プロローグ「最弱とペット」
初めまして松雄です。小説は初めて書きます。
タイトルはまだ覚えていませんがこの作品に真摯に向き合って書こうと思ってます。以上です
プロローグ
少年は黒かった----服、髪、瞳
ただ、結い上げた前髪に挿さった簪だけは白かった
少女は白かった----肌、髪、瞳
ただ、窮屈に、億劫に巻き付いた首輪だけは黒かった
「おいクソガキ!殺すぞオラァ!!」
陳腐な喧嘩口調で脅されている真っ黒の服の、真っ黒の髪の、真っ黒の瞳の『クソガキ』はニコニコと余裕の態度で漫然と立っていた
「何がおかしいんだよ!!」
屈強な男2人に路地裏に連れ込まれても笑顔を絶やさない少年に男達はうっすら恐怖を感じていた
少年は今ごろ自分を必死に探している健気なペットを待っていた
しかし、主を迎えに来るのが遅い悪いペットに少しお仕置きをすることにした
「なぁオジサンたち?何をビビってんだよ」
少年は嘲笑して言葉を吐き捨てた
「んだどクソガキィ!!!」
1人男が怒り叫んだと同時に少年に重い拳が振り落とされた!
少年はそれを真正面から、真っ直ぐに受け止め
地に伏した
「「は?」」
2人の男はあんなに喧嘩腰に自信満々だった少年があっさりと倒れたことに驚きを隠せないでいた
少年は意識が天に召されかけながら忠実なペットの足音を聞いた
そして、思った。
(なんで歩いてんねん。走れよ)
と。そしてそのペットはため息を1つ吐き、ゆっくりと屋根から飛び降り意識が朦朧としている少年の上に飛び降りた
「ゴフッッッ!!!」
少年は完全に意識を失った。その情けない有様を見た少女。真っ白な肌に、真っ白な髪に、真っ白な瞳で服は真っ黒の少女は怒る
「全く!どうして君は弱いのに私から離れるかなぁ?私がなんでも素直に尽くす忠犬だと思っているんだろう?君がわざと殴られて私にお仕置きするつもりなのはお見通しだったから、ずっと屋根の上で君が殴られるのを待っていたんだよ!案の定痛かったさ!なんせ君のくらったダメージの3倍が僕に来るんだからね!少しは反省したまえ!今回はたまたま私がすぐに気づいたからよかったものの次にこういうことがあっても安全は保証できないよ!」
たまりにたまった愚痴を少女は少年で階段昇降しながら早口でまくし立てる。その衝撃に強制的に起こされた少年はスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンとこちらも早口で詫びを入れる
この謎のSMカップルの公開プレイを見せられている空気と化していた男たちはただ呆然と立ち尽くしていた。それに気づいた少女は男たちに言った。少年の上に立ちながら
「私の主がすまなかったね。どうせこのバカが君たちにつまらぬちょっかいを掛けたのだろう?」
そう言いながら少年の頭をグリグリと踏み付ける
男たちはなんてできたペットなのだろうと思ったが、このまま丸く収められても怒りは収まらないので少女に突っかかった
「そうだなぁ?いきなりそのガキが後ろから石を投げてきやがったんだ!お嬢ちゃんは悪くないけどよぉ落とし前っていうもんがあるんじゃねぇか?あぁ!?」
「……まぁ納得はしてくれないだろうな。しかし私もこれでも怒っているんだよ。こんなゴミでも一応私の主様なんでね」
そう言うと少女は2丁拳銃を構えた
「わはははははは!!お嬢ちゃんが戦うのかい?とりあえず気絶させて裏オークションにでも売り飛ばすかぁ」
「そうだなぁ!お嬢ちゃんはか美人だからすぐに売れるだろうし、そっちのガキも軟弱だが変態のジジイ共には受けのいい顔だしな!どちらも高値で売れるだろうよ」
「遺言がそんなんじゃ犬でも食わないね」
少女は下に向けたままの銃を撃つと男達はクリスタルとなった
「いやぁいつ見てもこの国の死に様は綺麗だなぁ」
ボロボロながらも元気に喋る少年
「まぁ死んでいるんじゃあなくて戦闘不能状態になっていると言うほうが正しいのだけど」
少女はそう言うと少年を乱暴におんぶして歩き出した
「なに?怒ってるの?俺が弱いのに喧嘩を売ったから?俺が勝手にはぐれたから?わざと殴られたから?それとも…………心配させたから?」
少年はニヤニヤしながら尋ねる
「……………………全部!」
少女はイライラしながら答える
「じゃあ心配しててくれたんだね。ありがとねノアちゃん」
「はいはいどういたしまして!ボタンくん!」
弱すぎるボタンという少年とその強さをまだ顕にしていないノアという少女の主従関係は謎である。ただ1つ、このボタンが飼うペット、ノアは
こ の 世 界 の 支 配 者 で あ る
プロローグ「最弱と支配者」 Fin