第2部 第6話:聖域の終焉(最終話)
「セントラル・シールド」の夜は、結界の光が激しく揺らぎ、街に最後の危機を告げていた。シャドウ・スペクターの討伐で制御塔が守られ、市場は一時的な活気を取り戻したが、キメラ生息地の禁呪の聖域から放たれる魔力の波動は頂点に達していた。住民たちは神殿に集まり、祈りを捧げる。ギルドの五人──レオン、カイ、リオ、ガイア、セレナ──は、聖域の最奥の地図を握り、神殿の祭壇で最終の作戦を立てていた。
レオンが地図を握り潰し、赤い髪を燃えるように揺らす。「禁呪の聖域を終わらせる。俺の炎で全て焼き払う!」火の魔法の使い手は、黒いコートを翻し、剣に炎を宿す。唯我独尊の心に、仲間と街への愛が宿る。
カイは水の魔法で地図を冷やし、青いマフラーを握りしめる。「聖域の波動は俺たちの魔法の源だ。壊せば全て終わる」水の魔法の使い手は、冷静な目で過去の孤独を振り払い、仲間への信頼を胸に刻む。
リオは風を操り、金髪をそよがせる。「この戦いが終わったら、娘たちと未来を祝うぜ。俺の風で道を開く!」風の魔法の使い手は、緑のジャケットを軽やかに着こなし、笑顔で場を和らげる。失恋の傷を力に変える。
ガイアは祭壇に座り、土の魔法で地面を固める。「面倒くせえけど、家族みたいな街を守るなら最後までだ」土の魔法の使い手は、茶色のフードを被り、怠惰な口調で決意を呟く。過去の後悔が、仲間への忠誠に変わる。
セレナは癒しの光で皆を癒し、銀髪を無造作に結ぶ。「私の癒しで禁呪を終わらせる。みんな、生きて帰ろう!」癒しの魔法の使い手は、赤いスカートを翻し、大雑把な笑顔で鼓舞。過剰癒しの代償に立ち向かう。
神殿の扉が開き、軍の最高司祭が現れた。ローブに魔塩の輝きが薄れ、声は重い。「ギルドの皆さん、禁呪の聖域の最奥で『エーテル・オリジン』が目覚めました。結界の全魔力を吸い尽くし、今夜で世界は終わる」
レオンが剣を握り、「オリジン? 俺の炎で始祖を終わらせるぜ」と目を光らせる。
司祭は震えながら言う。「全てのキメラの源。体長五十メートル、火、水、風、土、癒し、闇、光、雷、氷、時の十の元素を操る。禁呪の聖域そのもの。軍は壊滅。心臓を止めなければ、希望は消える」
カイが息を呑む。「俺たちの魔法の全て……」
リオが笑い、「どんな敵でも俺の風で切り開く。娘たちを待たせねえ」と身を起こす。
ガイアが立ち、「面倒くせえが、最後だ」と呟く。
セレナが拳を握り、「みんなの命、私が守る! 行くよ!」と叫ぶ。
五人はエアボードに飛び乗り、結界の最深部ゲートへ。リオの風とレオンの火でジェット加速したボードは、轟音を響かせ聖域の最奥へ突入。カイの水で冷却、ガイアの土で強化、セレナの癒しで耐久力維持。聖域は光と闇が交錯し、魔力の鼓動が空間を震わせる。
最奥の祭壇に、エーテル・オリジンがそびえる。十の頭がそれぞれの元素を放ち、空間が歪み、時間が揺らぐ。火が溶岩を、水が洪水を、風が竜巻を、土が地割れを、癒しが再生を、闇が幻影を、光が眩光を、雷が稲妻を、氷が凍結を、時が時間を操る。軍の残骸が霧に溶け、結界の魔塩が消滅。
レオンがボードを加速させ、炎の剣を振り上げる。「始祖だろうが焼き尽くす!」火の嵐が火の頭を襲うが、時の頭が時間を遅らせ、炎が止まる。「時間の操作!?」
カイが水の魔法を放ち、「流れを壊す!」水の柱が水の頭を包むが、氷の頭が凍結。「くそ、凍った!」
リオは風でボードを宙に浮かせ、「俺の風で全て切り裂く!」ジェット加速で突進、風の刃が風の頭を狙うが、闇の頭が幻影を放つ。「どれが本物だ!」
ガイアが土の魔法で祭壇を固め、「封じる!」岩の壁がドラゴンを囲むが、雷の頭が稲妻で粉砕。「面倒くせえ……」
セレナが癒しの光を放ち、「みんな、持ってて!」光が仲間を癒すが、光の頭が眩光で反撃。「私の癒しが……」
オリジンの十の頭が一斉に攻撃。溶岩、洪水、竜巻、地割れ、再生、幻影、眩光、稲妻、凍結、時間操作が五人を襲う。エアボードが軋み、魔力が吸われる。セレナが叫ぶ。「心臓を狙う! 全ての魔力を逆流させるんだ!」
カイが水を最大に。「俺たちの源なら、源で壊す!」水が心臓を過負荷に。
レオンが炎を集中。「燃え尽きろ!」火が心臓を焼き、吸収が暴走。
リオが風を加速。「未来を切り開く!」風が心臓を貫く。
ガイアが土を隆起。「家族のために!」岩が心臓を押し潰す。
セレナが過剰な癒しを。「私の全てで!」光が心臓を暴走させ、自滅。
オリジンが崩れ、聖域が静まる。結界の魔力が戻り、軍の司祭が叫ぶ。「世界が救われた! 報酬は全ての魔塩を!」
レオンが剣を収め、「禁呪の聖域、終わったぜ」
カイが笑い、「俺たちの魔法、自由だな」
リオが髪をなびかせ、「娘たちと未来を祝うぜ」
ガイアが倒れ込み、「やっと寝れる……」
セレナが皆を抱きしめ、「みんな、生きてる! ありがとう!」
街に戻る五人。禁呪の聖域は消え、新たな世界が始まる。物語はここで完結。




