2:淫魔、奉仕す その5
放課後、教室に戻って来たアンザークはエロイーズを仲間たちに紹介した。
「今日から一緒の……ええっと、ああそうだ、友だちになる」
「……エロイーズや。よろしゅうに」
エロイーズはみんなに手を差し出した。
「よ、よろしく」
グラッドは真っ赤になって手を握った。フランツも頬を染めている。
「なんや、可愛い男の子がいるやん」
フランツを見ながら舌なめずりをするエロイーズ。
「こいつらには手を出すなよ」
「ええ~、そんなん生殺しやんか……。なんでこないなことに……」
ぼやくエロイーズの目がキラリと光ってアンザークを見た。
「なになに? アンザークにナンパされたん?」
アーニャが目を輝かせてエロイーズに迫る。
「ナンパっちゅうか、オドシっちゅうか……」
「なんか弱み握られた? アンザーク、お主もワルよのぅ」
「ただの知り合いだ」
「知り合い? でも、エロイーズって商家のお嬢様じゃなかったの?」とジークリット。さすがに生徒会長は生徒の情報も把握している。
「あ! わかった! 道ならぬ恋だね。不良にウチの娘はやれん的な」
「どうしてそうなるわけ? アンザークの知り合いならいいけど、おかしなことはしてないよね?」
ジークリットがアンザークに詰め寄る。
「いいじゃねーか、なんだって。友だちになろうっていうんなら断っちゃいけない」
しかつめらしく言うグラッド。
「自分の欲望が透けて見えてるよ、グラッド」
フランツが冷静に突っ込むと、グラッドの顔がさらに真っ赤になった。
まあ、これで貴族の男どもが邪魔することはないだろう。
アンザークは自分の思いつきに満足してうなずいたのだった。




