回る先生
「百合子ちゃん、縄跳び教えて!」
「私で良ければ教えよう」
「私も教えてー」
「分かった。縄跳びを教えてほしい子はこの指に止まると良い」
百合子の手が完全に見えなくなった。
「よし、まず手首だけで縄を回すようにするんだ。これが出来るようにならないとな」
私のをみてくれと言い、百合子は子供たちに見えるように実演してみせる。
めいめい跳んでみるがすぐに出来る者も出来ない者も居た。
出来ない子には丁寧に教えた。
そうして太陽が真上に来る頃には皆一様に綺麗なフォームで縄跳びが出来るようになっていた。
「お姉ちゃんより上手く跳べるようになっちゃった!」
「ねー。ゆりちゃんに教わったらなんでも出来ちゃいそう」
「ところであいつどこだろ」
その頃彼女は少し離れたところで子供たちが縄跳びの練習をしているところを見ていた。
子供に対して物を教えるなんて前世ではしてた覚えはないが、ゼロから学んでいた物ならどこが上手く出来ていないのか指摘、改善は容易だった。
子供たち相手にそれなりに教える事が出来ているなら教える力もある程度ついているようだ。うん。
そんな事を彼女が考えてるとも知らない子供たちは百合子を見つけたが近寄ろうとしなかった。
「ゆりちゃん、すっごい回ってる」
「ね。不思議だ」
「あいつよく分からない時があるな」
その時彼女は鉄棒で大車輪をしながら考えごとをしていた。




