EP82 先へ行くのは
「逆に……俺以外の二人で行くか……?」
「先導者がいかんでどうする!」
キューイが即座に否定した。
「ただ、ここで話し合っても平行線な気がするのう……。仕方がない、もう一つを取りに行くぞ」
「え、神器化結晶石ってまだあるのか?」
「ある。北部レベル10エリア──神滅の聖域の最奥にな」
「北部……あの方向はまだ一度も行ってないな……」
キューイは真剣な目で俺を見据える。
「ハトヤ、統合が済んでから一週間後にはグローバル世界に行けるようになる。そのタイミングで、お前だけドワーフの抜け道を使って先に行くのじゃ」
「じゃあ、キューイは……?」
「わしはネフィラと神滅の聖域を目指す」
「え……わたしも……?」
「なら俺も行くよ」
「駄目じゃ!」
キューイは声を張り上げた。
「行けるようになった瞬間、百年のカウントダウンは始まるんじゃ。遅れれば遅れるほど不利になる!」
「そう……なのか……」
「それに、神滅の聖域へ向かう途中で“二人で開けねばならん扉”がある。ネフィラ、そのためにお主はついてこい」
「ええ……」
「ええじゃない!」
ネフィラは口を尖らせてこちらを見た。俺は小さく息を吐く。
「ネフィラ、本当にごめん……キューイについて行ってくれないか?」
「むー……」
「ほら、開拓ってことはさ、みんなで暮らせる家とかも必要だろ?」
「……まぁ、そうじゃな」
「だったら、ネフィラ。俺、島で大きな家を作って待ってるよ。だから……頼む」
「ハトヤと……同棲……!」
ネフィラの目がきらりと輝く。
「わかった! キューイ、行こう!」
「ハトヤの言うことは素直に聞くんじゃな……」
キューイが小さくため息をつく。
「よし、ネフィラ! 準備をしたらすぐに行くぞ。目標は一年での帰還じゃ!」
「わかった……!」
「ハトヤ、それまで島の開拓は任せたぞ! あと、天力の修行も怠るなよ!」
「ああ、わかってる。任せておけ!」
そうして、キューイとネフィラは足早にその場を後にした。
静かになった空間で、俺は深く息を吐く。
「一週間後、か……」
とりあえず、この状況をラフリットに報告しておかなければならない。




