ほんの数秒後には世界が終わります。その前にタイムスリップ!
短編です。
ですので多くは語りません。
高校二年の11月僕、リョウは、はつか委員長と向かい合うように座っている。部活が終わり、すでに真っ暗である。僕は不安である、とにかく不安である、将来何すればいいのか、わからない……。
数時間前の昼休み。
それはいきなり始まった。すべてが止まった。人の動きが、時計の針が、人の声が、人の息がすべて止まった。
「……」
呆然と立ちつきす僕。なにこれ。まさか時が止まっている。
ただ例外もあった。
「ないこれ」
噛みながらも僕の左横から聞こえてきた。ちなみの僕は黒板を正面にして教室の右端に席がある。どうでもいい情報は横に置き、リョウは音のがする方を見ると、そこには酸欠の金魚のように口をパクパクさせているはつか委員長がいた。
「委員長、大丈夫?」
僕の、突然の声に飛び跳ねるはつか。面白い。
「なんだ、りょうくんか」
僕が面白い、と思っている間に落ち着きを取り戻した委員長が声を掛けて来た。しかし、なんだとは失礼な!
「委員長これからどうします?」
「どうもこうもないよ!というか、この状況は何?私たち死んだ?」
「僕らが死んだとは考えたくないですね。まあ時が止まったと考えて正解でしょう」
「そのとうりである」
天井から声が聞こえてきた。略して天の声。その天の声はさらに続けた。
「お前らにタイムリープの力を与える、バイ神様」
「「神様、軽!」」
僕と委員長のシンクロ突込み!なにも効果がないみたいだ……。
「ただし、これから指令を与える。それをクリアーしてもらい、これから吹き飛ぶ学校を助けてもらう分かったな、バイ神様」
「「あんた誰」」
さらに僕と委員長のダブル突込み!はなにも効果がないみたいだ……。
「私は使い魔。というか、学校が吹き飛ぶとかのキーワードに突っ込め」
神様からの突込み返し、僕には効果がないみたいだ。
「あんたが何とかしなさい!」
委員長の突込み返し。効果は抜群だ
「くっ……」
「まさか、暇つぶしとか言わないわよね」
委員長の怖い顔だ。まあ、ここら辺でポケモンぽいことを止めて真剣に話そう。
「使い魔さんは何でこんなことをやってるの?」
さらに、追い打ちを掛けるようにいう、委員長
「すみません、神様もご多忙なので」
「嘘つかないで」
まさかの委員長のウソ指摘。いくらなんでもそれは、
「ほ、ほ、本当の理由は言えません」
「「マジで!」」
委員長も冗談で言ったらしい。
「ただ神様にも色々な種類がいるというだけです。タイムリープの力のちゅかい方は」
いきなり話しえかえそのうえ変な噛み方をしてんじゃねえ。男声だからキモイ。
「何年何月何日何秒のどこに、を言えばよい、ただし過去に行く時は、決して現地の時間の自分には合ってはいけない。今回のミッションとも関係してくるので気おつけてほしい」
「もし自分にあったらどうなるの」
確かに僕も気になる。
「この地球とか宇宙とかではなく、次元レベルで崩壊する。しかもほかの次元も巻き込んですべてが消える。無世界も」
「……」
言葉が出ない、なにそのかなり重要な役割は。
「今から行ってもらうのは、今日の朝7時だ。家庭科室のガス管に亀裂が入りガス漏れが発生、それを止めてもららう」
サクサク進む説明。僕はどこかさまよった意識を戻し聞く、でもそんなことがあったら、警報機が感知するんじゃ?
「確か、この頃家庭科室のガスの警報器の調子が悪いとかで、この前誤作動で非難したはね」
「そういえば、そんなことがあった!もしかして、朝警報機が鳴ったんだけど誤作動だと教師は思い込んでそのままにしたと。で学食がないうちの学校では昼までガスが充満してで?昼休みに火を使うことなんてあるか」
人間の首がここまで曲がるか、というほど僕は首をかしげる。
「あるわよ。よく科学の先生は、ガスバーナーを使って何か作ってるとか、授業中に言っていたわ」
「そのとうりだでは頑張ってこい。ミッションスタート!」
使い魔の声で、みんなが動き出すこともなく、沈黙と静寂が支配する。
「動かないわね」
「それは多分、今にもマッチが擦り終わるところじゃないんでしょうか?」
「ああ」
こくこくと首を縦にふっる委員長、可愛いな。
「それじゃあなんとかそれが誤作動ではないと思ってもらう旅に行きますか、委員長」
「奇妙なネーミングセンスね。そんなことは、そこらへんにほっぽり投げて、今日の午前7時、家庭科室!」
何も起こらなかった……。
「すまん」
また使い魔の声。二度と聞きたくないな。
「言い忘れたが、タイムリープを使うときはお前ら二人で手を繋いで言わなければならない。あと他にもミッションをやってもらうからな以上」
「「はああ」」
三度突込み、手を繋げって……年頃の男女だぞ。
「ミッション以外では使わせないようにするためだね。自分の未来とか簡単に知れるからかしら」
「ほう、よく解っているな、まあがんばれ」
本当、委員長は冷静だな。
「じゃな~~」
エコーがかった声でどっか遠くに行くように小さくなってゆく。
「リョウくん早く終わらせてしましょう」
「うん」
未来が見れる、未来が
「委員長一ついいかな」
何、と言い首をかしげる委員長
「これが終わったら自分の未来を見に行きたい」
不安を一つでも多く取り除きたい。
「まあ考えておくわよ。これが終わった時に決めましょう」
「ありがとう」
「はい」
委員長がそっぽうを向きながら、僕に手を差し出す。年頃の男女と言ったが、僕はあまり意識せず、自然と握った。
「こういう時、おもいっきり握られるとか、小説でよく出てくるんだけど、ちょうどいいね」
「人の手を握る機会が多いから」
「不潔」
「いやいや、ただ僕が柔道部で、打ち込みとか、試合形式の練習のあいさつに、握手するだけだから」
「冗談で言ったんだけれど、面白いものが見れた、ありがとうね」
お礼を言われるほどのテンパり方をしていたのか、はあ僕はおかしい、変わっている。昔は迫害されるほど。
「なに、変なモノローグ入れてるのよ」
委員長は心を読めるのか!
「わかった、せーの」
「「今日の午前7時の本校の家庭科室」」
ぴたりとそろえる、刹那、発光カメラのフラッシュにも似ている。
すると、目の前は大きな机が、九つ並ぶ教室、僕と委員長は教壇の上だ。
「パッと見、理科室に見えなくもないね」
そっと僕らは手を話す。
「もうちょっと感動の言葉を第一声として言ってほしかったかな」
そんなことを言っている自分もそこまで感動したわけでもない。でも、こんなものかと、がっかりしたわけでもない。
「どうやって知らせる?」
「僕も全く考えていなかった」
何をしたらいいものか…………。考え込んでいた僕らだが、時は待ってくれない。
警告音のビービーという音が響く
「これが、警報機の警告音ね。思っていたより小さいね」
「てか、ガス臭」
とっさに窓を開ける僕と委員長。
「これで、気づかなかったって、おかしいだろう」
「もし今、私たちが先生らに報告しに行っても、今の私たちが、それを認識できていないし、先生らに捕まったままになってしまうかもしれないね」
「だと今の時間の僕らに会ったり、それでなくてもドッペリゲンガーになるね」
あ――、どうしたらいいものか。
「一つ、いい方法が思いついた。でもあまり気が進まないね」
「この際何でもしないと。多くの人命がかかってんだから」
「リョウくんあなたが私に襲ってきたので悲鳴をあげ――」
「却下」
「冗談、ほんとは、窓を閉めて全部叩き割る。そうすれば誰か来るでしょう、で私たちは元の時間に戻ればいいだけ。私たちが、犯人として疑われることもなく、このガスにも気づくし、それでいいなら今からやりましょう」
「あまり気が進まないが仕方がない、イッチョやりますか」
これで、未来にどう影響するか解らないが、他にいい方法が思いつかないし、まっいいか。
僕らは窓を閉める。すぐにガスの臭いが充満する。近くにあった椅子を手に取る。
「委員長は割らなくってもいいです。危ないですし、怪我するかもしれませんから」
解ったわ、と言いながら手にも手に持っていた椅子を置く。
「布とかで指紋拭き取って」
「忘れていた。警察沙汰になるかもしれないね」
ハンカチを取り出し、委員長は自分が手を付けたところを念入りに拭く。
「少し離れて」
僕は委員長が離れたのを確認してから多く振りかぶり、窓ガラスを椅子で殴る。
大きな破壊音、耳が避けそうだ。
「かなり大きな音だったわね。全部割る前に気づくと思うわ」
「言ったそばから人がこっちに向かってきてる音がするんだけど」
やばい、確実にやばい。
「早く、私の手を」
委員長の手を強すぎない程度に握る。
「元の時間元の場所に」
委員長が早口で言う。
また発光。
教室の人の声、僕らのクラスメイト、戻ってこれたんだ。ふーと、息を吐く、よく見ると、僕とはつかは元の自分の机に座っている。そして視界にデジャヴを覚えた途端また時が止まった。
「パッパラー、おめでとう、ミッションクリアーだ」
またあのいやな声。
「これでいいわけ?特に何もしていない気がするよ」
それは僕がほとんどやったからです。心底思う
「まいいわ。リョウ君の弱みも握れたから」
「いやいや、委員長も共犯ですからね」
「冗談よ。でこれど本当に変わったのかしら、使い魔さん」
「大丈夫だ。お前らが、教師どもにガス漏れに気づかせたから、ガスが止まっているということで、この学校の爆破はひとまず回避された。ただ警察が下でうじゃうじゃいるぞ」
はは、苦笑いしか出てこない。
「今回は人、と出会ったりしなかったので、あまり今の時間に改変を起っていなが、気をつけろ、ほんの一言や、一歩歩いただけでも、何が起こるかわからないと、考えてほしい。たとえば、未来を見に行ったことで大きく左右され、全く違う未来になることがある気をつけろ」
未来が分かったところで……。だめだ、だめだ。落ち着け、落ち着け。
「どうしたの!」
委員長の声がする。たぶん、頭を抱えて机に頭突きをおみまいしているおかしな自分に声をかけたのだろう。
「使い魔さんこれは、タイムリープの影響」
「いや何がなんだか」
落ちうけええ、違う、落着く、吐いてー吸って。
「大丈夫、大丈夫だよ、委員長」
「本当に?」
「ああ、ちょっと不安要素が増えただけだから」
「そう、何かあるんだったら、私でもいいから聞くよ」
「まず大丈夫。それより一つ気になることが有るんだけど」
未来の話はだめだ、話を変えたい。
「もし僕らが自分の親を殺したりしたらどうなるの?」
「世界が崩壊する。お前らが、改変した後の世界にお前らがいない場合、世界が崩壊する。」
「あと、気になるのが、僕らが改変した後の世界に、改変前の記憶を持っているのは何故」
「本来、些細な時間改変でも、お前らは時間の理から外れた存在となる。しかし、神様の力で改変後の世界に来れるわけだ。肉体は改変後のものだ。さっき言った世界の崩壊はお前らにとってのという意味だ。あと質問はないか」
僕はこのくそ声に苛立つことで精神を整える。
「では、またそのうち」
すべてのものが動き出す。爆発は起こらず、人の声、歩く音、弁当を食べるために机を動かす音、日常の当たり前すぎる音が支配した。
「リョウくん。さっきのことで話があるから、場所を変えましょう」
「なら、部室に」
僕と委員長は、弁当を広げて、今部室にいる。
「未来は、ミッション以外では行かないことにしましょう」
「唐突だな」
「別にいいでしょ」
委員長は怒ったのか、ぷいと別のほうを向く。
「で、それだけ?」
「まさか、リョウくん、あなた未来について何かあるんでしょ。不安とか。」
「その話はもう少し時間を置いてから話す、今は無理、そうだ放課後、放課後まで待って。だと大丈夫だから」
「そう」
息がつまりそうで苦しいけど、今だけは、
「でもよく考えたら、テストの時事前に問題が分かって楽できたね」
「はは」
「じゃあ放課後教室だったよね」
「でも、僕部活あるから」
にげて、にげた。
「待つわよ、だから絶対きなさい」
僕は何も言えず、委員長は何も言わず。昼休みのチャイムと共に部室を後にした。
そして放課後、冒頭に戻る。
「僕は高校に上がってから将来を決めろ、これが、現実だと言わんばかりに突き付けけれた。僕は部活で柔道部に入っている。それがたまたま組み合わせが良かっただけで東北大会に出て三位を取った。そのせいで親からの期待が強くなる。でも最近は部活で調子が出ず、1年からも投げられる始末、さらに追い打ちを掛けるように、僕のテストの点数は降下し、得意だった教科である、平均以下に。それに僕はライトノベル作家にもなりたい。その一心で小説を書いて、投稿したが、結果が発表されなし。それと親は、柔道以外に合気の道場に通っている僕、警察とか自衛隊とかの公務員になってほしいという。それにかやっている道場の師範からは、あとを継いでほしいと言われた。自分ははっきり言えば作家になりたい。でも本が売れなくては食べていけない、だから本職となるものを見つけたい。
僕は昔は建設行につきたかった。でも今は違うどうしたらいいの」
「そう」
僕は俯いた。でも初めて将来ことを家族以外に相談したかも、ただのクラス委員長から、今日一日で秘密を共有する中になった。だから言えたのかもしれない。
「私も将来は不安だね。でもそこまで悩んでない。ただ、この話を聞くかぎりだと、リョウくんは私の一言で、すべてを決めようとしてるね、そうでしょ」
「わからない、これは、僕のわがままだし、ただの気まぐれ」
僕は立ち上がり、机をもとの位置に戻していく。
「まって、これは私のわがままよ」
委員長は、僕のスクールバックに掛けた手を掴み止める。
「悩みを教えてほしいと言ったのは私だし、そして何にも解決していないから。いうだけ言ってはひどいよ」
僕はまだ椅子に座ったままの委員長を見る。
「確かに途中からリョウくんのわがままになったけど。解決策を教えてあげる。一つは作家に成りたいのだったらweb小説をやってみたらいいと思うわ」
「うん……」
「はあ、やっぱりすぐに肯定したね。さっきも言ったけど、リョウくんは、私の一言ですべてを決めようとしてるね。だと私はとやかく言いたくない。だって今からこれしなさい、あれをしなさいと言ったとしましょう。で、リョウくんは言われた通りして、失敗したとき人に言わないとしても、心の中でも私の言った通りにしたから、と言い訳にされたくないの。わかるね」
「うん……」
自分が情けない。
「リョウ君、あなたは全部を受け止めようとしている」
すべての言葉を正面から受け止め全力で、傷つきボロボロになって、昔もそうだった。確かにそれが僕で、僕だ。
「だから、これから言うことは、軽く聞き流しなさい」
「スピード○ンニング」
ぼそりと僕が呟く
「今はボケないほしい。今から言うことを心の言い訳にしないなら一つだけを教えてあげるね」
「わかった。言い訳にもしないし、だれにも言いふらさない。これは僕のわがままなのだから」
「ならばいいよ、まず、今出来ることをしなさい、そうすればおのずと未来は見えてくるものだね。何でもいい、数学のテストだけでいいから一位を取るだっていい。柔道の大会で優勝するでもいい。だから、手近の目標に向かってできることをやるの、わかった?」
「そうか僕は決めようのないことで悩んでいたんだ!」
「そうそう、私だって、今から何をするなんて、まだ決めてないよ。適当に公立大学でも入いろうかなと思っているだけ。そこで好きなことを見付けて、好きなことを職にしようと考えてくるだけ、だからもっと今を楽しく生きよう。恋人作ったり体育祭で応援したり、体育祭でバカやったり、もっと青春をエンジョイしよう!」
「そうだよね!ありがとう」
肩に乗った何かが取れていく。
「自分の人生なんだから、僕が今出来ること、やりたいことをやる。そして、何かやりたいことを小説以外に、一つ見つければいいだ」
「そうだよ、でも言い訳にしない」
二度目のその言葉は、後ろめたさや黒いものがなかった。それに心なしか明るくなった気がする。
「さあ帰りましょう」
委員長の手が僕に差し伸べられる。
「え……え、と」
戸惑う、どうしたらいいの?
委員長はもう、と言いながら差し伸べた手で、僕の手を握り引っ張る。
「ちょっと、ストップ」
僕は手を握り直した。そして、余った手でスクールバックを掴む。
「よく解ったわね。初めに、差し出した手を、握ろうとしなかった鈍感だけど」
「初めてのことだからよく分からなくって」
「この行動は何を意味してるか解っている?」
「分かっていても声にしないよ、委員長いや……はつか」
「そう、もう委員長と呼ばないでね」
そして僕らは、昇降口にと向かった。
……ここで僕はキーボードの手を止めた。
僕は今日会ったフィクションみたいな話をweb小説小説として書いた。名前や実際にあったこと、なかったことを並べて。
僕の今の目標は彼女のあの気持ちのどのような形で応えるかだ。
最後まで見てくださりあがこうございます。
残念ながら、このお話はここでおしまい。
連載いたしません。
他にも作品があるのでそちらを読んでいただけると幸いです。
*また、感想などをお待ちしております!