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栄光の昭和  作者: 原幌平晴
第一部
23/76

第二十三話 献身と旅立

 石動肇は超特急「燕」に揺られていた。ありがたいことに一等車である。

 光代も一緒だった。土曜日なので、昼で終わる学校へ迎えに行って、そのまま同行させたのだ。たまには一緒の時間を過ごさなければ。

 光代はずっと窓にしがみついて、車外の景色を眺めている。

「お父さん、海だよ!」

 指さす先には、相模湾が傾き始めた日差しにきらめいていた。秋に入ったとはいえ、まだまだ残暑が厳しい。海辺にはいくつかパラソルが花開いていた。

 この調子ではじきに電池が切れるな、と肇が予想した通り、伊豆半島を抜けたあたりで光代は寝てしまった。そのまま名古屋で降りるまで寝かせておいて、タクシーで予約しておいたホテルへ向かう。夕食を取って風呂に入ると、光代はまた寝てしまった。寝る子は育つと言う通りで、すくすく育ってくれている。

 了の歴史では、既に支那事変の影響で米が配給になるなど、戦時色が高まっていたという。だが、この時代ではまだ物資の不足や物価の高騰などは起きていない。I計画の「緑の革命」が、この国の食料生産力を支えているためだ。

 光代の隣のベッドに横になると、じきに了からの定時連絡が始まった。

(名古屋には着いたかね?)

「ああ、今さっき」

(海軍の方から、もう話は行っているはずだが)

「出かける前に中島社長に電話した限りでは、そんな雰囲気でしたね」

 中島飛行機は、日本を代表する航空機製造企業だった。今までにも数多くの航空機を軍用・民間用共に生み出している。

(彩雲の開発が間に合えば、兵力面での駒は揃う)

 了の歴史でも、高速を誇った艦載策敵機だ。しかし、登場したのが日米戦の後半だったため、活躍の機会はあまりなかった。こちらの歴史では、その配備を開戦までに間に合わせる。これが、帝国海軍側に必須の条件であった。そのための開発の手助けを、I資料から提供する。それと同時に、中島飛行機にI計画への本格的な参入を要請する。これが今回の旅の目的だった。

(そのあとの仕事なんだが……)

 来たか。

(『わだつみ』に乗って欲しい)

「行く先は?」

(米国西海岸までの往復だ)

「行って帰るだけ?」

(最悪、向こうで一~二週間待機することになるかもしれない)

「えーと。最長、四週間てことですか」

(そうなるな)

「また千代子さんに迷惑をかけるなぁ」

 肇は額に手を置いた。それ以上に問題があった。光代の誕生日だ。帰国が何日になるか。贈り物や、同級生を招く誕生会の準備を考えると、十月一日では遅すぎる……。

(済まない、肇。これは……私が十二年前に撒いた種なんだ)

「種?」

(そうだ。私が君の体を借りて、文部省に行ったとき、予算以外にもう一つねじ込んだことがある)

 文部省と言えば、それがきっかけで由美と出会ったのだった。

「もう一つって……」

(言語学を学んだ青年を、アメリカに送り込んだのだ)

「何のために?」

(コードトーカーを手に入れるためだ)

「何ですか、それ」

 しばらく考えて了は答えた。

(生きた暗号解読器だ)


 ぱしっ、と盤面に駒を打つ。

「王手」

「あ、待った待った」

 草薙艦長はにっこり笑って答えた。

「待ったなしです」

「うーん、もう一番」

 肇は頭を掻きながら、将棋の駒を並べなおす。ここは「わだつみ」の艦長室。今は肇が借りている部屋だ。無事、出航して以来、こうして艦長ともう何時間も将棋を指している。

「石動閣下は将棋はお強いかと思いました」

 並べなおすと、肇は初手を打った。

「考えるのは了の仕事なんで」

 草薙も一手進め、尋ねた。

「前にも伺いましたが、了というのは、閣下の頭の中にいるという……」

「……学問の神様、としておきます」

 迷いながらも、肇は次の一手を打つ。すかさず一手進め、草薙は再度聞いた。

「で、そのコードトーカーというのは?」

「先の大戦で、米軍が使った暗号だそうです」

 独逸も日本も、換字式暗号を使っている。これは文字を何等かの法則で別な文字に置き換える方式だ。法則が複雑なほど敵に解読されにくくなるが、ひとたび法則が見破られると意味をなさなくなる。

 これに対し、米軍が使ったのは、北米大陸の先住民族、インディアンの言語だった。英語をインディアンの言語に翻訳し、それを音声通信で相手に伝え、再び英語に翻訳するのだ。

 論理的な法則だけで解読が可能な暗号に対し、全く未知の言語は極めて解読が難しい。了の時代ですら、完全な機械翻訳は完成していないという。しかし、同じ部族出身者が両者にいれば、ほとんど文章を読み上げるだけで済んでしまう。

 さらに、米軍では英語をそのままインディアンの言語に翻訳するのではなく、単純ながら単語の置き換えをする換字式暗号も併用し、さらに解読の難易度を高めていた。

 この単語の置き換えを学んだ部族出身者がコードトーカーであり、「生きた暗号解読器」である。

「先の大戦で米軍が使ったのは、コマンチ族やチョクトー族でした」

 肇は自分の飛車を摘み上げた。

「彼らが次に使うのは、ナバホ族です」

 肇が相手の陣地に打ち込むと、草薙が笑顔で言った。

「角もらいますね」

「あれ?」

 肇の四連敗の後、頭を使うと腹が減るということで、二人は第二甲板の中央にある食堂へ移った。

 肇は盆の上にカレーライスの皿を乗せた。金曜日はカレーという帝国海軍の伝統は、ここでも息づいていた。

「では、その了さんがアメリカに送り込んだ若い言語学者が、我々のコードトーカーになるわけですね?」

 席に着くと草薙が聞いてきた。

「そうです。十二年あれば、充分に言語も習得できるでしょうし」

 肇は答えて、一口頬張る。もうちょっと辛くてもいいかな?

 草薙が再び聞いてきた。

「ただ、言葉は翻訳できても、単語の置き換えは無理ですよね?」

 肇は付け合わせのトマトとレタスを口に運んだ。艦内菜園の水耕栽培で今日採れたものだ。都内の食堂で食べるより新鮮だ。

「そこは、砥論の出番となりますね」

 艦首側の斜め下をフォークで指して、肇は答えた。発令所の第二甲板に納められている重砥論が、単語の置き換えを解析するのに使えるはずだった。米軍は単純な機械式の暗号装置も併用しており、こちらは人手でも二~三時間あれば解読できた。砥論電算機なら、ものの数秒である。コードトーカーが暗記している程度の単語入れ替えなら、ある程度まとまった量を分析すれば解析可能になるはずだ。その量をそろえるには時間がいる。なるべく早くに、こちら側のコードトーカーが必要だった。

 一方、すでに海底艦隊だけでなく、海軍・陸軍も砥論暗号に全面的に切り替わっている。何千通りもの乱数表が磁性帯テープで配布され、しかも何番目を使うのか毎回変わるため、米軍も手を焼いているようだ。

「了の歴史では、外務省と帝国海軍の暗号は早い時期に米国に解読され、こちらの情報は全て筒抜けになっていたとか。その結果、山本長官の乗機が特定され、暗殺につながったという事です」

 ブーゲンビル島での悲劇。情報戦をないがしろにした結果だ。

 それをひっくり返すのが、了の狙いであり、I計画の半分だ。もう半分が、この「わだつみ」となる。


 アリゾナの風は、夏が終ろうとする今日も乾いていた。北部に当たるナバホ族の保留地では、標高が高いため気温はかなり低い。村雨恭二は刈り取ったトウモロコシを籠に入れ、沈みゆく夕日を眺めた。

 あの山の向こう、そして広い海の彼方に、彼の祖国はある。砂漠に囲まれたこことは違う、緑あふれる土地。

「キヨジ」

 背後から声がした。妻のエニ。ナバホ族の娘であり、彼のナバホ語の先生でもあった。お返しに彼が教えた日本語も上達したが、彼への呼び名は当初の訛ったままこの集落で広まり、すっかり定着してしまった。

「お客様よ。あなたの祖国から」

 ついに来たか。十二年前の今日、日本を出た。その時の約束が、十二年後に迎えに行く、というものだった。

「本当に来るとはな」

 恭二はつぶやいた。祖国では、十二年前の約束など、誰もが忘れていると思っていた。このままこの地で妻や子と暮らし、この地に骨を埋めるつもりでいた。望郷の念が無いわけではない。しかし、彼の家族も友人も、この地にある。

 籠を背負って妻の手を取り、家路をたどる。

 ナバホ族は女系社会で、元々は農耕文化を持たなかった。男の仕事はトウモロコシの粉を引くことと、あとは他の部族への略奪だった。トウモロコシも、それで奪う。しかし、白人に支配され略奪を禁じられてからは、男たちは何もすることが無くなり、アル中が激増した。

 そんな中に日本人的な勤勉さを持ち込んだ恭二は、「働き者の変わり者」と見られている。

 十二年前、この地を訪れた恭二は、思ったよりもすんなりとナバホの人々に受け入れられた。同じモンゴロイドで、肌の色も顔立ちも似ていることが大きかったのだろう。

「遥かな昔、私たちは同じ先祖から分かれて、世界の西と東に移り住んだのです。だから、日本人とディネは兄弟と言えます」

 言葉は英語だったが、その内容は彼らの心をとらえた。ディネとはインディアンが自分たちを指す呼び名だ。

「兄弟なのだから、本質的な違いなどありません。日本が一等国となれた以上、ディネがなれないはずがないのです。あなた方にも文化があり、伝統があるのですから」

 白人から虐げられ、動物のように狩られてきた彼らにとって、衝撃的な話だった。

 恭二と同じ年代の若者が質問する。

「日本が白人を懲らしめたと聞いたが、本当か?」

「日露戦争のことですね。私が生まれる前の話ですが、本当です」

 もう一人が質問する。

「どうしたら日本のようになれる?」

 恭二より年下の少女が聞いてきた。

「まず、強くなることです。強さは武力だけではありません。誰にも頼らず、奪わずに、自分の力で生きることです。それができて、初めて強さが身に付きます」

 その日から、恭二はその少女にナバホ語だけでなく、彼女らが細々とやっているトウモロコシの栽培や羊の放牧を教わり、一緒に働くようになった。最初は男たちから奇異な目で見られるだけだったが、徐々に参加してくれる若者も出てきた。

 その少女がエニだった。結婚して三人の子を産んでも、美しさは変わらない。

 ナバホ族の家はホーガンと呼ばれ、木組みと土でできたドーム状の「かまくら」のような建物だった。二人が戻ると、ホーガンの中にはエニの両親や子供たちに加えて、一人の男が正座していた。

 男は冴木と名乗った。滑らかな英語で話すのは、日本語がわからないエニの両親への配慮だろう。

「村雨先生、お迎えに上がりました。なにとぞ、祖国日本のためにご協力ください」

 頭を下げられて、恭二は困惑した。

「確かに、十二年後という約束でした。しかし……」

「もはや日米戦争は避けられません。それを一日も早く終わらすためにも、先生のお力が必要です」

 その時、エニの父親が口を開いた。

「息子よ、キヨジよ」

 恭二は義父に向き直った。

「お父さん……」

「もし、日本へ戻るのなら、エニと子供たちも連れて行ってやってくれ」

 意外な言葉に、恭二は言葉を失った。

「お前が言う強い国を、見せてやってくれ。ディネの未来の姿を」

 黙っていたエニも、夫の手を取り言った。

「キヨジ。私からもお願い」

 恭二は冴木に目で問うた。

「大丈夫です。乗ってきた車には余裕がありますから」

 冴木は荷物を開くと何着かの洋服を取り出した。

「保留地から出ると、そのままでは目立ちます。まずはこちらにお着替えください」

 車で待つと言って、冴木はホーガンを出た。しばらくすると、恭二と家族がやってきた。エニの両親以外は、全員洋装に着替えている。子供たちはさすがに大きすぎたようだ。袖や裾を折り返している。

 やがて老夫婦に見送られ、満天の星の下、車は舗装されていない道を南へ下った。

 一時間ほど走ると、幅の広い舗装された道へ出る。ルート六十六フリーウェイだった。そこから西へとひたすら走る。

 途中、何度か車を路肩に止め、仮眠を取りつつ西へ。州境では日系人の家族旅行を装い、朝方、カリフォルニア州に入った。一般道に降り、ドラッグストアで食べ物を買入れ、またしばらく走る。道は次第に南へと向かい、あたりの家並みはリゾート地の華やかさを装い始めた。

 車が「ようこそニューポートビーチへ」という看板を潜った時だった。恭二は、道路の向こうに朝日にきらめく光を見た。

「海だ」

 エニが呟く。

「あれが、海」

 子供たちは息を呑むばかりだった。海は次第に近づき、その大きさにエニと子供たちは圧倒された。

 冴木は海岸沿いに立ち並ぶバンガローの一つに車を停め、一同を降ろした。独特のリズムでノックをすると、中からドアが開く。

「どうぞ、中へ」

 冴木は恭二たちを中へ招き入れた。

 バンガローの中では、二十代の女性が出迎えた。

「ようこそ。私は冴木美鈴、皆さんの世話係です。必要なことがあれば、何でも言ってくださいね」

 冴木は村雨一家に言った。

「ボートを手配して来ます。ここで待っていてください。部屋は自由にお使いください」

 冴木は車で走り去った。

 美鈴の案内で部屋に入ると、サンドイッチの昼食と着替えが用意されていた。

 恭二が美鈴に訊ねた。

「失礼ですが……冴木さんとのご関係は?」

 にこやかに笑って彼女は答えた。

「私は養女です。冴木は上海で孤児だった私を助け、この仕事のパートナーにしてくださいました」

 なるほど、と納得する。

 一同が着替えて食事をして人心地ついたころ、冴木が戻ってきた。車は手漕ぎの小さなボートをけん引していた。

「このまま夜まで待ちます。何なら、海岸で子供たちを遊ばせてもいいでしょう」

 冴木が言うまでもなく、子供たちは飛び出していった。美鈴がその相手をする。

 夜が更けると、冴木は鞄から出した小さな箱を手に海岸に出た。浜辺に立って、沖に向けて箱を掲げ、釦を押す。電波の発信器だ。


 ニューポートビーチの沖合一キロで、「わだつみ」は深度百メートルを維持して待機していた。この海域は川にえぐられた海底の谷があり、海岸から急に深くなるため、会合ポイントに選ばれたのだ。幅百メートルを切る谷の中に、時折、側面推進器を細かく使用し、ぴたりと海中の一点に静止している。その司令塔からはケーブルが海面まで伸び、その先につながれた通信ブイが、波に揺れながらアンテナを伸ばしている。

 発令所では、通信ブイが合図の信号を捉えるのを待ち構えていた。予定の日をかなりすぎていたが、了によればあと一週間は待機すべきだという。どれだけ、コードトーカーが重要な存在なのかわかる。

「信号、来ました!」

 一同、色めき立った。ついに来たのだ。

「人員昇降ブイ、上げよ」

 艦長の指令で、「わだつみ」の甲板の中央部にある扉が、観音開きに開いた。

 人員昇降ブイは縦八メートル横四メートルの箱型をした浮体の下に、直径三メートルの筒が横倒しでぶら下がった形状だ。この筒は耐圧殻で、その後部は「わだつみ」の昇降筒と接続されていた。

 今、ハッチが閉じられ、その接続が切り離された。「わだつみ」艦底にある巻き取り機が回転し、耐圧殻の前後二か所につながれたケーブルが緩められると、人員昇降ブイは自身の浮力で海面へ浮上していく。


 冴木がしばらくそのまま発信器を掲げていると、やがて沖合で明滅する光が見えた。バンガローに戻り、全員を起こす。

「迎えが来ました。まいりましょう」

 冴木と恭二の二人でボートを担ぎ、美鈴とエニが子供たちの手を引いて海岸に向かう。明らかに異様な行動だが、月のない夜で、幸い海岸に人気は無く、波も静かだった。

 波打ち際でボートをおろし、冴木は恭二と家族を先に乗せた。腰まで水に浸かりながらボートを押して、飛び乗る。そのままオールをつかみ、陸の明かりを目印に沖へと漕ぎ出す。岸では美鈴が手を振り見送っていた。

 やがて、恭二が叫んだ。

「右の方に、光が!」

 そちらへ向かうと、星明りの下、奇妙な形の物体が波間に揺れているのが見えた。数メートル四方ほどの平たい箱で、その上部、中央よりやや外れた場所に直径一メートルほどの円柱が突き出している。その円柱の上部にはハッチが開いており、箱の上では、数名の男たちが黒い作業服に命綱をつけて待ち構えていた。

 ボートからとも綱を投げると、男たちがそれを引いてボートを横付けさせた。

「こちらへ乗り移ってください! まずはお子さんから!」

 男の一人が叫んだ。十二年ぶりの日本語だ。

 子供たちが次々に男らに抱え上げられ、そのまま円柱の上のハッチで待つ男に手渡される。

「冴木さんは?」

 恭二が見ると、冴木はオールを握ったまま笑った。

「ここでお別れです。ボートも車も、返さなきゃいけませんからね」

 男たちの介助で恭二と家族が乗り移り、円柱の上に開いたハッチから乗り込むのを見届けると、冴木はボートの向きを変えて岸へと漕ぎ出した。

 恭二が円柱の中の梯子を下りると、そこは直径三メートルほどの円筒を横に倒したような空間だった。両脇には中央を向いて座席が並んでおり、どことなく列車の車両を連想させた。

「お座りください」

 男の一人に促されて、恭二も腰を下ろした。隣のエニが手を握って来る。

「いよいよね」

「ああ」

 男たちの最後の一人が梯子を下りてくると、円柱そのものが下に降りてきた。がくん、とわずかな衝撃の後、沈み込むような感覚と共に、波による揺れが無くなった。しばらくすると再び衝撃があり、やがて円柱があるのとは反対側の壁にあるハッチが開いた。

 そこから数名、軍装の男たちが入ってきた。黒い作業服の男たちが一斉に敬礼する。

 しかし、恭二の眼は、最後に入ってきた平服の男に釘付けになった。

「石動……さん?」

 十二年前に、恭二にアリゾナ行きを勧めた人物だった。

「お久しぶりです、村雨恭二さん。帰ってきてくれてありがとうございます」

 石動了は、恭二の両手をしっかりと握りしめた。


 今ここに、世界を変えるパズルの、最後のピースが揃った。

挿絵(By みてみん)


登場人物紹介


実在する人物には【実在】としています。


中島知久平なかじま ちくへい

【実在】中島飛行機(戦後の富士重工業)社長。


村雨恭二むらさめ きょうじ

言語学者。12年前、石動了の薦めで渡米し、ナバホ語を習得する。

ナバホ語を暗号に利用する米軍に対抗し、解読していく。


エニ

ナバホ族の娘。村雨恭二と結婚し、一男二女をもうける。


次回 第二十四話 「旅立と祖国」


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