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異世界に逃げ込んだ犯罪者をPKするのが仕事です――ヒデンスター・ノヴァで命を狩る者  作者: 鳩夜(HATOYA)
第二部 第一章 開拓編

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EP87 開拓の第一歩

 とりあえず近くの草を適当にちぎり、腰に巻きつけて簡易スカートを作った。

 そのまま周囲を探索してみる。


 俺を中心に半径50メートルほど――そこだけ土がむき出しになっていて歩きやすい。

 その外側には、30〜50センチほどの丈の草が一面に広がっている。

 見た目は地球のゴルフ場なんかでよく見た高麗芝こうらいしばにそっくりだ。


 さらにその向こうには、背の高い木々が連なる森が広がっている。

 どこまで続いているのかは分からない。


「開拓を進めるなら……まず芝刈りからか?」


 そんなことを考えていると――視界の前に、懐かしいメッセージウィンドウがふわりと浮かび上がった。


『ようこそ、先導者。

まずは開拓を進めるため、天力を扱う訓練を開始します。

所要時間は約2〜3か月を予定。

最終的には、右目に宿った“創造の眼”に天力を込め、使用可能な状態を目指してください』


「……右目に、天力を込める、か」


 すでに天力の扱い方は理解している。

 スペルの詠唱なしで発動する練習を繰り返したことで、感覚的に掴めていた。

 今までは“キューブに込める”ことをしていたが、それを“右目に込める”だけだ――そう考えた。


 深く息を吸い、集中し、右目に意識を向ける。

 そして――天力を流し込んだ。


 次の瞬間、右目から骨組みのような立方体が飛び出し、空間に拡張していく。

 俺を中心に半径3メートル、高さ6メートルほどの透明な骨組みが展開され、

 その中に浮かび上がるのは――建造物のリストだった。


「お、おお……なんだ、これ……」


 再びメッセージが流れる。


『創造の眼に天力を込めたことで、“ワークスペース”を展開できました。

天力を注ぎ続けなければ維持はできません。

慣れるまでは集中して維持するようにしてください』


 試しに天力を注ぎ続けながらリストを眺める。

 すると、説明が続いた。


『ワークスペースを維持しながら、リストから建造したいものを選択し、アンカーを設置してください』


 なるほど……これはチュートリアルみたいなものだな。

 指示に従い、まずは「雨除け屋根」を選択し、アンカーを地面に指した。


 すると、アンカーを中心に光が広がり、骨組みが立ち上がる。

 まるで3Dプリンターで造形しているかのように、屋根が組み上がっていく。


 数分後――


「……できた、のか?」


 そこには簡易的だがしっかりとした雨除け屋根が完成していた。


「すげぇ……でもこの調子で一人で全部やるのは楽だが骨が折れそうだな」


 再びメッセージが表示される。


『この要領で建築を進めてください。

今後の開拓に役立つおすすめ手順を、キューブのリストに送信しました』


 慌ててキューブを確認すると、「開拓指南書」というアイテムが追加されていた。


「よし、とりあえず順番に見てみるか」


 その場に座り込み、リストを開く。

 開拓の最短目標は――神器化結晶石の生産ルートを最短で確保すること。


 幸い、雨をしのげる場所は確保できた。

 ならば、家の建築は後回しにして、まずは資源確保と基盤作りだ。

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