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118 報酬の使い道

 今日は精霊の森の魔物の牙や爪が素材に使えないか、おやっさんに聞いてみるために鍛冶屋に向かっている。

 ついでにエリィの杖についても聞いてみるつもりだ。


「うまいこと素材として使えればいいけどな。そしたら武器を新しくすることも考えられるんだけど。」

「使えそうな気はするんだけどね。詳しくは話を聞いてみないとわからないけど。」

「今まで使ってた剣は売るのかしら?それとも壊れた時のために取っておくの?」

「予備として取っておいてもいいかもしれないな。でも結局使わないで邪魔になるだけなきもするけど。」

「拠点を構えたから少しくらい物を置いても大丈夫だよ。今はほとんど何もない状態だからね。」

「私は今まで使ってた杖は予備として取っておくつもりよ。もし新しい杖が使えなくなっても今まで使ってた杖があればそうは困らないもの。」

「俺も一応取っておくか。何があるかわからないもんな。」


 部屋に少しくらい物を置きたいと思ってたところだし、丁度いいって考えるか。

 でも部屋に置くものが武器ってのもなんだか物騒だな。

 日本じゃないから仕方ないのかもしれないけど。


「おやっさーん。いるー?」

「ん?どうした、剣のメンテナンスか?」

「いや、ちょっと遠出をしてて素材が手に入ったから、武器に使えるか見てもらおうと思ってさ。」

「ほう。どれ、見せてみろ。」

「これなんだけど、どうかな。」


 牙と爪を見せる。


「フーム。使えそうだな。特に牙はいい素材になる。運がいいぞ、ちょうど魔鉄を入荷したところだったからそれに混ぜればいい武器になる。」

「魔鉄?」

「鉄よりもいい素材だな。もちろんミスリルには及ばないがそれでも多くのハンターが使っている素材だ。」

「それと混ぜるのか。どんな剣になるのか楽しみだな。」

「作るってことでいいのか?」

「頼むよ。」

「長さはどうする、以前試しに振ってみた時は十センチ伸ばすようなことを言っていたが。」

「伸ばしてほしい。この長さも使いやすいんだけど、あともう少しってことも多くてさ。十センチ変えてやってみるよ。」

「わかった。それなら伸ばして作ってやる。」

「後、いい木の素材が手に入ったんだけど杖って作れる?」

「作れるぞ。見せてみろ。」


 エリィが魔法のバッグからもらった木の枝を見せる。


「ほう。これはいい素材だな。少し形を整えるだけで杖として十分使っていけるぞ。」

「じゃあこれも頼むよ。」

「わかった。とは言っても杖に関してはほとんどすることがないがな。少し魔鉄で補強しておくくらいか。こんないいものをどこで手に入れたんだ?」

「精霊の森でちょっとね。」

「また少し遠いところへ行ってきたんだな。あそこの森は広いからこんなものがあっても不思議じゃないか。」

「運がよかったんだろうな。これからマーリンさんのお店に行って手に入れた薬草類も売るつもりだよ。」

「そうか。あそこは薬草の宝庫だからいい値段が付くといいな。」


 その後少し雑談をしておやっさんの店を出た。

 次はマーリンさんのお店だ。


「いらっしゃーい。あら、久しぶりね。」

「お久しぶりです。今日は薬草類を買い取ってもらえないかと思ってきました。」

「そうなの?じゃあ見せてね。」

「エリィ頼む。」


 エリィが魔法のバッグから薬草類を出す。

 とりあえず三分の一くらい出して様子を見ようという話になっている。


「あら、もしかして精霊の森に行ってきたのかしら?」

「そうだよ。マーリンさんのところなら必要なものもあるかなって思って持ってきたんだけどどう?」

「必要なものだけでも買い取ってもらえると嬉しいわ。」

「どれも珍しいものばかりね。結構奥まで行ってきたんじゃないの?」

「少し迷っちゃいまして、気が付いたら森の奥の方に行ってたみたいです。無事戻れて良かったですよ。」

「そうなの、気を付けなくちゃダメよ。もちろん全て買い取らせてもらうわ。手に入れる機会があまりないものもあるから助かるわ。」

「もう少しあるけどまだ買い取ってくれる?」

「まだあるのは嬉しいけどお金のことを考えるとこれくらいにさせてもらおうかしら。本当はあるだけ買い取りたいんだけどね。」

「無理はしないでね。残ったのはギルドに買い取ってもらうから。」

「わかったわ。今お金を用意するから待っててね。」


 かなりの大金になった。

 珍しい薬草は凄い値段で取引されているらしい。

 マーリンさんのお店を出てギルドに向かう。


「思ってたよりもお金になったわね。びっくりしたわ。」

「私もだよ。マーリンさんが少しサービスしてくれたかもしれないけど、それでも多いよね。」

「長期の依頼だったけど報酬も大きかったわね。」

「まだあるし、他にも加護をもらったり杖の素材をもらったりしたもんね。」

「しばらく留守にした甲斐があったな。」

「これもシロのおかげだね。ありがとう、シロ。」

「シャー。」


 シロはキリのほっぺをペロペロしてる。

 なごむ景色だ。

 本当にシロがいなかったらどうにもならなかっただろうし、そもそもルルに声を掛けられることもなかっただろうな。

 今回はお手柄だった。

 シロとキリが戯れているのを見ながらギルドに入る。


「「エスプレッソ」の皆さん、ご無事でしたか。」

「ソアラさんお久しぶりです。」

「ずっと顔を出されていなかったので何かあったのかと思いましたよ。」

「すみません、ちょっと野暮用でしばらく留守にしてました。」

「野暮用ですか。変な依頼に巻き込まれないように注意してくださいね。」

「あははは。わかってますよ。」


 実際に巻き込まれた後だから、乾いた笑いしか出てこない。

 でも無事に戻ってこれたんだから上出来だろう。


「えっと、薬草類の買取をお願いしたいんですけど。」

「薬草類ですか。わかりました、私が受け取らせていただきます。こちらへどうぞ。」

「お願いします。エリィ。」

「わかってるわ。全部出すわね。」


 カウンターに薬草類を積んでいく。最初は珍しい薬草に喜んでいたソアラさんだが、だんだんとその量に落ち着きが無くなっていく。


「こ、これはまた珍しい薬草を随分と取ってきましたね。」

「運がよかったみたいでこれだけ取れました。」

「もしかして精霊の森に行ってこられたんですか?」

「わかりますか。」

「これだけの量の珍しい薬草類を見ると考えられるのはそれくらいですからね。」

「ちょっと野暮用で。」

「詳しくは聞きませんけど、本当に気を付けてくださいよ?」

「はい。」

「あ、残りの爪と牙と魔石があったわ。どうするの?」

「あー。すみません。ちょっと珍しい爪と牙と魔石もあるんですけどそれも出して構いませんか?」

「あ、はい。どうぞ。」

「それじゃあ隣に出すわね。」

「?見たことのない爪と牙ですね。」

「私たちもわからないわ。ちょっと変わった魔物だったから。変異種だった可能性もあるわ。」

「変異種ですか。担当のものを呼んできますね。」


 まぁ変異種は流石にわからないだろう。

 別に売らなくてもよかったかもしれないな、薬草だけでも十分な金額になっただろうし。

 ソアラさんは魔物の担当の人を連れてきて話し合っている。


「お待たせしました。これまでにも確認されていない魔物の可能性がありますので少し高めに買い取らせていただきますね。」

「よろしくお願いします。」

「薬草もだいぶありますので合わせますと・・・。今金額をご用意させていただきます。」


 マーリンさんのところに比べると買取価格は少し落ちるが満足のいく値段にはなった。

 ギルドに売ることで貢献したって側面もあるだろうし、これはこれでいいはずだ。

 しばらくは休みにして疲れがたまった体を休めるとしよう。

 十分に休息したらまた依頼を受ければいい、また少し変わったことがあるかもしれないし急ぐことは無いだろう。

中途半端ですがひとまず完結とさせていただきます。

まだミスリルも手に入れてないし、まだ描きたいことが色々あるので第二部として続けていければいいなと思っていますが、時間が取れなくなってきているのでどうなるかわかりません。

第二部、もしくは心機一転で新作を書いたらまた読んでいただけると幸いです。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。

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