第五話 二つの暗雲
昭和十七年十二月。
肇から身体を借りた了は、霞ケ浦のほとりに設けた実験場にいた。沖合百メートルに建てた櫓からは、直径三メートルほどの鉄球が下がっている。
了は秋津技師長とその部下である研究員数名と共に、土嚢を積んだ掩体壕に入り、双眼鏡で周囲を確認していた。
「人影はないようですね。やりましょう」
了の声に、研究員の一人がカメラを回し始めた。そして全員が壕に身を隠すと、もう一人が起爆装置のハンドルに手をかけ言った。
「三、二、一、爆縮!」
ハンドルを押し込むと、彼方でズンという重い爆音がし、壕の上をザッと衝撃波が走り抜けた。しばらくの間、破片の飛来が無いか確認した後、了は壕の上から首を出し、双眼鏡で鉄球の様子を確認した。
「櫓ごと消し飛んでますね」
問題は、球体の中身だった。早速、ボートを出して櫓のあった場所へ向かう。もう何度か口にしたセリフが、ほとんど無自覚に了の口から洩れる。
「爆縮が完全に成功すれば、球体の芯の部分は真下に落下するはずです。逆に言うと、離れた場所に弾け飛んでいれば、爆縮のタイミングがずれたということになります」
了の言葉通り、遠浅の湖底を研究員らが金属探知機で探り、網ですくい、芯の部分を探す。やがて声が上がった。
「ありました!」
泥まみれの小ぶりなスイカくらいの球体が、網を破らんばかりに張らせてすくいあげられた。
その表面は多少の歪みはあったものの、ほぼ完全な球体となっていた。ずっしりと重い球体を手に取り、了は言った。
「切断して断面を見ないといけませんが、恐らく成功です」
「やりましたね」
秋津技師長が了の肩を叩いた。
「はい、思いのほか早くここまで来れました。皆さんのおかげです」
了の言葉に、研究員から拍手が起こった。
原子爆弾の最大の技術課題である、爆縮レンズが完成した。実物の原爆は、プルトニウムで作られた芯となる球体を、成形炸薬で球状に覆う事になるが、この実験では比重がほとんど同じ劣化ウランを使っている。劣化ウランは核燃料になるウラン235を取り出した残りで、核分裂を起こさないため実験には適していた。原子炉零号機の種火燃料を生成した時の副産物である。
爆縮レンズは、その成形炸薬の爆発による衝撃波が、芯となるプルトニウム球に均等に当たるようにする仕組みだ。爆発によって圧縮するため、爆縮と呼ばれる。その設計には膨大な計算が必要だが、了の時代には概略は公開されており、それをもとに大野太が詳細な計算をあちらの電算機で行うことで解決していた。
問題は、その設計通りにこちらの技術で加工する段階だった。今年の春に炸薬のメーカーに発注して、最初の爆縮試験体が仕上がったのが九月。
「思えば、最初の試験はひどい失敗でしたね」
岸へボートで戻る途中、秋津技師長は呟いた。
「あの時は地上で実験したので、芯の球体が激しく地面に叩きつけられて、変形してましたっけ」
その反省から、二回目からは今回のように水上で行うことにしたのだ。それでも爆縮のタイミングや炸薬の燃焼速度が揃わず、歪な形になってしまうことが繰り返された。そうした失敗の度に、秋津技師長の下で原因が究明され、成形炸薬の成分と加工に改良が加えられた。今回の試験は八回目だった。
「文字通り、七転び八起きとなりましたね」
球体を撫でまわしながら、了は答えた。
海底艦隊基地の研究室に戻り、回収した芯を切断したところ、中身もきれいな同心円を描いていることが判明した。
あとは、必要な量のプルトニウムを揃えるだけだった。
「ということは、もはや時間の問題と言う事ですね」
その夜の定時連絡で、肇の言葉に了も同意した。
(そう、あとは仁科君の原子炉次第だ)
原爆用のプルトニウム製造は、専用のウラン熔融塩炉で行う必要があった。このプルトニウム製造原子炉は今月初めに完成し、今後は毎月一キログラムのペースで製造できるはずだった。一発の原爆に必要な量は、約四キログラム。次の春には一発目が完成するはずだった。
「しかし、この計画の核心部分を知るわけにいかないってのが、どうも落ち着かないですね」
肇はぼやいた。そうした場面は全て了が行なっているので、肇は概要しか知らない。
(済まない、核兵器製造のノウハウは、今後の世界では最高機密として保つ必要がある。君に背負わせるわけにはいかない)
何度も繰り返された説明だ。理屈は良く分る。仁科博士はプルトニウム製造、秋津技師長らは爆縮レンズの試験、その成形炸薬の加工は製造工場と、ノウハウが分散されているのもそのためだ。そして、爆縮レンズの設計自体は、了の世界にのみある。
「でも、どんなに隠そうとも、知識ってのは研究すれば見つかるでしょう」
ずっとくすぶっていた疑問を、肇は口にした。
(その通りだ。しかし、誰かが研究費を出さなければ、研究は続かない。結局は世の中の流れがそれを決める。私の世界でトリウム熔融塩炉が普及しなかったのも、突き詰めれば原因はそれだ)
核兵器と親和性の高いウラン燃料の原子炉が普及したため、了の世界は滅んだ。すべては、原子爆弾から核の利用が始まったことによる。しかし、トリウム燃料だけなら核兵器が作れない。
(この戦争が終れば、トリウム熔融塩炉の技術は世界中に公開される。そうなれば核兵器が広まることはない。そう信じている)
それは、肇も同じ思いであった。
翌日、肇は列車で名古屋に向かった。中島飛行機を訪問し来意を告げると、中島知久平社長が自ら出迎えた。
肇は深々と頭を垂れた。
「お久しぶりです、社長」
「いえいえ、こちらこそ。彩雲の件ではお世話になりました」
海戦以来、海軍の目となって大活躍した偵察機彩雲は、肇が社長に直談判して開発を依頼したものだった。結果、戦況に大きく貢献でき、会社としても潤っている。
会議室に通されると、肇は手にしていた筒から図面を取り出した。I端末で了から受け取ったものだ。
中島社長の双眸が、少年のように輝きを帯びる。
「今度はどんな航空機を?」
肇は図面を広げ、説明を始めた。細部は省かれた概念図に近いものだったが、一通り説明を終えると、社長はぬるくなった茶を一気に飲み干し、むせて何度か咳き込んだ。
「これはまた、凄い……」
「けったいな飛行機、でしょうね」
言葉を続けた肇に、社長は苦笑しながら言った。
「いや、全く。これはもう、糸川に任せるしかありませんね」
糸川英夫は中島飛行機きっての技術者だった。陸軍の一式戦闘機「隼」など名機の開発にも関わり、彩雲でも力を発揮していた。
肇は尋ねた。
「一時期、陸軍の無茶な要求に振り回されるあまり、軍用機開発に嫌気がさしていると聞きましたが」
了の世界では、それが原因で会社を辞め、学究に戻ってしまった。そして、戦後は宇宙ロケット開発に熱中したという。
「彩雲を手掛けた後、助言いただいた通りに自由に研究をさせてました。そのせいか、生き生きしてますよ。先日は、墳進器の雛型を見せてくれました」
墳進器とはジェットエンジンのことだ。了によると、独逸でも研究され、大戦末期には実用段階までこぎつけたと言う。
「雛型とはいえ、独自に完成させたと言うのは凄いですね」
技術的な課題として、高温の排気を受け止めるタービンの材質があったと言う。そこに、I資料からの耐熱合金の知見が活かされた。しかし、実用化には加工技術の改良など、まだしばらくかかると言う。
「いやほんと、I資料には世話になってます。レシプロの発動機も、これのおかげで随分改良されましたし」
日本の航空機開発の弱点は、常に発動機の出力不足だった。了の世界でも開戦当初は無敵を誇ったゼロ戦だが、次第に米戦闘機に凌駕されたのはその点が大きい。
しかし、これも改良が続けられたおかげで、同じ「栄」発動機でも出力と燃費が向上していた。何より、了の世界より早い時点で過給機の開発に成功した点が大きい。その分、弱点であった機体強度や防弾装備を増すことが出来、兵器としての寿命を延ばすことが出来た。そして、「栄」の後継である「誉」を搭載した最新型では、最高速度で時速六百キロを記録していた。これは同じ発動機の彩雲の初期型に匹敵した。
ゼロ戦の開発は三菱だったが、委託生産で中島飛行機もその半数を生産している。それに加えて、航空機生産などのノウハウが、企業や海軍・陸軍と言った枠を超えて蓄積されているのも、I計画による大きな進歩だった。
「で、この機体ですが」
中島社長は、肇の広げた図面を指して言った。
「大きさから言って、発動機は火星になりますな。これが三発か……」
一式陸攻、二式大艇に使用されたものだった。
肇は尋ねた。
「完成はいつ頃でしょうか?」
やることが前提の質問だが、社長はにこやかに答えた。
「一年。それで必ず」
自信に裏付けられた笑みであった。
その年の暮れ、自由亜細亜諸国連合が発足した。この秋に開かれた大東亜会議の結実である。
英語名はAssosiation of Free Asian Nations。略してAFAN、エイファンと発音する。
大東亜共同宣言を基にした自由亜細亜憲章により、日本、満州、中華民国、フィリピン、タイ、ビルマ、ベトナム、ラオス、カンボジアが参加し、交易と安全保障での協力を確立したものだ。マレーとインドネシアも、国としてまとまり次第、加盟することになっていた。
日本が抜けた独伊枢軸国と連合国に続く、第三の勢力と言うことになる。
「これが、戦後の世界の枠組みですね」
肇の言葉に、了は答えた。
(そうだ。欧米をどうやってここに取り込むかが鍵となるだろう)
了の世界では、大戦に勝利した連合国が、そのまま全世界をまとめる組織となった。日本では「国際連合」と呼ばれたが、その英語名はUnited Nations、即ち「連合国」であることからも明らかなように、戦勝国による世界支配が起点となっていた。これが後に冷戦を引き起こし、核兵器開発競争を招く。
そうした未来を書き換えるのが、こちらにおける歴史改変の目的。
ここまでは、殆ど了の読み通りに来た。
そう、ここまでは。
明けて、昭和十八年一月。パナマ運河で動きがあった。
「新型の駆逐艦ですか」
呉の司令本部を訪れた肇に、連合艦隊司令長官の山本五十六は答えた。
「うむ。彩雲による視認だが、見たことがない艦種らしい」
パナマ運河の出口パナマ湾には、軽空母が常時張り付いて、彩雲による索敵が行なわれている。ただ、開戦初頭とは違い、軍艦ではなく低速の輸送船がたまに出てくるだけになっていた。片端から沈められたので、米海軍も懲りたのだと言える。
日本側も、撃破を担当するのは通常の伊号潜水艦に切り替えていたのだが、高速の駆逐艦となると電池推進の潜水艦では手を出しにくい。さらに、対潜能力が上がった新型では、返り討ちに会う危険性も高くなっている。
「これはもう、『くろしお』に任せるしかありませんね」
肇の言葉に、山本は頷いた。
「うむ。こちらの伊号は引き揚げさせるつもりだ」
損害が出てからでは遅い。ここは海底軍艦の出番だ。
肇は疑問を口にした。
「しかし、ここへ来ての変化は何でしょう?」
山本は渋面で答えた。
「はっきりしているのは、パナマ運河を通してこちらに送り込みたいものがある、と言うことだ」
もっともな答えに、肇も言った。
「新造空母、ですかね」
開戦直後の真珠湾奇襲と半年前の珊瑚海海戦で、米太平洋艦隊はほとんどの空母を失った。そのため、米東海岸では船渠を埋め尽くして、新たな空母の建造を進めているはずだった。開戦から一年、その第一陣が就役してもおかしくない時期だった。
肇の指摘を山本は肯定した。
「間違いない。こいつらはその露払いだな」
翌二月。ドイツではハンス工作員が、ヒットラー暗殺計画の舞台となる最前線の拠点、スモレンクスにたどり着いていた。
ドイツへの潜入後、まずベルリンのクイルンハイム大佐を訪ね、オルブリヒト大将に紹介された。そこで情報部が偽造した「正規の」身分証を与えられた。新たな名はヴィルヘルム・シェルナー少尉であった。彼はオルブリヒトから辞令を受け、中央軍集団参謀長ヘニング・フォン・トレスコウ少将への連絡将校としてスモレンクスへ向かったのだった。
トレスコウ少将はかなり後退した額の下に鋭い眼光を宿した男だった。彼は人払いすると、シェルナー少尉ことハンス工作員に向かって言った。
「君はユダヤ人だと言うことだが」
これが他の人間からの言葉なら、肯定は死を意味した。だが、I機関の調査を疑うつもりはなかった。
「母方の祖父がユダヤ人でした」
少将はハンスの手を握って言った。
「私の妻の父は、エーリッヒ・フォン・ファルケンハインと言う」
「……たしか、先の大戦で陸軍参謀総長だった」
ハンスの答えに、少将は頷いた。
「そうだ。苛酷なヴェルダンの戦いを指揮し、『骨肉ミキサー』などと酷評された義父だが、その実は温情にあふれた方だった。実際、パレスチナ戦線ではオスマン帝国によるユダヤ人強制移住に反対し、やめさせている」
意外な話に、ハンスは引き込まれた。
「義父から生前この話を聞かされていた私は、東部戦線でナチスが行なったユダヤ人大虐殺が許せなかった。義父を罵った奴らが、本物の冷酷非情な暴虐を行っている」
日本を核として発せられた大東亜共同宣言にある、民族・人種差別思想の撤廃。その一端がここにもあった。
握りしめた手に力がこもる。
「聞けば、君は日本から舞い戻った工作員だそうだが、非道を許さぬ心は同じだ。是非とも力を貸してほしい」
ハンスにしてみれば、願ってもないことだった。
「喜んでご協力させていただきます、トレスコウ少将」
ハンスも力強く握り返した。
翌日、旅の疲れを癒したシェルナー少尉ことハンスは、トレスコウ少将によって一人の大佐と引き合わされた。
「ルドルフ=クリストフ・フォン・ゲルスドルフ大佐だ。私たちの仲間だ」
いかつい顔だが、誠実そうなまなざしの男だった。歳は四十代手前に見えたが、頭頂部を残して髪は大幅に後退していた。
ハンスも偽名ではあるが名乗った上で言った。
「早速ですが、計画について教えていただけるでしょうか?」
頷くと、トレスコウ少将は話し始めた。
「つい先日、スターリングラード攻防戦が終った。先の大戦のヴェルダンの戦いを上回る犠牲を払ったにもかかわらず、作戦は失敗した」
ヴェルダンはトレスコウの義父が汚名を被った戦だった。昨日の話をハンスは思い起こした。
「この大敗により、大規模なソ連の反攻が予想され、ヒットラーが東部戦線の視察に来ることになった。そこで、このスモレンクスも巡回するよう、本部に掛け合った」
しばし間を置いて、トレスコウは続けた。
「来月、ここに来る」
「それに合わせて、暗殺を?」
ハンスの問いに、トレスコウは頷いた。
「帰りの飛行機に爆弾を仕掛ける予定だ。既に用意し、爆発テストも行っている」
ゲルスドルフ大佐が頷いた。
「イギリス製の小型で高性能な爆弾です」
「その作戦名は……」
トレスコウの眼が光った。
「我々は『閃光』作戦と呼んでいる」
全て、冴木が語った通りだった。余りの正確さに、ハンスの背筋に寒気が走った。まさかと思ってはいたが、これほど正確な予測が可能なのか? 何か尋常ならざる力が働いている、そうハンスは思わざるを得なかった。
「私は元々、爆発物が専門です。日本でも最新の知識を仕入れてきました。その爆弾を見せてもらえますか?」
ゲルスドルフは快諾し、ハンスを伴って爆薬の試験を行っている森の中の実験所へ向かった。森の近くで車を降り、歩き始めた時だった。
「この森は、何と呼ばれているのですか?」
何気なく尋ねたハンス。答えるゲルスドルフも。
「現地の言葉だとよくわからないが、ドイツ語だと『山羊ヶ丘』という意味になるってことだ」
不意に立ち止まったハンスに、ゲルスドルフが問いかけた。
「どうした?」
「あの……何か臭いませんか?」
ロシアの二月にしては珍しく、暖かい日だった。そよぐ風の中に、気になる異臭が。爆発物を扱う関係上、ハンスは臭いに敏感だった。そしてこれは、確かにユダヤ人迫害から逃れるあの時に、何度も嗅いだ臭いだった。
「おい、どこへ行く?」
呼び止められても、半ば勝手に足がそちらへ向かった。異臭の源へ。道から離れ、森へ奥へと。
やがて木立が切れ、地面が露出した場所に出た。妙な形に土が盛り上がっているが、雪解け水で流されたのか、一部が崩れていた。
そこから覗いているのは、明らかに人骨だった。しかも、まとわりついている布切れには、徽章のようなものがへばりついている。
「うっ、これは……」
追いついたゲルスドルフが呻いた。ここまで来ると、彼にも異臭ははっきりと分かった。
冠を被り翼を広げた鷲の徽章。それは、明らかにポーランド軍のものだった。しかし、ロシアの領地だったここに、はるか西のポーランド軍が居るはずがなかった。しかも、白骨化の具合から見て、埋められて一年や二年ではない。どう考えても、ドイツが侵攻してくる前だ。
「まさか、この盛り土の下全部に?」
暗殺計画はさておき、これは報告すべき異常事態だ。ゲルスドルフはハンスを連れて車に戻ると、無線機に飛びついた。
「司令部、ゲルスドルフ大佐だ。至急、兵士を数名よこしてくれ。土木の工兵がいい。場所は……」
ドイツ語の「山羊ヶ森」では地図に載っていない。そう、すぐ近くに集落があった。確か名前は。
「カティンだ。カティンのそばの森に、多数の遺体が埋められている」
そのそばで、ハンスが絞り出すような声で呟いた。
「ソビエトだ、殺したのは」
ドイツとソビエトがポーランドを巡って交戦した結果、ソビエトに捕虜となったポーランド兵と民間人二万二千人が、この地まで連れてこられて虐殺された事件、後に「カティンの森事件」と呼ばれる大虐殺が発覚したのは、この時であった。
ナチスだけではない。ソビエトも、この世にあってはならない悪魔だ。
ハンスはそのすべてに、復讐の念を新たにした。
登場人物紹介
実在する人物には【実在】としています。
ヴィルヘルム・シェルナー少尉
ハンス工作員のドイツ軍における偽名。
ヘニング・フォン・トレスコウ少将
【実在】黒いオーケストラのヒットラー暗殺計画、「閃光作戦」の指揮官。
中央軍集団参謀長。かなり後退した額の下に鋭い眼光を宿す。
ルドルフ=クリストフ・フォン・ゲルスドルフ大佐
【実在】黒いオーケストラの一員、トレスコウ少将の部下。「閃光作戦」の実働要員。
いかつい顔だが、誠実そうなまなざしの男。四十代手前。
史実でも、カティンの虐殺死体を発見したのは彼です。
次回 第六話 「一つの誤算」




