第三話 電子の産声
五月五日、端午の節句。
肇は夜明けとともに起き、庭で一通り躰術の型を決めた。稽古を再開してからは、未来の資料を移す作業にも今まで以上に集中できるようになってきた。由美の口述筆記の助けもある。
その由美の作った朝食を平らげると、石動了が体を貸してくれと申し出てきた。
「昨日、郵送されてきた小包の中身ですね」
肇の言葉に、了は頷く気配だった。
昼下がり、縁側に腰を下ろした了は、アルミ板のシャーシに最後の配線を慎重に半田付けしていた。その脇には大小いくつもの真空管が、転がらぬように敷いた手ぬぐいの上に並んでいる。子供のころによくやった工作を思い出す。
「よし、完成だ」
満足げにシャーシを掲げ、裏面の配線を確認する。
「出来たんですね。でもそれ、何をする機械なんですか?」
結城由美が縁側にお茶を置きながら言った。
「あっちの機械の腕は大人気ですけど」
縁側の反対側では、近所の子供が小山の人だかりとなっていた。そこには了が昨日組み立てたマニピュレータ、「機械の腕」が置いてあった。小型の電動機と電池で動く模型で、レバー操作でものをつかんだり置いたりできる。今は子供らが操作し、積み木をつかんで積み上げようとしていた。交代で操作する子供たちの目が輝いている。
「あれもこいつも、玩具といえば玩具ですよ。若い技術屋にやる気を出させるためのね」
手ぬぐいの上の真空管を、てきぱきとソケットに嵌めていく。最後に乾電池を何本か入れると、縁側の上にそっと置いた。
シャーシの上には真空管が乱立し、その手前の平らな部分には、釦とランプを兼ねたものが十列、三段になって並んでいた。それぞれの釦には零から九までの数字が振られている。それらとやや離れた右側に、「加」と「消」と書かれた釦があった。
「これはまぁ、言ってみれば電子のソロバンです」
「ソロバン?」
由美は首をかしげた。
「まぁ、見ててください」
シャーシの側面にあるトグルスイッチをパチンと入れると、真空管に明かりが点り、三段のランプは一番左の零の列が点った。
「下から一の位、十の位、百の位ということで」
ポチポチポチ、と釦を押すと中のランプが点り、一、二、三の文字が浮き出た。かわりに零のランプが消えていく。
「これで百二十三」
次に「加」の釦を押すと、ランプはすべて零だけが点った。
「次に二百三十四」
再び数字の釦を押し、「加」を押すと、三、五、七のランプが点った。
「すごい。計算をしたんですね?」
由美の顔がほころぶ。
「たったの三桁ですけどね」
「消」の釦で、すべて零に戻った。
これも機械の腕も、こちらの時代で入手できる材料や部品を使って作れるように、未来で設計したものだ。図面は口述筆記とはいかないので、全て肇が手で描いたのだが、一週間かけて仕上げたあと、玩具と知って不満たらたらだった。
(こういうものが作れる、と示すのが、技術屋を発奮させる一番のきっかけなんだよ)
「まぁ、それはそうなんでしょうが」
半信半疑だったが、図面通りに注文した部品がそろって、まず昨日、機械の腕が組みあがると、誰よりも夢中になったのは肇だった。挙句、生垣からこちらを覗き込んでいる子供を招いて、操作を教え始める始末。そして、今日はその子供が友達を連れてやってきたというわけだ。
子供の声が響く。由美はそちらを見ると、ぱっと立ち上がって小走りに寄った。
「だめよ、喧嘩しちゃ。順番は守って!」
その後姿を見ながら、了は呟いた。
「大野、そろそろ戻る」
がくん、と頭が垂れる。未来の方で、大野が同期率を下げたのだ。しばらくして頭を振りながら、石動肇が声を上げた。
「あー、もう終わったんですか」
(うむ。一通りは)
「で、これはどうするんですか?」
(明日にでも東京電気に持っていこう)
東京電気は、後に芝浦製作所と合併し、東芝となる会社だった。
(そこにもう二組作らせて、大阪の松下と茨城の日立にも送る)
「競争でもさせるんですか?」
(そう。予算もつけてね。そうでないと、あれの買い手が出ない)
「半導体、トランジスタでしたっけ」
戦後になって発明されたトランジスタだったが、実は一九二五年にカナダで特許が取られていた。正確には種類の異なる電界効果トランジスタと呼ばれるものであったが、石動了の計画にはこちらの方が適していた。既に、代理人を通して特許の買取りが済んでいる。
(電子ソロバンは、半導体の方が作りやすいはずだ。もっと小さく、もっと複雑にできる)
春になって、いくつかの動きが始まっていた。その一つが電子計算機だ。電子ソロバンはその萌芽であり、この方面への関心と開発意欲を高めるのが狙いだ。それには部品が必要で、そのために立ち上げたのが半導体工場だ。しかし、半導体は原料の純度に敏感で、製造にも工夫が必要だった。
そこで未来から持ち込んだのが、品質管理の手法だ。戦後、日本製品を世界のトップブランドにした手法を、戦前に持ち込もうというわけだ。春先から、結城由美の口述筆記で書き写してきたそのマニュアルを元に、今、日本の各地で猛勉強が行われている。半導体に限らず、歯車やネジ一本に至るまで、品質と加工技術の革命が起きようとしていた。
「しかし、原子力とやらはどうなんですか? なんだか、分野が全然違うような」
(今のところ、仁科くん次第だね)
春先に訪ねてきた長岡半太郎博士だが、仁科芳雄を半ば無理矢理、留学先から連れ戻し、つい先日、彼を伴ってここに訪れた。仁科は一時期、物理学には自分が取り組める題材がもうないと諦め、玩具、特にラジコンを日本に流行らせ、科学技術の底上げを目指したという。それが今回、石動了の模型工作につながった。
そんな仁科だったが、I資料(この名が定着しつつあった)を目にするや、たちまち心を奪われてしまった。
「これ……ここに書いてあることがもし本当なら……」
興奮の余り震えが止まらない。
「本当かどうかは、実験してみないと。やってもらえますか?」
仁科はやおら立ち上がって叫んだ。
「やります! やらせてください!」
長岡は、熱病のように仮説や実験方法を呟き続ける部下を連れ帰るのに、かなり骨が折れたことだろう。
(一年以上早い帰国に加え、あの熱中ぶりだ。何年も先取りができるかもしれない)
期待は高まるが、発明・発見は運・不運にも支配される。
「なら……いっその事、答えを全部教えちゃえば」
(それは駄目だ)
了はピシリと答えた。
(自分で答えを見つけなければ、応用が利かない。付け焼刃でものにできるような技術はない)
「そうですねぇ」
そこへ、由美が戻ってきた。
「そろそろ陽が落ちるので、子供らは帰らせました」
「ああ、そうですか」
由美の顔にふっと影がよぎる。
「あ……神様はもうお帰りですか」
またか。接続は切れている。肇はため息をつくと答えた。
「ええ、済みません」
「いえ、いいんですよ。お夕飯にしましょう」
廊下を歩み去る由美の後ろ姿を見ながら、石動肇は縁側に散らばった工具や半田の屑を拾い集めた。
翌日、石動了は東京市にある東京電機に機械の腕と電子ソロバンを持ち込み、居並ぶ技術者に公開した。食い入るようにそれらの動作を凝視し、実際に操作するその目の輝きは、年齢などに関係なく、昨日の子供たちと全く同じであった。
早速、設計図が渡され、まずは同等のものを作るところから計画は始まった。
一方、石動肇は次第に鬱屈するものを感じていた。自分は単なる操り人形なのか。石動了という「神様」の依代でいいのか。そんなはずはない。何か、自分でなければできないことがあるのではないか。了が接触してくるまでの半年、碌に講義にも出ない落第生だった自分だが。
夜、そんなことを考えていたら、眠れなくなってしまった。起き上がり、傍らを見ると、由美が毛布にくるまっていた。明り取りから差し込む月の光に、白く浮かび上がるその顔を見ていると、何ともやるせない気持ちが込み上げてきた。
溜息をつくと起き上がり、文机の前に座って卓上燈を点けた。手にしたのは、最初のころに口述筆記した物理学の初歩を説いた本だった。眠い目をこすりながらも、読み進める。一度読んでいるはずなのに、分らないところだらけだ。だが、どうしても駄目なら、了に聞けばいい。
自分もまた、この時代にいて、この時代を動かす人間の一人なのだから。
雑多な機器の中で目を引くのは、三角フラスコのような物体だった。わずかに球面となっている平底の部分をこちらに向け、その部分に結城由美の笑顔が映っている。
「これが受像管です」
高柳健次郎が説明した。
「向こうにあるのが撮像管」
離れた場所の作業台に、もう一つ似たような機器の山があり、その向こう側、眩いほどの照明の下に由美が立っている。こちらに向けて手を振ったが、画面の中の手のひらは彗星のように尾を引いてしまった。さらに、画面の端のほうはかなり歪んでいる。
「速い動きはまだ追いきれません。撮像管にはもっと反応速度の高いものが必要です」
それでも凄いものだ、と石動肇は素直に感心した。このふた月ほど猛勉強したおかげで、基本的なところはかなり理解したつもりだが、この時代の科学はそれを上回る速度で進んでいる。
反応速度が足りないのは自分だ、と肇は自戒した。
「その点の改良にはどんな研究を?」
肇の質問に高柳は答えた。
「そこが問題です。別な方式でないと無理かもしれません」
一筋縄ではいかないようだ。肇は室内を見回した。外は夏空で、暗幕を引いているため室内はかなり蒸す。ここは東京電気の研究室。この春、石動了が電子ソロバンと機械の腕を持ち込んでから、さまざまな研究が一気に動き出した。政府からの補助金が出始めたこともあるが、まだまだ額は少ない。研究者の熱意の賜物だ。
(これって、どのくらい先を行っているんです?)
肇は脳内で了に質問した。最近では声に出さなくても向こうに伝わるほどに慣れてきた。
(驚いたものだ。こちらではアイコノスコープと呼ばれた方式で、三年は早まっている)
了の歴史でも高柳健次郎がテレビジョンの実験に成功していたが、この時のカメラは機械式で、その後の進歩は遅かった。その彼を東京電気に招いたのが初夏の頃。この二ヶ月足らずの成果は了にとっても予想外だった。
(彼にどんな助言を?)
(最初のテレビジョンは、カメラも画面も機械式だった。だから両方電子式にできるのでは)
(それだけ?)
今度は肇が驚いた。何と曖昧な。
(助言としてはね。後はI資料だ)
今まで口述筆記で書き出してきた、科学技術の基礎資料。本来なら何十年もかけて調査研究が必要な知識の宝庫だ。今では石動の頭文字を取ってI資料と呼ばれている。
「先生方、もういいですかぁ? 暑くて暑くて」
研究室の向こう側で、由美が根を上げた。外は真夏、そこへ照明の熱が強すぎるのだ。
「ご苦労様。涼みに行きましょう」
高柳氏に礼を述べ、肇は由美を伴って研究室を出た。建物を出て、向かいにある喫茶店に入る。
注文したクリームソーダをストローで一口すすると、由美は肇の顔をまじまじと見つめた。
「……どうかした?」
由美は微笑んだ。
「今日はずっと、肇さんなんですね」
そういえばそうだった。最近、了が肇の体を借りる頻度は減ってきている。
「済まない」
「そんな、謝る必要ありませんよ」
顔の前で手を振る。
「なんだか肇さん、話し方が了さんに似てきましたね」
近頃は、由美も了のことを名前で呼ぶようになってきた。
「そうかな」
「勉強の甲斐がありましたね」
「まだまだ、だよ」
最初のうちは、内心、かなり気後れしていた。元々、成績優秀な学生だったわけでもなく、付け焼刃の知識で第一線の研究者の相手は無理だった。了が控えていてくれてこそ、まともに受け答えができる。
とはいえ、門前の小僧なんとやらで、肇も知識を増しつつあるのも確かだ。
「ただ、気になるのは予算だなぁ」
今年の三月、関東大震災の復興のために発行された手形の焦げつきが相次ぎ、銀行での取次騒ぎが起こった。了が文部省で熱弁をふるって研究予算を確保したのも、これを予測してのことだった。
直後、内閣が総辞職し総理大臣以下が入れ替わった。大胆な政策で、金融危機は一旦去った。だが、満州を挟んで支那とソ連の情勢がきな臭くなってきている。つい先日は、満州の支配者である張作霖が暗殺された。了によれば、日本の関東軍による謀略だという。とんでもないことだ。
了が確保した予算も無尽蔵ではない。このままでは、せっかく芽生えた数々の発想が、花開くことなく萎れてしまう。
(陛下に直訴して、なんとかなりませんかね)
脳内で了に問う。
(今はまだ難しい)
了の返事はそっけなかった。
(陛下は直接政治に関われない仕組みになっている。御前会議すら陛下の意志では開けない)
(今、ということはそのうち?)
不意に、胸のあたりが苦しくなった。了が何かに苦しんでいる。
(それより、今ある予算では、来年の秋ごろまでが限界だ。その前に手を打っておこう)
話をそらされた。了にしては珍しい。
(どうするんです?)
胸の不快感が強まった。これは……罪悪感?
(お金の話なら専門家に頼めばいい)
珍しくも、脳内の了の声には自嘲的な響きがあった。そして、肇に行き先を告げる。
「どうしたんですか? 顔色が悪いですよ」
由美が心配そうに聞いてきた。肇が不意に黙り込むのは了と対話しているのだと理解しているから、割り込むことはめったにない。余程ひどい顔だったのだろう。
「大丈夫、ちょっと暑気あたりさ」
咄嗟に誤魔化す。
「それより、これからちょっと人に会うことになった」
「どなたですか?」
肇はレシートを手に立ち上がった。
「大蔵大臣」
由美は目をぱちくりさせた。
大蔵大臣、高橋是清の自宅は、赤坂御用邸から青山通りを挟んだ向かい側あった。了のいた時代は摩天楼がいくつもそびえる、東京の経済の中心の一つだったという。しかし、この時代はまだ、低い屋敷がゆったりと広がる街並みであった。その中でも高橋邸は二千坪ある大邸宅である。
屋敷の門前で警備のものに名乗ると、使用人か秘書と思われる男性が現れた。女性連れで長身の、だが普段着に近いいでたちの青年に、最初はその男性も訝し気な様子だった。が、肇が懐から封筒を出して渡すと奥に引き下がり、しばらくすると、息せき切って戻ってきた。
「どうぞ、おあがりください。先生がぜひお会いしたいと」
了が陛下からいただいた一筆は、この国では万能のパスポートということだ。
まじかで見る高橋是清は、好々爺という言葉がぴったりな人物だった。髭を湛えたその姿が威厳を放つ一方で、穏やかなまなざしからは「達磨」と呼ばれるのも頷ける。首相経験者でありながら大蔵大臣の重責を引き受けただけあって、国家と経済のあり方には一家言あるという。この春の金融危機を短期間で収めた功労者だ。
そんな重要人物を前に、肇は苦戦していた。いつもなら了に体を貸しておしまいなのに、了はなぜか今日はそうせず、肇に受け答えをさせているためだ。
「では君は、このままでは大きな景気の減退が来るというのじゃね?」
高橋翁の問いかけに、肇は脳内で了に頼るしかない。だが、了はそっけない。
(そのとおりなんだが、なぜかは考えてみて。ヒントはもう出てる)
必死で考える肇。脳味噌を絞りすぎて、もう変な汁が出そうだった。
「ええと……そうです。先ほど話に出たように、今は需要と供給の釣り合いが崩れつつあります。我が国は関東大震災からの復興のために、供給力を必死に上げてきました。しかし、復興が一通り終わった現在、これまでに作った工場や雇った従業員を持て余すようになり、先日の手形の焦げ付きを引き起こしました」
高橋翁は、わが意を得たりという感じで頷いた。
「そこで、先生が大蔵大臣に着任直後、大胆な支払いの猶予を行ったたことで、一応は危機を脱しました。しかしこれは……心臓麻痺を起した患者に強心剤を打っただけです。病気の元である、供給力のだぶつきは解消されていません」
にこやかな笑みが、先を促した。
「かといって、余った供給力を単純に削減するわけにもいきません。それでは大量の失業者を生んでしまいます。当面は輸出、特に米国への輸出を増やすことが有効でしょう」
「では、それがいつか破綻すると? 今あちらは随分と好景気だが。株も上がっておるし」
(どうなんだ、了?)
この質問は、知識の範囲外だった。
(破綻する。リミットは再来年の後半)
「再来年の後半のどこかで、米国の好景気は限界を迎えます」
高橋の目に鋭い光が宿り、肇は射すくめられた。さすがに、ただの好々爺ではない。
「確証はあるのかね?」
(ある)
珍しく、了が断定した。
「確証はあります」
「どんな証拠が?」
まさか、未来では歴史的事実だから、とも言えない。了が助言した。
(日本の大震災は、アメリカでは第一次大戦だ)
必死に考えを巡らす肇。
「……米国も、第一次大戦で供給量が大きく増えました。投資が流行したことで、益々高まります。しかし……いつかは需要を越えてしまいます。人が一日に食べる量は増えませんし、同時に何着も服を着るわけではありません」
老人は呵々と笑った。
「それが再来年の後半に来ると」
了は黙っている。正しいということだと思うしかない。
「はい」
(その時、どうするかだ)
了の声に肇は問い直した。
(予算のこと?)
そもそも、研究予算が尽きるから、という話だった。了が頷くのが感じられた。
「そうなったとき、つまり、大恐慌が起きたとき、先生はどうすべきと考えますか?」
再び鋭い光が返ってきた。
「紙幣を発行して、借りて、使うのじゃよ」
意外な返事に肇は面食らった。だが、脳内では了が満足げだった。
(さすがは高橋是清)
(この言葉が聞きたかった?)
(今の時点で、ここまで考えておられるとは思わなかった。ケインズやダグラスをも先取りしているとは)
耳慣れない外人の名前だ。後で詳しく聞こう、と肇は心に留めた。
高橋翁に丁寧に礼をして、由美を伴って屋敷を辞した。暮れなずむ夏の街を、二人で歩く。
「今日はずっと、肇さんのままなんですね」
喫茶店の時と同じ言葉だ。
「済まないね」
「謝るところじゃありませんよ」
微笑みながら由美は空を見上げた。連なる甍の波の上に、一番星が低く輝いていた。
登場人物紹介
実在する人物には【実在】としています。
仁科芳雄
【実在】核物理学者。
本編では原子力開発の中心人物となる。
高柳健次郎
【実在】日本のテレビの父と呼ばれた技術者。
本編では撮像管の電子化にも成功し、日本のテレビジョン技術を確立させる。
高橋是清
【実在】大蔵大臣。第20代内閣総理大臣。
本編では、世界恐慌に備えた財政出動として、I計画の資金を国庫から出資させた。
次回 第四話 「波紋の印」