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眼が覚めると、そこは・・・異世界でした。
「じゃねーよっ!!」
声に出して突っ込んじゃったじゃねーか!いやいやいやありえないって、まぁ?俺の美しさなら?落ちてもおかしくないよ?けど違うじゃん!もっちっとカッコよく異世界来たかったわ!!なにマンホールって!
「ねぇそこのあなた」
「ないじゃい!!!」
「ひっ」
いきなり声をかけられのでビックリして強めに怒鳴ってしまった。振り返るとそこには可憐な美少・・・男?
「あらやだ私ったら可愛い声だしちゃった」
しかもヒゲ見えるし化粧ひどいしナルシシストの性格入ってるじゃないっすか。オカマだな本物だな。
尻をあげオカマの方に向ける。そう見ればわかるだろうクラウチングスタート。
「こういう時は・・・全力疾走」
生きててオカマに会うことなんて中々ねーよ。運のパラメータとか上がってんの?ステータスどうやって見んの?わかんないことだらけすぎんだろ!
「んん?」
あれはあれは街?あれか、最初の街か!?
何もない一本道を進むだけでスタート地点に着いちゃったよ。
俺の役職なんだろ?勇者だよなやっぱ!主人公だもんな!マンホールからだけど異世界きちゃってるもんな!
攻撃力9999とかそんな補正あんじゃね?
「やっべめっちゃ楽しみなんだけど!!」
そう。俺はその頃浮かれていたんだ。だから重要な自分の病をわすれていた。
ここは異世界。降りかかる厄災そして真夏日のような太陽。日差しが体を蝕んでゆく。
俺は、自宅警備員だったことを。