あぁ、多分大丈夫だ。」

「それならよかったわ。素材は割と手に入ったわね。」

「うん。お肉も美味しそうだよ。さっぱりしてそうだしジュンと姉さんにはいいんじゃないかな。」

「そうだな。飽きないように交互に食べていこう。」

「ジュンも回復したしさっきの場所が気になるけどどうしようかしら。」

「何匹もいるとは思えないんだけどな。いたら同時に襲ってきてもよさそうだし。」

「そうだね。少なくともさっきよりは安全だと思う。」

「ここで引くのも悔しいし、気を付けてもう一度行ってみよう。」

「わかったわ。今度は頭上にも気を付けるわよ。」


 同じ轍を踏みたくはないからな。

 木の上や後ろ側に木を配って再び岩に近づいていく。

 今度は頭上にスークィールが現れることもない。

 十分に警戒しながら付近を探索する。


「あったわよ!」


 エリィが宝箱を見つけたようだ。


「やっぱり岩の隙間に埋まってたわ。いかにも怪しい場所だったからあってよかったわ。」

「さっきのスークィールはさしずめ宝箱の門番みたいなもんか。」

「そうだったのかも。倒したんだからもらっても問題ないよね。」

「だな。後は中身が何かだが。」

「ちょっとまって、罠が仕掛けられていて難しそうよ。少し時間を頂戴。」

「ならとりあえず沼地から出るか。」

「そうだね。靴も洗いたいし。」


 沼地から出てシロに水を出してもらい靴を洗う。

 濡れていて気持ちのいいものではないが泥まみれよりはいくらかマシになっただろう。

 後は乾いてくれるのを待つ。

 シロの魔力も上がっているようで、最近は水に関しては使い放題だ。

 攻撃などには使ってないからかもしれないが。

 野宿するときなんかシロのおかげで助かっている部分は大きい。


「なかなか開かないわ。」

「珍しいな、勉強がてらちょっと見せてくれ。」

「いいわよ。でも変に触らないでね、罠が発動するかもしれないわ。」

「わかった。」


 鍵穴から中を見る。複雑にワイヤーが絡み合っていて俺にはどこをどうすればいいのかさっぱりわからない。


「正直俺にはさっぱりだ。」

「私もあと少しってところまでは行くんだけど、そこからがうまくいかないのよね。」

「まぁ、少しくらい時間がかかってもいいさ。頼んだ。」

「ええ。」


 俺とキリはそれぞれ空いた時間に武器の手入れをする。

 エリィは特に手入れが必要なものではないから、いまするには丁度いい作業だろう。

 しばらくして、手入れも終わったとき。


「開いたわ!」


 宝箱が開いたらしい。

 何が出たのか気になるから見に行く。


「何が出た?」

「これは腕輪ね。おそらくマジックアイテムだと思うわ。」


 マジックアイテム!

 ようやく初めてのマジックアイテムが出た。

 その効果は分からないがスタッカルドに戻ってから調べてもらえばいいだろう。

 これだよ、こういうのが欲しかったんだ。

 ダンジョンに潜ったかいがあったというものだ。


「嬉しそうだね。」

「そりゃな。ようやくのマジックアイテムだからな。」

「後は鑑定の結果次第ね。私たちに使えるものだといいんだけど。」

「大丈夫だろ。何かをパワーアップするならつけておくだけでも違うはずだし。」

「パワーアップとは限らないわよ?」

「え?」

「色々なマジックアイテムがあるからね。プラス効果とマイナス効果があってマイナス効果の方が大きいってこともあるから。」

「マジか。」


 そんなに都合のいいものではなかったか。

 でも結果が出てないのに悲観することは無い。

 前向きに行こう。


「さ、宝箱も開け終わったし進むわよ。」

「そうだな。まだ階段が見つかってないからな。」


 そろそろ敵も強くなってきたし撤退も視野に入れ始めてもいいかもしれないな。

 俺以外はまだ無傷だけど。

 それでも少しづつ敵は強くなってきている。

 頭の片隅には入れておこう。


「にしても沼地にはあまり近づきたくはないな。思わぬ強敵だったし。」

「途中まではうまく防いでいたじゃない。」

「なんとかな。せめて毒が無ければ練習相手にしてもよかったかもしれないけど。」

「毒は厄介よね。まだ解毒薬はあるけど、これから先にも毒持ちがいるかもしれないから温存しておきたいわ。」

「だから沼地の探索は戻るときに余裕があったらにしよう。今は先に進むことに専念するべきだと思う。」

「わかったわ。」


 俺としても宝箱を探せないのは痛いが、この階層はちょっとリスクが高い気がする。

 足場がしっかりしていないのと、それをものともしない魔物との取り合わせがいやらしいな。

 これからもそんなのが増えてくるんだろうけど。


「行くか。靴は、多少はマシになったか。」

「まだちょっと気持ち悪いけどね。」

「それは仕方ない。泥だらけじゃなくなっただけでも良しとしよう。」

「そうだね。っと、オーク二匹だよ。」

「わかった。俺とキリで一匹ずつだ。」


 相変わらずこの階層のオークはこん棒を持っているな。

 地上のオークは素手だったんだが、ダンジョンならではってやつか。

 素早く距離を詰めて首を狙う。

 さすがに一撃で首を落とさせてはくれないみたいで、こん棒で防がれた。

 こいつらもなかなかいい練習相手になるんだよな。

 攻撃をいなしながらなるべく早めのカウンターの練習台になってもらうか。

 想像するのはさっき戦ったスークィール。

 攻撃の速さは比べ物にならないが、攻撃を防いだ後に剣を振るう速度を上げる練習にはなるだろう。

 なにせさっきの一戦は俺は一撃も攻撃に移れなかったんだから。

 オークがこん棒を振り下ろす。それを受け流したと同時に浅く剣を振るう。

 ダメージは少ないが、今までより素早く反応することを心掛ける。

 オークの攻撃に受け流しながら剣を振るうことしばらく、オークがこん棒を投げつけて逃げ去っていった。


「あれ?」

「あぁ、お肉が。」

「多分遊ばれてると思ったんでしょうね。嫌になって逃げたのよ。」

「いや、俺は練習をしてたんだけどな。」

「相手にとっては変わらないわ。命のやり取りの中で手加減されているようなものだもの。」

「それもそうか。悪いことをした・・・のか?」

「別にいいと思うよ。向こうも逃げることができたんだし。」

「それもそうか。肉に関しては悪かったな。」

「スークィールのお肉もあるから、どのみちそんなに持って行けなかったと思うし大丈夫だよ。」


 それもそうか。そもそも肉ばっかり持ってても仕方ないしな。

 素材も多少はたまってきたな。

 肉は消費するとして、進めて後三階が限界だろう。

 その後も歩いて、沼地が暗闇に覆われる前に次への階段を見つけることができた。

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