序 章
男に問う、生とは何か?
男は言う、生とは示す事である。
男に問う、死とは何か?
男は言う、死とは満ちる事である。
女に問う、生とは何か?
女は言う、生とは苦しむ事である。
女に問う、死とは何か?
女は言う、死とは失う事である。
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冬の夜。
暗く厚い雲に蓋われた空。
地上を満たす黒に、一つの街灯が照らすのは、降りる綿雪、屍二つと人独り。
男は想念、未だ満たされていない。
女は想念、未だ失われていない。
「――そうか」
人は微笑。
「……その想念、果たすと良い――」
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燃えている。世界が燃えている。
再誕した憤怒は、内から溢れ出る炎で世界を灰燼に変えて行く。
「――兄さん。安心して……。今度は、私が光になる。兄さんを虐げるモノ全て、ガルダの炎で焼却する」
その宣言を受ける少年は、天に輝く蓋炎に――。
「――ガルダ。……俺は、お前を倒しに来た」
――決裂を宣告する。
粗筋(プロット)は出来ています。