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24 ダンジョンに行こう

「私たちはダンジョンに行くべきだと思うのよ。」

「どうした?急に。」

「思ったのよ。そろそろ簡単なダンジョンになら挑戦すべき時期がきたんじゃないかって。」

「でもダンジョンだとエリィは不向きだろ?」

「確かに不向きだわ。でもただの洞窟に比べて比較にならないほど頑丈だから魔法は使いやすいのよ。」

「そうなのか?」

「うん。なんでかはわからないけどダンジョンは壁や床が以上に固いんだ。だからみんなどんどん魔法を使ってるよ。」

「なるほどね。それで俺たちにも挑戦できそうなダンジョンに心当たりがあるということか。」

「えぇ。王都ヘルムガットとの間に初級のダンジョンがあるの。そこにいくのはどうかしら。」


 ダンジョンね。確かに今まで行ってないし、装備も全部受け取った、今ならタイミングとしてもばっちりだ。

 タイトビートルの鎧と剣でパーティーっぽくなっているし。見た目の割に重くない。

 軽装の類ではあるが今までに比べれば守りも心強い。

 新装備を試すにもいいかもしれない。

 閉所での戦いにもう少し慣れておきたいってのもあるし、何より壁や床が固いってのがいい。

 ハンターをするならダンジョンは基本になるだろう。主に俺のイメージ的にだが。

 さらに、ダンジョンの宝箱からはマジックアイテムが出ることもある。

 行くしかない気がしてきた。


「そうだな、俺はいいと思う。」

「私も姉さんに賛成かな。」

「それじゃあ決まりね。道具を整えてダンジョンに向かいましょう。」

「「おー。」」


 ダンジョンはスタッカルドから徒歩で三日かかるらしい。

 意外と遠出だ。

 どうやらダンジョン内は、基本的に天井が光源になっているらしく暗くはないそうだ。

 ただ、草原型などの場合は外と同じく空があり、昼も夜もあるらしい。

 うーん、ファンタジー。

 階層によって違うらしいので一応松明を持っていく。


「結局持ち物はいつもと同じだな。」

「特殊な魔物を討伐するとかじゃなければそんなもんだよ。」

「いつもより量が多いくらいか。」

「何日かかるかわからないから仕方ないわよ。それにシロちゃんのおかげで飲み水は少ないほうよ。」

「それもそうか、ありがとなシロ。」

「シャー。」


 宿のランゲさんにしばらく戻らないことを伝える。


「はー、ついにおまえさんもダンジョンに行けるようになったか。」

「えぇ、薬草取ってばかりのころには考えられませんね。」

「まったくだ。いいな、調子に乗るとすぐに命を落とすところがダンジョンだ、十分に気を付けていけ。そして戻って来いよ。」

「はい、ありがとうございます。」


 ここに泊めてもらえなかったら宿無しだった可能性もある。ランゲさんには感謝しかない。

 なにか恩返しができればいいんだが、この世界のご飯は十分すぎるほどおいしいからな。

 俺はそこまで自炊をしなかったから教えられることもない。また泊まりに来るのが精いっぱいだ。

 エイミちゃんにも挨拶をして宿を後にする。


 スタッカルドを出てしばらく道なりに歩いているとゴブリンと戦っているハンターがいた。

 まだ新人なんだろう、腰が引けてる。

 それでも確実にダメージを与えているし問題はないだろうと優しい目で見守っていたら、俺がキリとエリィに生暖かい目を向けられていた。

 俺もそこまで変わらないか、そうですよね。

 気を取り直して歩く。

 もう少しで日が傾くかというところで戦っている声が聞こえてきた。

 どうやら隊商が襲われているらしい。

 相手は、盗賊か。

 初めての対人だがためらっている場合ではなさそうだ。


「やるか。」

「さすがに見捨てるわけにはいかないよね。」

「外でなら魔法も使っていいし問題ないわ。」


 よし、やるなら不利にならないうちに入ろう。


「手伝います!」

「おぉ!助かる!」


 そこまで不利というわけではなさそうだがこれで負けることは無いと思う。後は俺が対人をこなすことができるかだ。


「くそっ、ひけ!ひけー!」

「あれ?」

「ふぅ、引いたか。ありがとう、助かったよ。」

「え、あ、はい。」


 聞いてみたところどうやら盗賊というのは基本的に武器も防具も貧弱で、数で攻めることを得意としているらしい。

 膠着しているところに、装備の整ったパーティーが参戦してきたから、さっさと引いたんだろうとのことだ。

 装備を新しくしたことがこんなところで役に立つとは。

 それにしても盗賊を見たのは初めてだな、やっぱり人は今まで戦ってた魔物とは違ってやりにくそうだ。


 隊商と護衛のハンターの皆さんとは一晩、再襲撃の警戒を共にして別れた。

 お礼を言ってくれたが結局何もしていなかったからね。


 あれから二日。

 目的のダンジョンに到着した。

 見た目は何の変哲もないただの洞窟だ。

 周囲には簡単なギルドと宿屋、ハンター向けの店と居酒屋が並んでいる。商人はたくましいな。

 ギルドでは基本的に依頼はないが、素材の買取をしてくれるらしい。これは非常に助かる。

 店をのぞいてみたが割高だ。

 それでもほしい人向けなんだろう。


「もうこのままダンジョンに入るのか?」

「入りましょう、特にお店に用事はないわ。」

「必要なものは買ってあるし大丈夫だよ。」

「なら入るか。」


 どうしよう、不安もあるけどワクワクする。

 だってダンジョンだぜ。ゲームでやってたところに実際に入るとなるとテンションが上がる。


「楽しそうだね?」

「ん、初めてだからな。ちょっとだけワクワクしてた。」

「ふふっ、油断だけはしないようにね。」

「あぁ、わかってる。」

「魔物もだけどハンターにも気を付けるのよ?」

「ハンターにも?」

「ハンターになりきっている賊もいるのよ。あまりほかのハンターには近づかないようにするのが鉄則よ。

「なるほどね、わかった、そっちも気を付ける。」


 どこにでもそういうやつはいるんだな。

 それにしても本当に暗くないんだな。明るい洞窟ってのも変な感じだ。

 天井が光源になっているらしいが特別な鉱石なのか?

 持っていったら売れないかな?

 売れないか、そんなことはとっくにだれか試してるだろうし。


「それにしても何もいないな。」

「一階は人の出入りが激しいからね、その分狩られてるんだよ。とりあえず目的地は三階くらいかな?」

「そうね、それくらいは行きましょう。そこからは私たちの力に合わせて階層を変えるのがいいと思うわ。」


 その後何回かほかのパーティーとすれ違った。

 お互い距離をあけるようにしてすれ違うのが一般的なようだ。

 正直敵が出ないから、すれ違う時が一番疲れる。

 そんなことをしていたら二階に下りる階段を見つけた。

 二階も通過地点だ、早めに通り過ぎたいところだ。

 だがそこで初めての敵が現れた。


「ゴブリンだね。」


 本当にこいつらはどこにでもいるんだな。

 さっさと倒す。

 武器が今までより良くなったおかげであっさり倒せた。


「やっぱ武器って大事だな。」

「今までのものに比べるといいものになったもんね。」

「斬ったときの抵抗がない気がする。」

「ジュン自身も強くなったんだよ。最初とは違うよ。」

「そうね、結構戦ってるんだから強くはなっているはずよ。」


 そうか、俺も多少は強くなってるのか。

 あれだけ戦っててゴブリン相手に苦戦はしたくないからな。

 レベルとか見れればいいのにな、わかりにくい。


「強さとかって確認できないのか?」

「確認?たとえば?」

「能力が分かるクリスタルがあったり、神殿で教えてもらえたり。」

「聞いたことないわね。ジュンはどこかでそんな話を聞いたの?」

「あー、いや。あったら便利だなって思っただけ。」

「便利かもしれないけど、他の人に知られるのはちょっと怖いかな。」

「そうね。でもあったら見てみたい気もするわね。」


 どうやらなさそうだな。

 実は眠っている能力が!なんて可能性もこれじゃあわからないな、残念だ。


 さて、魔物が出てきたってことはここからは多少注意をしないとな。

 ゴブリンとはいえ不意打ちを受けたら大けがだ。


「この辺で一休みするわよ。」

「うん。そろそろいい時間だよね。」


 そうか、明るいから気付かなかった。

 夜が来ないから自分たちで休むしかないんだ。


「明日には三階に入るわ。ここでしっかりと休息をとっておくわよ。」

「わかった。」


 三階からは戦闘が増える予定になっている。

 気を引き締めよう。

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