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初めての恋人
美しい彼女は艶やかに微笑んだ。それは何故か?
ニュクスはあどけない少女だった頃、移動民族の娘らしく駆け回るのが好きだった。白い肌を真っ赤にして、母親に怒られた事だってある。だが、彼女はある日突然変わった。
それは知ってしまったからだ。彼女自身が美しいと。周囲の反応を、声を見聞きしてしまったから。
彼女は知ったのだ。「私は美しい」と。
そして、嘆いた。何時までも、「少女」ではいられないのだと。
そんな彼女は恋をした。初めての恋だった。相手は強くも優しい好青年だ。美しいニュクスとはお似合いだった。
しかし、彼は戦士。彼の一生は短い物だったのである。
彼が亡くなるまでの間にニュクスは初恋を楽しんだ。彼の死を知るその時まで、彼女は艶やかに微笑んでいた。
恋をしていたから。




