爪隠し
なにか不吉な印象与えそうなサブタイトルになってしまってますがそんな事は無いです。
その後の私は出来るだけ乳幼児のように振舞った。
目立ってしまい天才児やら神童など持て囃されるのはごめんだ。
それでも夜泣きもしない、手が掛からない子供なので不審に見えたかもしれないが。
そうしてとにかく際立って目立つ事無く育ち子供と共に遊んだ。
まさに童心に帰ってだ。
勿論遊ぶだけではなく体の使い方を学んだり、色々なスポーツの練習もした。
サッカー、野球など人数がいるものは子供を集めたりもしたからかリーダーシップも取れるようになって一石二鳥だ。
家に帰り、アニメを観て、食事を摂り、入浴。
1日の終わりには中学の勉強のおさらいをした。
昔から勉強は出来ていたのでやる必要はなかったが、やり直したいと思う。
前世での最後の記憶を思い出すとそう思ってしまう。
『もし今の記憶を持ったまま過去に帰ることが出来たなら……』
それならば今から始めれば良いじゃないか。そう何度も言い聞かせはした。
だがやはり後悔をしていた。
やらされるのではなく、自らが進んでやりたい。
冷たいコンクリートの道を逆に辿り、舗装もされていない道を開拓出来たなら。
自分の可能性を知りたい。
奇跡が起こったのか私はチャンスを貰った。
前世でした様な後悔はしないと心に誓った。
彼女がふと目を上げると机上の時計は9時40分を指していた。
子供の体にとっては悪いと思った彼女は電気を消し床に就いた。




