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ねむり

作者: おすず

 森の中、落ち葉に埋もれて眠りにつきたい。木漏れ日に包まれて風の音に耳を傾ける。

 そうしている内に、ゆっくり、ゆっくりと、身体がドロドロに腐って、土に還ることを楽しみにしていたい。集る虫さえも気にならないような無になりたい。

 森の音だけ聞いて、雨に降られて、全部洗い流すように、融かし消すように終わらせて欲しい。

 死にたいのとは違うのよ。生まれたくなったわけでもなくて。ただもう、自然に還りたい。


 生きているうちに、自分の穢れに気がついて、どんどん生き続けるのが苦しくなってきたの。

 でも、まだ生きていられたわ。


 ねえ、誰かを好きになることのほうが私には辛かったの。

 好きになること、いつか好きじゃなくなること、好きで居続けること、好きを疑うこと、全部、苦しかった。生きていることの良いことも、悪いことも全部、苦しかったの。


 海の中、波に溶けて消えてしまいたい。ずっとずっと、眠っていたい。

 骨さえも残らないように、ドロドロに腐って、自分の身体をついばむ鳥や魚を愛おしく思えるほど、ただ、ずっと循環して、綺麗だとか穢いだとか、そういう次元を超えて、繰り返し眠っていたい。

 読んで頂き、ありがとうございました。

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