見えているモノ
「ノー」
いろんなことを知っています。
教科書に書いてあること、 ニュースで見たこと
親から言われたこと 先生に教えてもらったこと、
ぼんやり耳に入ってきたこと、 君と話したこと
誰かが言ってた 知ってることで世界はできてるって
今見えてるものがあなたの世界だって
宇宙にきらめく星空のこと 知らない人の泣き声のこと、
嘘はついちゃダメってこと、 賢くなくちゃやってけないこと
彼らは僕が嫌いだってこと 君が僕を信じてくれること、
ああ、 そうか
ホント 知らなかったなぁ。
「カクカク」
始めたそばから 掻き消して
一向に先に進まない
できたと思った その瞬間から
疑りはじめて止まらない
軽く息を抜こうとしても
重く 鈍く 苦しく
愚かさゆえの崇高な行為
崇高ゆえに貶されることも多々
思い違いと予想外
時にしてやったり
誰にも始められるが
誰にも
止められない
「起床」
朝目が覚めた
ぼやけた視界が
広がった
吐きたくなるほど キレイな
ずっと見ていたい 歪な
ふいに起きれば
じんわりと
くろ
「固形」
誰かの顔色
うかがって
いえいえ
そんなに器用じゃありません
自分のココロを
押し込んで
いやいや
そんなに我慢できません
他人の前では
エガオしか
見せない
「否定」
否定なしには 生きられない。
ほら、
また
ヒテイ。
「薬」
イキタイ
イキタイ
イキタイ
シニタイ
シニタイ
シニタイ
イキタイ
イキタイ
…シニタイ
「4」
シってなに?
もやもや
探すこと
シってなに?
ただただ
沈むこと
シってなに?
ときどき
解放されること
シってなに?
それでもまだ
縛られること
「折れた」
ひかり 屈折
僕 骨折
ぽっきり
ぐにゃり
きらきら
白い
「炭酸飲料」
冷たく
冷やした炭酸飲料
少し
勢いをつけて
飲んでみた。
焼け付いて、
ただれてしまった
心臓に
ぶちまけるように
飲み込んだ。
ひりついて
眩暈がした。
「レギオン」
秩序なき
群衆
豚を食らって
人に倣って
飛び込んで
溺れて
腐る
「さんすう」
何度も
計算
重ねてみたが、
確かな
答えは
見つからない
突きさし
えぐって
どろどろで、
単純計算
ワタシハイラナイ
「泣けなし」
涙って
甘いよな
ノドが
焼けそうだよ
うぅ…
酔っ払っちゃった
「イエス」
求められたから
差し出したの
裂いて 吸出して
コップに入れて
真っ青になったら
つぎたして あげた
錆びた針で 縫い合わせて
十字架のアップリケ つけてあげた
あいしているよ
あいしているよ
「からっぽ」
丸で囲んで、
両目で
空を見てみる
右目で
そらを見てみる
左目で
ソラを見てみる
少し
ズレた
「山茶花」
あるところに
ヒトリの少年がいました。
とうさんも かあさんも
やさしくて あたたかくて、
どこにでもあるような
そんなヒトリ
すくすく育って、
笑っていました。
だけど、
いつからだろう
彼は ヒトリになりました。
何かをなくしたわけでもなく、
かといって手にしたわけでもない
変わらないまま
枯れてしまったのです。
そんな少年の上には
真っ赤な花が
咲いていました
前作の投稿から時間がそんなに経っていないのですが、どうだったでしょう。正直現代詩って推敲を重ねたりするのが妙に躊躇われてしまって、訂正するぐらいならまとめて消したくなってしまうんです。なので実はもっとたくさん書けそうな、そんな気がするんですよね。