第一章 記憶を失くした少女 一
第一章 ―記憶を失くした少女―
『ここは、どこ?』
気が付けば、私は見知らぬ町に一人、ぽつんと居座っていた。
・・・冬なのかな?小さな白い妖精が、灰色の空をふわふわと舞っていた。
身体に吹き付ける風が、ハンパじゃないほど冷たい。
あたりも真っ暗で、人の気配もなし。
・・・真夜中なのかな?
普通に眠り込んでしまったら、そのまま一生目がさめなくなりそうな・・・。
でも、体は暖かかった。
・・・服は、とにかく軽い。
白くて長いカーディガンに、薄く銀がかかったワンピ。
それと、革靴を履いていた。
が、この服装、なんだか鬱陶しい。
「・・・ん?」
首に指輪がぶら下がっていた。
純白のリボンに巻きついていて、首にピッタリとフィットしている。
で、指輪自体は、あまり高価そうでなくて・・・。
どこにでもありそうな普通の銀わっかに、小さな透明の石が、はめ込まれているだけだった。
・・・売っても、そんなにお金になりそうにない・・・。
むしろ、リボンのほうが、数倍高そう・・・。
それぐらい、普通の指輪だった。
ただ・・・・・・。
「おもっっ!」
・・・ただ、重たいことを除いては。
雲の間からわずかにでている月の光が、指輪を鈍く光らせる。
石は、光を反射せず、ただ透き通っていた。
そして、ほんの少しの白光が、私をじっと、睨みつけていた。
まるで、生きているかのように・・・。
「・・・不気味すぎる。」
本当に不気味。。
鳥肌が立つ。
指輪が怖いわけじゃ、無いけれど、気味が悪かった。
怖くないよ・・・・・・うん・・・。
『重いだけじゃ、何にもならないし・・・。
・・・捨てよっかな・・・。』
そう思って、街中を通る川を見つけ、そこに歩み寄る。
そして、リボンを解く為に、首の後ろへ手を回す。
「・・・・・・・・・・・・・・。あれ?」
蝶結びのはずのリボンは、ボンドでくっ付いているように、全く解けなかった。
・・・。ますます不気味だ・・・。
今度は、頭から抜いてみようと思った。
結果は『×』
黒くて長い髪が、邪魔をする。
・・・。
・・・呪いか?これは。
その後、色々な方法で外そうとした。
が、結果は惨敗。
全く歯が立たなかった。
小さな妖精が、冷たい空気を分けて落ちてくる。
記憶がはっきりしない・・・。
雪の降るこの景色が、霞んで見えた。




