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青い春は1085日の幻  作者: 華又葵
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4月1日

春。春といえば桜で、桜といえばピンク色で、ピンク色と言えば出会いというのが恋愛における定石らしい。

確かに桜が舞い散る中で運命の相手に出会うというのは少女漫画なんかでは王道中の王道中であるし、桜の出会いはなんだかロマンチックだ。おれはそんな桜色の出会いが起きないかという淡い期待を抱きながら入学式へ向かっていた。しかし、わかりきっていたことだがこの街は北海道にある。北海道は五月に桜が満開になることが多く、四月の段階だと桜の木のほんとんどはまだ裸でわずかに蕾をつけているだけだ。そんな枯れ木にも見える桜に囲まれたロマンチックとはかけ離れた場所で彼女は一人佇んでいた。くすんだ色の中で彼女だけが鮮やかな色を発していた。こちらの意識を飲みこむような光景に思わず足を止めてしまった。彼女はおれがいることに気がつくとこっちに向けて快晴のようなからっとした笑顔をこちらに向けた。今思い返すと彼女の名前に相応しい笑顔だった。

おれは4月1日、初めて空に出会った。

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